遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第七夜


(第一夜id:tech_k:20110513)



■3日目 13:30 
さて、2つ目の見学を終え、酔っ払い(一部)を乗せた船は最終目的地へ向かいます。
ここで酒盛りは終了。各々、周りの景色を楽しみます。
私も前方の船べりに立って、流れる景色と頬に当たる風を楽しみます。
(←決して酔い覚ましではない)

再び水上エレベータや回転式の橋も







いやあ、のどかですねえ。


■3日目 14:00 Villa Pisani
そうこうしているうちに、最終目的地に到着。
実は二人ともこの段階でここが最終目的地と解っていない


船着場から少し階段を登ると大きな建物が。

おお、一段と大きな建物です。





ガイドさんからチケットとパンフレットを受け取ります。


どうやら建物は大きな美術館になっていて、また、他にも大きな庭園もあるようです。
実はこの段階で結構な酔っ払いであるので(今更なにを・・・)、ガイドさんの説明を聞くのは友人J氏に任せます。


友人J:
「とりあえず、40分後にここに集合だそうですよ」


ということで、まずは美術館の見学から・・・・
すると、ガイドさんが先に庭園を見学して来いとのこと。
不思議に思いながらも、庭園に出て行くと・・・


おおおすげええええ。

なお、美術館と庭園のチケットは別になっています。


■3日目 14:10 
庭園の広ささと素晴らしさに圧倒されていましたが、さっそく庭園を巡ります。


友人J:
「どこから回ります?」
tech_k:
「おお!なんか迷路があるぞ!行ってみよう」


ということで、迷路へ行ってみることに。
まあ、円形に生垣を使って迷路にしており、中心に2階程度の高さの塔が建っている、シンプル(←ここ重要)な造りです。直径50mほどでしょうか。
ちなみに諸事情で迷路全体の写真がないので、ネットで拾った全体写真をご紹介。


tech_k:
「とりあえず、ちょこっと行って戻ってこよう」
友人J:
「ほんとにちょこっとだけですよ・・・」



生垣は背が高く、2mくらいあるでしょうか。入口に迷路の地図看板があったものの、一旦入ると生垣に遮られて周りが見渡せません。
とは言え、入口から少し入るぐらいなら道も一本道ですし、二人で覚えていればすぐ戻って来れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・あれ?

振り返ると友人J氏がいません。

あわててて入口に戻っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・あれ?入口どこ?


tech_k:
「おおーーーい、友人J氏、どこーー?」
友人J:
「入口こっちですって、どこ行ってんですかー!」


と、声はすれども姿は見えず。


tech_k:
「と、とにかく急いで戻るわ!」


さあ、ラソンの開始です。
人ひとりが通るのがやっとの通路(しかも円形なのでどの道もカーブを描いている)なので、思いっきりは走れません。
とにかく、早歩きでどんどん、進みます。(←これ敗因)
・・・覚えてるでしょうか。ここまででさんざん酒を飲んおります私、こんな運動したらどんどんアルコールが回るに決まってるじゃないですか。酔っ払ってるのと慌てているので、すっかり冷静な判断ができなくっている私。
落ち着け私。冷静になって脱出作戦を考えるんだ。


作戦1
tech_k:
「あれ?これって壁でなくて生垣なんだから、まっすぐ突っ切ればよくね?」

ということで、入口の方角へ向けて、無理やり生垣をショートカットしようとします。
・・・・・が、何これ?
葉に隠れて見えませんでしたが、なんと生垣は幹が入り乱れていて、人ひとりが通るほどの隙間もありません。おまけに幹や枝が硬いうえに密度が濃くてこじ開けられません。これ、ノコギリか鉈が要るな。
・・・・作戦失敗


