読了本

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい/井上章一
第一章「洛外を生きる」が傑作すぎる。たとえ京都府生まれでも、洛外(嵯峨、宇治、山科……)の人間に“京都人”だなどと心得違いをしてもらってはこまる。そう洛中人士はさげすむのだと著者はしんねりむっつり訴える。被害妄想に満ちた卑屈さを装った巧妙すぎる嫌味芸に笑いをこらえるのが大変だった。あとがきでは編集部にまで絡んできてて、どうなってるのかなと69ページを確認したら(ママ)ってされてて、とうとう我慢できず噴き出してしまった。

アンソロジー そば/池波正太郎ほか
38編の蕎麦エッセイ。うおおお、食べたくなるなあ! そばってお店で食べたほうがぜったいにうまいし、楽な食べ物のひとつだよね。自分でつくるとなると、麺もつゆも天ぷらもハードル高いもの。そばがテーマということ以外、統一されていないので「この店のじゃないとダメ」という人のあとで「この店じゃなきゃなんて言ってるようじゃダメ」という人が出てきたりして笑った。そば屋で飲む、って一度やってみたいなぁ。