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2011-06-05

書評2〜4】 「渋滞」の先頭は何をしているのか? ほか

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

よくわかる渋滞学 (図解雑学)

よくわかる渋滞学 (図解雑学)




週末や連休に車を借りて遠出するのが趣味のひとつだが、
(最近は自粛気味)
常々頭を悩ませるのが渋滞である。

交通事故や道路工事があるわけでもないのに渋滞が発生することはままあるわけで、
じゃあなんで渋滞は起こるのだろう?と科学的にひも解いてみたくなり、本書を手に取ってみた。

道路渋滞は「自動車の流れが滞る」ことであり、
流れが滞るのは「一定区間で、自動車が円滑に走行できる量を超えたから」、
要は「キャパオーバー」になったために発生する。
そして「キャパオーバー」の原因は、例えば料金所だったり、交通事故・道路工事により走行可能車線が減少したり、といった理由が考えられやすいが、
実は道路渋滞発生の最大の要因は、上記のどれにも属さない「自然渋滞」らしい。

その「自然渋滞」は、ドライバーが気づかないぐらいの緩い登り坂で、はたまたドライバーが気づかないうちに走行速度が低下するため、
後続の車は車間距離を離そうとブレーキを踏み、
そのブレーキランプ点灯を見た更に後ろのドライバーもブレーキを踏み・・・
という連鎖により、ついには車間距離がぎゅうぎゅうに詰まり、
「一定区間で、自動車が円滑に走行できる量を超える」状態に発展する。
それは緩い登り坂以外にも、例えば夕陽がキレイなスポットだったり、
ドライバーが速度コントロールに向けている意識を逸らすものなら何でも「自然渋滞」の発生要因になりうる。

本書は上記のように渋滞発生要因を分類したうえで、それを解消するための様々な取組事例などを紹介しているが、
著者としては「人々が利己的な行動を避け、渋滞を発生させうる行動をしない」ような意識改革が根本的な渋滞根絶には不可欠と考えているようだ。
(取組事例はここでは詳述はしませんが、車線を増やす案は、結局その分だけ需要がまた追いついてしまい、効力は弱いようです)

また本書では、渋滞現象を自動車に限定せず、人間行動の様々な領域にまで敷衍して考察していて面白い。
例えば、お店の行列、組織の人事(ヒエアルキー)、人間の疾患(狭心症など)、男女の恋愛(5人の男の子にモテる女の子は、最低4人の男の子の渋滞を発生させている)、などなど。

更に、「渋滞が発生しない」自然界・動物界の事例を、アナロジー的に人間界の「渋滞解消」に応用できないか?という問題提起もしており、
個人的にはますます興味深い対象分野であるが、残念ながら日本で発刊されている渋滞学に関する書籍はまだ少ない。



ちなみに下記の書籍では、アメリカミネアポリスでの「ランプメーター(※)」導入による渋滞解消社会実験の事例が載せられていた。
(こちらの書評はまた別途)

ヤバい統計学

ヤバい統計学



※ランプメーター:高速道路内の自動車交通量をコントロールする目的で、インターチェンジの入口に設けられた信号機。場合によっては3-4分に1台しか入れないこともあり賛否両論のようだが、実際に渋滞は緩和されたらしい

そういえばアメリカでは他にも、
相乗り?家族連れ?専用レーンの導入
 (助手席に人形置いてこのレーンを走行していたら検挙されたなんてニュースも聞いたことがあります笑)
・時間帯によって上下線がスイッチする可変レーン
 (上下線の中央に独立車線がある。交通密度の高いエリアで道路用地の狭い日本では導入難易度は高そう)
のような事例もあるようですね。


また「渋滞学」を深堀するために、物理学的な基礎知識をつけるべく手を出したのがこちらの書籍。
物理科の国立大卒業生ですら「流体力学は難しい・嫌い」と言う声をよく聞くので、
文系出身の僕としてはこれぐらいからスタートしてみたほうが、出鼻を挫かれないと思い着手。

マンガでわかる流体力学 (「マンガでわかる」シリーズ)

マンガでわかる流体力学 (「マンガでわかる」シリーズ)



公式・数式の意味はまだ完全に理解できていないが、基礎的な概念は平易なマンガ体であったおかげか?、比較的頭に入りやすかった。
が、多分このマンガに書かれている程度の知識ではまだ太刀打ちできないのでしょう。
マンガでなくても他に平易な流体力学参考書ってないですかね?


ちなみに物理・数学の知識がなくても、「渋滞学」のほうの本は十分理解できます。



<おまけ>

D

書評1】 戦略と実行

戦略と実行

戦略と実行



一企業が立派な戦略を描いてもそれが正しく実行されず、またどうにか実行に漕ぎつけたとしてもそれが結実しない、ということは往々にしてある。
それは戦略が間違っていたからよりも、戦略を立てた人々と実行に移す人々との温度差だったり、目的関数の違い・そもそものやる気など、一言でいえば「組織間のコミュニケーション齟齬」が主因であることが多い。
(ちなみに戦略は、最初は多かれ少なかれ間違っていることが当たり前で、間違いに気づいたときに都度都度修正を繰り返せばよい)

本書はさらに、「コミュニケーション齟齬」がなぜ起こるのか?を、私たちが「(ほとんどは原因他人論的に)仕方ない」と考えがちなポイントを斬り込みながら、丁寧に分析・解説してくれている。

