J2第39節 対柏レイソル@三ツ沢

tatsumine2006-09-13

横浜FCは、ホーム三ツ沢に首位柏レイソルを迎えた第3クール最終戦を、前半の少ないチャンスの中、セットプレーであげた得点を守りきり勝利。湘南に追いつかれた神戸が首位に立ったものの、2位柏と同勝ち点、さらに3位横浜と1点差という大接戦の構図となりました。


カズのスタメンが予想された出場選手ですが、スタメンは左SBになかじ、左CBにハヤが嬉しい復帰、DFをしっかりこなせるヨンデをボランチに上げて、上がり目のウィングにソンヨン、タッキーの両サイド、そして1トップ下にうっちー、1トップアレモンという布陣、サブも守備的な選手は岩倉のみで、カズ、きたむー、トミという攻撃的な布陣。1トップは守備的ってのは正しくないのです。
対する柏は、大谷、落合、鎌田、石川という急造ライン。中盤は脅威ですが付け入る隙はあると思われました。


さて試合が始まると、90分通してお互いのプレスのはげしさと、ぬかるんだピッチで両チームパスミスを連発します。しかしそのパスミスする地点は柏と横浜では大きな違いがありました。
横浜は柏の急造ラインとマッチアップする局面までたどり着けず、さらに柏のボールホルダーを4人で囲い込みファールまがいのチャージで奪い去るプレーや、実際に後ろから削りに来る荒いプレーによって前線に展開できません。
対する柏は前線までボールを持ち込んでも、ディエゴが左に流れて平山とかぶり、1トップ状態の北嶋にボールが渡る前にパスミスでボールを失うという横浜陣内で試合が続くもどかしい展開。
しかしたまに迎えるピンチもハヤ、オムさんがきっちりはね返し、グラウンダーでハンドリングミスを誘おうとする柏のシュート(ディエゴ、リカルジーニョが執拗に狙ってました)はスゲがしっかりと抱え込みます。


DFは安定しているものの、攻撃面では1トップ下のうっちーが2列目に吸収され、4-1-4-1状態になり、1トップのアレモンが2列目と遠くはなれた距離で孤立し、なかなかボールが収まりません。
うっちーのポジショニングの半端さが際立った場面でしたが、代わりにプリメロボランチのヤマがしっかり捌き役をこなし、本来プリメロボランチ的な役割を期待されたヨンデがうっちーよりも前に位置して攻撃の起点になります。

耐える時間が続きましたが、先制はなんと横浜。39分タッキーの右からのFKにファーでヨンデがつめて頭で押し込み先制します。
その瞬間三ツ沢はためていた感情が大爆発、興奮の坩堝に!!
ヨンデはカバーリングでも攻撃参加でも素晴らしいプレーを見せてくれました。前半は結局このまま1点リードで折り返します。


後半頭から平山を鈴木に代えて両サイドを鈴木で揃え突破を図りに来た柏ですが、なかじ、トモキチがよくカバーします。10分クライの時間帯でソンヨンが肩を脱臼するというアクシデント発生し、ソンヨンは片腕でプレーを続けますが19分きたむに代わります。そのきたむは交代直後からアレモンとひんぱんにポジションチェンジをはかります。

さらに横浜はタッキーに代えて岩倉を投入。タッキーは、再三左サイドで突破をはかっては4人がかりでつぶされることを繰り返していましたが、2度内に切り込んで右クロスに飛び込み惜しいヘディングシュートを放つなど、良いコンディションでした。代わった岩倉は右前で早めのチェックをこなしブランクを感じさせません。

最後はついに不調からのキャッチアップならなかったうっちーに代えトミをボランチに。前線にタメを作るためにも、トップで起用しても良かったと思いますが、リカルジーニョ、ディエゴに加えフランサも入った柏中盤をカバーし、CKでは決定的なヘディングシュートが南のファインセーブで防がれるなど活躍。

柏はフランサに加え、けがの大谷に替え佐藤ユキヒコも投入。
しかし岡山の不在もありパワープレーに怖さがなくて助かりました。ディエゴがサイドに流れると、リカルジーニョ以外に怖い動きを見せる選手がいなかったのも大きいですね。あの時間帯細かいパス回しより個人での突破の方が疲れたうちのDFにはきいたはずです。

最後はしっかりとロスタイム5分をトミーのCKキープなどで消化し、試合終了の笛。勝利の瞬間はピッチ上でもスタンドでも誰彼構わず抱きつき合う優勝したかのような大騒ぎ。
MoMはヨンデではなくヤマさん。ゴル裏で自分のコールの音頭を取り神戸戦の悔しさを晴らします。

勝ち点3とか首位と1点差とか数字的なものではなく、この勝利で選手たちのつかんだ自信はとてつもなく大きいものだと思います。アウグスト、城という攻撃の牽引者を欠いて迎えた柏戦での勝利。この勝利がシーズンを迎えたときにとっても大きなポイントとなる試合であることを祈りたいですね。
ヨンデに抱きつくハヤ、出場選手に駆け寄る途中交替の選手、カズをみてちょっと涙ぐみながら、そんなことを考えていました。

さて、採点。

  • 菅野 6.5:シュアなキャッチと相手ブーイングでますます冴えるフィード。よっ!男前!!
  • 小野 6.0:右サイドで安定したDF。ただ、ソンヨンの姿を捉えきっていなかったのが残念。
  • 小村 6.5:水際で足が伸びるかのような見事なDF。
  • 早川 6.0:久々ながら安定したDFを見せてくれた。
  • 中島 6.5:今日の左サイドは彼のスペースだった。
  • 崔成勇 5.5:無駄走りは実らず。無念の負傷交代。
  • 鄭容臺 7.0:不調のうっちーをカバーし攻守に冴えを見せた。
  • 山口 6.5:裁き役として素晴らしいプレー。
  • 滝澤 6.0:ボールキープしている局面で狙われながらも何度もチャンスを演出。
  • 内田 5.0:中途半端で思い切り良さもなかった。1トップ下をこなせず残念。
  • アレモン 6.0:何度か決定機は合ったが今日はスパイクが合わず*1
  • 北村 6.0:かき回す役割をこなす。
  • 岩倉 6.0:久々の出番も落ち着いて前線からプレスした。
  • 富永 6.0:前線で見たい。あのヘディングシュートは南を誉めたい。

柏側観戦記

*1:それともひもが悪かったか?