J2第22節 対水戸ホーリーホック戦@ニッパツ三ツ沢

久々の観戦記です。
横浜FCはシーズン折り返しの試合をニッパツ三ツ沢球技場水戸ホーリーホックと戦い、前半に上げた1点を守りきって勝利。
この勝利は5月18日の第14節ホーム福岡戦での2-1の勝利以来8試合ぶりの勝利となり、同時に第2クール初勝利となり、6月に入っても初勝利で週末は試合がありませんので、6月唯一の勝利となります。

横浜FC 1(1-0)0 水戸

  • 19:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数:2,772人
  • 得点
    • 横浜 難波(35分)
  • 警告
    • 水戸 大和田(41分)、ビジュ(84分)
  • 出場選手
    • 横浜 GK小山、DF中田洋、八田、エリゼウ三浦淳、MF根占、山田、三浦知、滝澤、FW難波(79分 小野)、アンデルソン(79分 チョ ヨンチョル)。 <サブ>GK岩丸、DF太田、吉本
    • 水戸 GK本間、D鈴木、平松、大和田、小澤、MF菊岡(68分 金澤)、ビジュ、村松(62分 西野)、パクチュホ、FW荒田、赤星(80分 堀)。 <サブ>GK首藤、DF中村

2時間休暇を取って向かったニッパツ三ツ沢。当初は欠席する予定でした。
しかし前節の愛媛戦、不当な退場処分でハヤを欠いて10人になりながら、一度は逆転を果たした横浜の意地を感じ、三ツ沢での久々の勝利を後押しせずにはいられなかったのです。

試合は、放ったシュートが水戸の10に対して横浜の8と、押される時間も多かったです。
主審・野田さんの不安定で水戸よりなジャッジと、とあっちサイドの副審・山口さんか蒲澤さんのタッチやファールの判定がことごとく水戸寄りで、サポーターは過剰に反応してしまいましたが、これはシーズン当初から感心していたことなんですが、セレッソ戦のなんちゃんの盗まれたゴールにしても、津並横浜は主審の判定ミスに対して本当に拘泥しない。
警告の少なさと併せて、淡泊な感じを与える姿勢ではありますが、今日はこの姿勢がプラスに転じたのかな、とも思いました。


試合は中盤からのビルドアップで試合を組み立てようとする横浜と、ヨースケの裏を執拗にねらい続ける水戸という展開で始まりました。
横浜はねらいとは裏腹に押し込まれてロングボールで前線にボールをけり込む展開が続き、25分までは完全に水戸ペースで試合が進みます。

前節途中出場を果たし、今日の試合で16節以来6試合ぶりと久々の先発出場を果たしたねじでしたが、前半は前線に顔を出すこともなく、はっきり消えている時間が長かったです。
さらに右サイドに入ったカズもヨースケのカバーに終われて、全く攻撃に絡めないイライラする展開。
中盤でボールを落ち着かせたいところなのに、機を見て最終ラインから攻撃参加しようとするエリゼウは僕の見るところ唯一にして最大の欠点の不用意なパスミスを犯し、なかなかゲームプラン通りの試合を作れません。

サイドから崩されて、簡単にクロスを上げられるのも、ヨースケ、アツの両サイドでは仕方ないのですが、エリゼウ、ヤツのCBコンビだと対人で凌駕できてもカバーリングに劣るためこーやんの飛び出しの悪さも相まって非常に危ない展開が続きます。

この時間帯、横浜の良い展開は、アンジ、なんちゃんの単発の突破、アツのFKだけでした。


しかし25分過ぎからは徐々に横浜もペースをつかみ始めます。久々のスタメンで試合に入り込みにくそうだったネジが調子を上げてきました。
そして35分、左からのクロスに中央でアンジがつぶれながらポスト、これにヨースケが詰めますが相手にクリアされたそのこぼれ球に対してヨースケが良い位置にポジショニング。シュートに行くかとGKもヨースケに意識を集中したところで、このボールを左のナンちゃんの前に落とします。
これをなんちゃんが落ち着いて右足で決めて、今シーズン3点目。横浜が先制します。

前半残り10分は、再び右サイドを執拗にねらわれ続けながら何とかしのぎ、1-0で前半終了です。


後半も右サイドをねらい続ける水戸ですが、クロスの精度が悪く、ハイクロスに対しては、ヤツが抜群の強さを見せ、コーヤンの不安定なポジショニングや、フィードの悪さなどのまずいゴールキーピングをフォローします。
右サイドの対処になれてきた横浜は、後半もチャンスを作り、11分のヤマタクのバックヘッド、16分のなんちゃんの惜しいクロスやヨースケの思い切りの良いシュートなど惜しいプレーを連発。

そしてカズは、勢いのある良いミドルを決めてくれたのですが、これは直前のアンジのプレーがファールの宣告。まったく野田主審と来たら…。

最近、富に持ちすぎがクローズアップされるアンジですが、前線でキープできる選手が他にいない現状、そしてアンジがキープしたとしても、彼から見える位置でそれを追い越していこうとする中盤の選手のいない状況では、アンジが個人で打開しようとするのは仕方がないことかな、と思います。
要は、他の選手がいかにアンジをフォローして彼からボールを引き出す動きをしてあげられるかが、後半戦に向けて横浜の攻撃の大きな課題になってくると思います。
そのためには、両サイドがもっと中にしぼる動きを見せることも必要ですし、ねじなどの3列目の選手がどんどん飛び出していくようにしないといけませんね。