どれも「言われてみれば、まあ当たり前」なポイントばかりで、目から鱗が落ちるような斬新な概念や事例考察は少ないが、
ビジネスマンであってもなくても、他者と向き合う際に気を付けて意識すべきポイントは満載である。

例えば僕が一番気に入った単純明快なフレーズがこちら:

Said ne Heard
Heard ne Listened
Listened ne Understood
Understood ne Agreed
Agreed ne Convinced

こっちが言ったからといって、聞いてもらえたわけではない
「聞いて」もらえたからといって、「聴いて」もらえたわけではない
聴いてもらえたからといって、理解してもらえたわけではない
理解してもらえたからといって、賛成してもらえたわけではない
賛成してもらえたからといって、腑に落ちて納得し行動しようと思ってもらえたわけではない



前職でも現職でも、僕の提案に対して、
「君の理屈は正しいとは思うが、僕としてはそのやり方には賛成できない。僕はこうしたいんだ」と言われたことが何度かある。
そのほとんどは、僕が事業統括側の思惑を反映して(したつもりで)立案したプランに対して、
それが当然事業統括から全組織に意図が共有されており、仮に異論があったとしても「やらなければならないので、まあやります」という意思も浸透しているという誤った前提を持っていたため、現場サイドに怒られた、といった状況である。
(もっとも現場サイドで異論があれば、納得してくれるまで当初の戦略を敷衍すべきではないのだろうけど)

しかもタイムスケジュールが厳しい状況では、より一層「コミュニケーション齟齬」を是正する工程が疎かになりがちになる。

組織間のコミュニケーションで困ったときは、時々振り返ってヒントを得た一冊として、職場のデスクに置いてあります。



<おまけ>
以前の日記でも毎回やっていたので、曲紹介。
D

レストラン評・予告

こちらは「レストランノート」。
レストランに関しては、去年から新規訪問店は「ひとり食べログ」バリに項目評価までエクセル管理しているものの、定性的な評価はあまりしてこなかったので、
・リピートしたいお店
・ある程度の期待をもって訪問したものの、絶対リピートしたくないお店
を中心に振り返りたいと思う。


ガストロノミー ジョエル・ロブション

食べログガストロノミー ジョエル・ロブション


サーラ アマービレ

食べログサーラ アマービレ


オッツィオ

食べログオッツィオ

  • ジャンル:イタリアン
  • 住所: 江東区有明3-1-15 東京ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート 1F
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  • (写真提供:K.ハミルトン)

ドメイヌ ドゥ ミクニ

食べログドメイヌ ドゥ ミクニ


ちょうちん

食べログちょうちん


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紅楼夢

食べログ紅楼夢


たん焼 忍

食べログたん焼 忍


北島亭

食べログ北島亭


四川

食べログ四川


上野 アメ屋横丁 トロ函

食べログ上野 アメ屋横丁 トロ函


伊勢ろく 本店

食べログ伊勢ろく 本店


白金酉玉 本館

食べログ白金酉玉 本館


博多もつ鍋 蟻月 HANARE

食べログ博多もつ鍋 蟻月 HANARE


東京 芝 とうふ屋うかい

食べログ東京 芝 とうふ屋うかい


稲にわうどん 割烹 日本橋 古都里 日本橋本店

食べログ稲にわうどん 割烹 日本橋 古都里 日本橋本店


ステーキハウス 吉池

食べログステーキハウス 吉池


カフェ

食べログカフェ

書評・予告

2011年は読書強化年間にしようと思い、そろそろ折り返し地点になるので、
まずは今年に入ってから購入し3分の1以上は目を通した本をリストアップしてみた。
今年は週末の遠出も飲みも極力抑えたので、週1冊ペースで25冊ぐらいかなと思っていたら、5ヶ月強でなんと44冊。
ただ改めてリストを振り返ってみると、折り目や書き込みも手伝って、一部の小説を除けば粗方の内容とそこから得られた知見・示唆は何となく覚えているものの、
ちゃんとアウトプット(まずは書評程度からでも)しないと1年後には忘れてしまいかねないので、
何度目かのブログ開設をもって「読書ノート」を作成するに至る。

まずは今日までに3分の1以上を読み終えた本のリストアップ。
(順番は適当。本棚の左上から並べただけ)
これから1日1-2冊ずつ、振り返ります(予定)。

海賊の経済学 ―見えざるフックの秘密

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戦略と実行

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アジアビジネスで成功する25の視点 (PHPビジネス新書)

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ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本 (アスカビジネス)

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Why Love Is Not Enough

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シャドウ (創元推理文庫)

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ヤバい統計学

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リーダーになる人に知っておいてほしいこと

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リーダーになる人に知っておいてほしいこと II

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中国名言集―一日一言

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世界経済を破綻させる23の嘘

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わが子を勝ち組にする「ラ・フォンテーヌの童話」

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躍進する『駅ナカ小売業』―JR東日本リテールネット

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麒麟の翼

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流星の絆

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ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ 世界を変えてみたくなる留学

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成功の法則92ヶ条

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成功のコンセプト (幻冬舎文庫)

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あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12)

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若者殺しの時代 (講談社現代新書)

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マンガでわかる流体力学 (「マンガでわかる」シリーズ)

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