ドラマ感想

TBS「大岡越前2時間スペシャル」を観る。うはー、懐かしい……。あの独特の雰囲気がみごとに再現されていて感嘆することしきりだった。昔と比べると重厚さには欠けるが、ほどよく華やかさを添えた仕上がりになっている。ゲスト出演の豪華さと脇役たちの代替わりによるところも大きいのだろう。その辺は少し違和感あり。でも何気ないシーンにも細やかに神経が行き届き、とことんこだわった映像にしようとの意気込みが感じられて、思わず何度もうなってしまった。西田ひかるはまあ、ちょっとアレだったけども(妹分役の人のほうがなじんでた。またどこかの時代劇に出演してほしい)、伊藤榮子の演じる月光院と大岡の妻・雪絵がイチョウ散り敷くなか対面するシーンなどは特に素晴らしかった。
小学校の頃から放課後はダッシュで帰宅し、時代劇の再放送に夢中になっているような子供だったが、なかでも「大岡越前」は特にツボにはまる作品で、毎回胸をときめかせながら観ていたものだ。緊迫感に満ちた犯罪捜査の流れ、抑えた調子で描かれる人情。加藤剛演じる忠相も竹脇無我演じる伊織も、最初の頃は水際立った美男ぶりが清々しいんだが、回を重ねるごとに円熟味を増して渋くなっていくのがまた良くて。脇役も個性波ぞろい、大好きな源さん役の大坂志郎や三次役の松山英太郎が亡くなったと聞いたときはもの凄く落ち込んだっけ。議員になる前の森田健作演じる同心の蕪木さんもかなり好きだった。
このシリーズが作成されるのは今回で最後になるらしい。寂しいな……けど鬼籍に入ったレギュラー出演者も多いしなあ。とか思っていたんだけど、第一部のDVD-BOXが発売されるのを発見して迷うことなく注文。時は容赦なく過ぎ去るが、こういう恩恵も与えてくれる。

大岡越前 第一部 [DVD]

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