読了本

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密 (創元推理文庫)

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密 (創元推理文庫)

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密/ポール・アダム著、青木悦子訳
シリーズ2作目。訳がなめらかで読みやすく、パガニーニにまつわる歴史の謎を追っていくのも面白かった。最後の最後まで伏線きっちり拾っていくタイプの話だしね。主人公のジャンニは若々しさと貫禄が同居する理想的なお年寄り。落ち着いた深みのある言動と知識に裏打ちされた知性のひらめきが好ましい。相棒の刑事アントニオも感じがよくてかっこいいのに、なぜ彼はいつまでも独り者なんだろ。しばしばジャンニに無理やりゴハン食べさせられてるとこをみると、仕事一途すぎて家庭を顧みなかったせいで奥さんに愛想つかされたのかもね。解説は退屈だった。早く続編が読みたい。

三人寄れば、物語のことを/上橋菜穂子荻原規子佐藤多佳子
仲良し女流作家の鼎談集。3部構成で、それぞれの自作をテーマに語り合う。上橋作品編は2011年、荻原作品編は2013年、佐藤作品編は2014年に行われている。上橋さんはいつでもガーッと勢いよくしゃべってるね。3人のムードメーカーという感じ。荻原さんと佐藤さんは自作のときは割とポツリポツリとしか発言しないが、荻原さんはなんだか常に神がかっている。佐藤さんはつっこみ担当な感じ。「やっぱり男女が出るとみんなくっついてほしがるね」には私も笑ったが、キャラが魅力的なんだから当然ですよ!