読了本

影憑き 古道具屋 皆塵堂

影憑き 古道具屋 皆塵堂

影憑き 古道具屋 皆塵堂/輪渡颯介
シリーズ6作目。“影”に憑かれたのは苦労知らずのボンボン、性根を入れ替えるべく皆塵堂に預けられる。カバー絵のごとく怪異に遭いまくるのはキツいお灸だねえ。円九郎は楽なほうに流れてしまうだけで性根が歪んでる訳ではないから素直に反省したけれど、とくに見どころがあるわけでもないので(峰吉と鮪助からはミジンコ扱い)、今回わりと展開は地味め。でも珍しく伊平次がデキる雰囲気を漂わせていたなぁ。伊達に皆塵堂みたいな店のあるじじゃないってか。それにつけてもいろんな意味で子猫祭りが楽しみだ。

ひぐらしふる 有馬千夏の不可思議なある夏の日/彩坂美月
青春の喜びも悲しみも、痛みもイタさも詰め込んだ、どこかホラーチックな雰囲気のあるミステリ。にしてもY県天堂市とわざわざ仮名にする必要があるのか? と思っていたんだけど、そういうことならアリなのか。最終章も実はそうだったりして。探偵役が「さて」と言うあたりなんか、かなり非現実的ではあるしね……。エピローグのゴルフバックのくだりは面白かった。大ネタではなくとも、ハッとさせられる発想。