シギ・チドリ

最近、家の近くでChiffchaffというムシクイの仲間がよくさえずっています。和名を調べてみたところ、ネットで見る限りは「チフチャフ」。。。そのままです。安易すぎはしないかい…?
研究の方ではいくつかいいニュースが届いています。共著となった論文が2本受理されました。
Child MF, Cumming GS and Amano T. (in press) Assessing the broad-scale impact of agriculturally transformed and protected area landscapes on avian taxonomic and functional richness. Biological Conservation.
筆頭著者のマットは研究室の同僚です。博士課程の学生ですが、見た目が若いのでみんなの弟分的存在で、常にいじられています(笑)。しかしながら保全に対する情熱はとても熱く研究に対する態度も真摯で、つまりはいい奴です。この論文は彼の修士時代のプロジェクトに関するもので、南アフリカで作成された鳥類アトラスを基として、農地景観とそこに作られた保護区の間で、鳥類の機能群出現パターンにどのような違いがあるかを検討した研究です。猛禽類や腐食性鳥類といった特に機能が重要視されるグループで保護区に多く生息している傾向が見られました。一方で、農地景観は栄養塩循環を促進する機能群や植食性種が多い傾向があり、それぞれの景観が機能群多様性を維持するうえで重要な役割を果たしていると結論づけられました。南アフリカには行ったことがないのですが、彼のおかげでずいぶんと親近感がわくようになりました。
King S, Elphick CS, Guadagnin D, Taft O and Amano T. (in press) Effects of landscape features on waterbird use of rice fields. Waterbirds.
こちらは2年前にバルセロナで行われたWaterbird Society年次大会でフィーチャーされた水田と水鳥に関する題目のうち、景観要素に注目した総説です。一回した会ったことのない人と論文を書くというのは新しい経験だったのですが、数度のメールでのやり取りの末、何とか受理されることになったようです。
自分の研究の方はと言えば、6月5日に控えた学部主催セミナーでの2回目の発表に向けて、ようやく個体数指数の推定法とシギ・チドリの個体数変化についての解析がひと段落となりました。これが正式にはこちらでの最後の発表になるでしょうか。何とかビシッとすませたいものです。
そんなこともあって、最近だいぶシギ・チドリに親近感がわいているのですが、先日RSPBのリザーブ、Titchwell Marshに行ってきました。ここは淡水から汽水、海水まで異なるタイプの湿地を同時に見られるのが魅力です。ヒゲガラやサンカノゴイは見られなかったものの、ヨシ原でヨーロッパチュウヒの乱舞を楽しんだ後はいよいよ主役の登場です。

ここではRSPBのシンボルマークでも有名なソリハシセイタカシギが繁殖しているので有名な場所なのです。汽水と思われる湿地でソリハシセイタカシギがユリカモメとコロニーを作って繁殖しているのがじっくりと観察できました。

ハイドからじっくりと観察できるコロニー。

いきなりこんな場面が。RSPBのマークと雰囲気が似ているような…まさかこの場面がモチーフ!?

奔放な雛がうろつくそばで親が必死に周囲を警戒。

オオジュリンや渡り遅れのコクガン群れも見られました。