今年のゲント6日間


Iljo Keisse優勝した今年のゲント6日間
やっぱり何をおいても

「ケイセのための大会」

だったことを、ただただ実感。

ケイセに始まりケイセに終わる
ケイセがいなければ「ゲント6日間」は始まらない
ケイセのいない「ゲント6日間」は「ゲント6日間」ではない

そう言いきれるほど

ケイセはここの人たちに愛されている

圧倒的な大人気でした。




そもそも、ケイセ出場が不確定ながら可能性が出てきた時点で、
大会運営委員長のSercuさんが

  1. Klugeとケイセを組ませれば、強いがKlugeは短距離向き
  2. Barkoとケイセを組ませれば、最強だが他のチームが対抗できなくなる
  3. DeKeteleとケイセを組ませれば、地元的に盛り上がるが、スポンサー関連で組ませることは不可能

「出場者のカップリングはパズルのようだ」なんて言いながら、
しっかりケイセ中心に考えられてるじゃん!!!
この時点である程度、もうこの大会の筋書きは決まっていたのかもしれません。






今年のゲントのケイセの対抗馬はDe Ketele。


ドーピングのサスペンション問題で出場決定したのがレース直前数日前で
「シーズン中レースにも出場していないし、自分が今どんなコンディションかもわからないし、
自信もないから、みんな期待しすぎないで!!!」そう不安げに語り、
レース前日に風邪!?かるい発熱と倦怠感を訴えていたケイセと対照的に


「調子も万全、アムステルダム6日間に出場し、ゲントに向けて調整してきた」
優勝狙い宣言のDe Ketele。






実はこのDe Keteleも地元出身と言える選手。
フランドル自転車博物館(行ってきた♪)のあるアウデナールデ出身。
お母さんはゲント6日間が開催されるこのKuipkeから1㎞内に住んでいるらしい。


若干声援はケイセより控えめながら、観衆の熱狂的な応援を受けていたDe Ketele。
ベルギー代表としては、ケイセと組むことも多いらしい。






そんな2人の直接対決を観戦できたのが、2日目のエリミネーション!!
まだまだレース前半なのに、会場大盛り上がり!!!
結局最終周でリードしたケイセが最後までリードを保ってゴール。
その後何度も繰り返される「Iljo! Iljo!! Iljo!!!」コールが会場を覆いつくすと同時に、
De Keteleに対しても、熱い拍手が・・・







そのエリミネーションでの一コマと同じく、
結局ゲント6日間最後までDe keteleから逃げ切りを決めて、優勝したケイセ。


5日目には500m、Dernyでポイントを獲得。

今日はパワーをセーブして、ポイントを稼いだ。最終日に向けてフレッシュな状態を保てた

ケイセに対して

ベットから出るのも辛い。いたるところの筋肉が痛い。でも勝つためにトライし続ける。
日曜日の最終日は All or Nothingだ。

マディソンなど消耗戦でしかポイントを奪えなくなっていたDe Ketele。


その辺がケイセのしたたかさ、クレバーさ、なのかもしれません。








この4度目のゲント優勝を「今までの復讐」
3週間前生まれた息子も「2時間しか抱いていない」
復讐を成し遂げるためにすべてを犠牲にしてきた、と語るケイセ。



  • 2008年10月9日、ゲント6日間最終日にケイセからcathineとマスキング剤のhydrochloorthiazide (HCT)陽性反応が検出されていたことをメディアが報道。
  • B判定も陽性で所属チーム Topsport Vlaanderenから解雇。
  • 2009年10月「それらの物質は風邪薬に含まれていたもので、ドーピング効力を持たない」との弁護側の主張が認められてRLVBによる無罪の判決。
  • レース復帰、クイックステップに加入、順調に再スタートすると思われたのもつかの間、
  • 2010年7月、CAS(スポーツ調停裁判所)からドーピング陽性による2年サスペンションの判決
  • しかし2010年11月15日にブリュッセル裁判所からそのサスペンションをサスペンションする判決が下され・・・


二転三転どころか、この2年間にこれだけカードが反転し続けたケイセの件。
サスペンションのサスペンションはいつまで続くのか?
この件の決着はまだまだこれからなのかもしれません。決着はつくのだろうか????









第70回ゲント6日間の唯一の汚点?後でニュースで知ったのですが、
4日目の金曜日、ドーピング検査官Dokter Hans Coomanが夜9時ごろKuipkeを訪れたものの、
大多数の選手達の反対にあい、結果なすすべがない検査官はkuipke内をさまよい歩く・・
そんなアクシデント(ハプニング?)があったようです。


選手の大部分といってもその名前は明らかにされていませんが
ラスムッセンあたりは正直検査に応じてそうな気がする)
あきらかに反対を表明していたケイセは

レース中検査に応じるなんて無理!
どうしても検査するなら、コースにテントを張るしかない。
今までどおり、レース後に採取した尿は提出する。

9時ごろ来た検査官もタイミングが悪すぎる・・・
ただ、ケイセが言うように後ではなく前に採取したほうが、検査にはなるようですよ・・・・











なんだか全部見たように書いてしまいましたが、
殆ど帰国後、辞書片手にSporzaで読んで「ああ、こうだったのかー!」
知ったことが殆どです。


実際その場で見たもの、感じたものは

熱狂・興奮・楽しさ

につきるかもしれません。


1月に観戦したロッテルダムと比べると、照明がぎらぎらしていなくて音楽のボリュームも煩くなく
素朴な感じとぬくもりがあって、そして凄ーーーーく距離が近い。そして温かい。





何よりも、サインできる紙もカメラも持たずトイレに行く時偶然遭遇したケイセの
どことなくふわっとして漂っている感じ
(熱があってただ単にその時体調が悪かった、ただ単に背が高くて華奢な感じだっただけかも)
(いや、わざと気配を消していたのかもー)


それと対照的にDe Keteleの骨太な感じ(単に背が低いだけかもー)


Kuipkeのもつ、こじんまりとした、何とも言えないあの魅力・・・
ビールと木製トラックの入り混じった匂い、自転車が駆け抜ける音、声援の声・・・


いろいろと日がたつにつれて薄れていってしまうけど、
ここに書きとめておきたいと思います。