試合は、一貫して横浜の右を攻める水戸と受ける横浜の展開でしたが、これを打破しようと水戸は23分、元横浜の金澤を投入。逆サイドにも攻撃の起点を作ろうとしてきます。
しかしここで効いたのは、前半からボランチの位置に入って両サイドのDFのフォローまでピッチを縦横無尽に走り回ったヤマタクの存在。
しっかりとタッキー、アツと組んで左サイドではチャンスを作らせません。

34分にはアンジ、難波の2トップに代えてヨンチョルとトモキチを投入し、カズ、ヨンチョルを2トップに置いて、トモキチが右サイドで守備的な中盤をこなします。これでぐっと落ち着いた右サイド。やはり前でも後ろでも横浜の右サイドはトモキチですよ。
カズに使われるのもうまい選手ですし、右サイドでカズと組めば絶対おもしろいと思うんですが>監督。

35分には左クロスをカズがボレーシュート、決まるかと思われましたが、これはバーに阻まれます。
後半のカズは切れてましたね。今週末は試合がないので、思い切ってやってましたね。
対照的だったのは途中出場のヨンチョル、スタミナ的には十分だったはずですが、フリーボールへのチェイスの見切りが早すぎて、チャンスをつぶしていたように思います。
彼の惜しいシーンは今日は42分の抜け出しだけでしたね。

しかし、ロスタイムを含めた終盤5分間は、珍しく横浜がキープなんてして、しかもそれがしっかりとはまって横浜は1-0で8試合ぶりの勝利です。
試合終了後歓喜のゴール裏では、選手みんなと喜びを分かち合う。

さらにヒーローインタビューを終えた、なんちゃんがバクスタからゴール裏へと挨拶*1
なんちゃんの「ラララララなんば〜」に続き、「自称・影のMVP」コースケも登場し、試合に出てないのでフルキットで(展開によってはアツとの交代もあり得たのでしょう)横浜コールを扇動。
ゴール裏にあおられてバクスタ、メインでも横浜コールを扇動したコースケ。
次は試合でがんばって、本当のMOMとしてお立ち台に上ってくれ。

それにしても今日のニッパツ三ツ沢は、バクスタ側の音響が出場選手発表から聞こえなくなって、ヒーローインタビューの聞きづらいのには参りました。

さてまずは採点です。

  • 小山 5.5:相変わらず不安定なポジショニング。飛び出すかどうか迷うシーンが続出。フィードも不正確で危なっかしい。後半戦はGKの起用について考えても良いんじゃないか?
  • 中田洋 5.5:徹底的に裏をねらわれ続け、しかもクリアで逃げるのが精一杯。決勝ゴールのアシストがなければ5点以下です。
  • 八田 6.0:危なげない空中戦でした。
  • エリゼウ 5.5:不用意なパスミスがやはり多かったです。
  • 三浦淳 5.5:前半のFKは惜しかったですが、もっと前に絡む動きを見たかったですね。
  • 根占 5.5:前半は久々のスタメンでゲームに入り込みにくいような感じを受けました。後半はしっかり中盤をしめてましたね。
  • 山田 6.5:縦横無尽にピッチを走り回りゲームを作りました。「影のMVP」はヤマタクでしょう。
  • 三浦知 6.0:後半はとても切れてました。消えてた前半がなければもっとよかったです。
  • 滝澤 6.0:コースケがいないとなかなか輝けないですね。もっとタッキーに使われる選手と組ませてあげると光ると思います。
  • 難波 6.5:苦しい時間に値千金の決勝ゴール。FWは結果が全てです。
  • アンデルソン 5.5:マークに苦しみながら、何とか個の力で打開しようとしていました。その姿勢は評価しますが、もう少し視野を広くしてくれるとありがたいです。
  • 小野 6.0:不安定だった右サイドを彼の投入によってどっしりと落ち着かせることが出来ました。
  • チョ ヨンチョル 5.5:今日のできは不満。割り切りが早いプレーが目立ちました。ヨンチョルにはスピードでこそ勝負して欲しいです。

さて、

  • 5/18 H○2-1福岡
  • 5/21 A●0-1広島
  • 5/25 A●1-4湘南
  • 5/31 H●2-5山形
  • 6/08 H△1-1徳島
  • 6/11 A●0-2仙台
  • 6/15 H●0-1岐阜
  • 6/21 A△2-2愛媛
  • 6/25 H○1-0水戸

と、久々の勝利となった横浜。全45節42試合のJ2ももう22節。横浜は21試合を消化し、今週末の23節は試合がありません。

順位的には、

  • 1 広島 48
  • 2 山形 38
  • 3 大阪 38
  • 4 鳥栖 36
  • 5 仙台 34
  • 6 草津 33
  • 7 湘南 30
  • 8 横浜 28

次節試合がありませんが、勝ち点差3の9位福岡が勝っても、得失点差の関係で追い抜かれることはありません。
2位グループの38までの勝ち点差は10。
次節は草津vs鳥栖、山形vs広島のつぶし合い、セレッソも今節仙台と引き分けた熊本との対戦。湘南も休養十分の甲府との対戦です。
ここでさらに3離されたとしても残りは21試合。第2クールの残り試合と第3クールの14試合で、なんとか食らいついていって欲しいものです。そのためには、この2週間と言う時間はとても重要になってくるのではないでしょうか?

アンジをフォローする存在とシステム作り、右サイド問題、GK問題、中盤でのビルドアップと若手の台頭。
課題はたくさんありますが、まずは一歩一歩。

*1:いつもの場所で「なんば〜!!」と大声で呼びかけるも、なんちゃんていつもバクスタ→ゴール真裏直行でこっちはスルーなのよね、でもおいらのかけ声とそのあとの拍手がシンクロしたのはちょっと気持ちよかったな。