作戦2
tech_k:
「んじゃ、塔から見下ろせば道順なんて一目両全じゃね?」

ということで、入口よりは近くに見える塔へ登って道順を確かめることに。

tech_k:
「塔ってどうやって行けばいいんじゃあああああ!」(←余計迷う)
・・・・作戦失敗


作戦3
tech_k:
「なら、塔から見下ろしてる人にゴールまで誘導してもらえばいいんじゃね?」

ということで、塔から見下ろしている人に手を振って、助けを請います。
集合時間まで残り15分。遅れれば見知らぬ土地に置いていかれますので、もうなり振り構ってられません。
幸い、塔の上にいる4、5人の観光客の方が気付いてくれて(もちろん日本人ではありません)、OKこっちだ、と誘導してくれます。(←何気に向こうも楽しそう)


tech_k:
「よし、作戦成功!」


と、胸を撫で下ろします。
ありがとう、見知らぬ外国人の方々。このご恩は教訓として一生語り継ぎま・・・・・

・・・・・・・・って・・・・・あれ?・・・・・え?

tech_k:
「ここって、迷路の中心にある塔やないかああぁあぁあああぁっ!!!」

なんということでしょう。(←解決ビフォアー・アフターのナレーション調)
そうです。誘導してくれた方々はどうやら私が塔に行きたいんだと思ったらしく、出口ではなく塔に向かって誘導していたのです。
塔の上で、軽く引きつった笑顔で「ありがとう、助かったよ」とお礼をいう私。(←でも自業自得)

しかし、結果としては作戦2が遂行できると思い直します。
気を取り直して眼下の迷路を見下ろしますが・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ん?


何ですか、この迷路。小さいながらも、グルっと一周をあっちこっち回らないと出口まで行きませんよ?

tech_k:
「なんでこんな本格的な造りしてんだあああああああああ!!!」


すると入口で友人J氏が手を振っています


友人J:
「何やってるんですかー。もう時間ないから先に行ってますねー」
tech_k:
「ちょおおお!」
友人J:
「あ、塔の上からの写真撮っておいてくださいねー!」


という友人J氏の冷たい言葉に、いよいよ焦りはMAXです。

後日談)
友人J:
「いや、あれは、先に行って連れが遅れるって言おうとしたんですってば」


さあ、いよいよ時間も無くなってまいりました。
ハッキリ言ってここからはよく覚えてません。いや、酔って記憶を失くした訳ではなく、まさにガムシャラに出口を目指してひた走った結果、途中をよく覚えてません。
しかし、集合時間を5分ほどオーバーしたところで、やっと出口にたどり着きます。
このときほどの喜びは、人生でも数えるほどでしょう。(←でも自業自得)

さあ、集合場所へ向かいます。もう全力疾走です。
ものの1分で到着しましたが・・・・
・・・へ?

誰もいません・・・。最悪の事態が頭を過ぎります。
そこで、慌てて船着場に走ります

・・・・げえ!

な、なんと乗ってきた船がありません。船着場はもぬけの空。
うわあ、置いてかれてもうた!




ということで、突然ですが「遥かなる蒼」を探す旅はここで終了・・・・・もとい、とりあえずここで黄昏ていても仕方ないので美術館まで戻ります。






するとなぜか友人J氏が


tech_k:
「ええええー?どこにおった???」
友人J:
「それはこっちのセリフです。戻って来たならちゃんと集合場所にいてください」
tech_k:
「いや、戻って来ても誰もいないから・・・」
友人J:
「あー、ちょうどいまWC行ってましたんで・・・あと、まだ他の人やガイドさんも戻って来ないんですよね。」
tech_k:
「まぢかよ・・・」
友人J:
「あ、他の人たちも集まって来ましたね。」


結局、遅刻したと思ったら、私が一番最初でした・・・という状態で無事合流したところとで、続きは次回にしたいと思います。

今回の教訓:お酒って飲みすぎたらあかんね!

友人J:
「完璧に自業自得ですやん」

 遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第六夜

(第一夜id:tech_k:20110513)

旅程3日目、ベネチア入りしてから2日目。
本日は早朝よりベネチアを離れ、川上りツアーに参加しております。
水上エレベータや、船を通すために回転式の橋があり、また穀倉地帯も広がり風光明媚なツアーに心打たれ、優雅に船は川を上って行きます。


■3日目 11:00 昼食
さて、次はレストランに停泊。
ちょっと早いですが昼食です。
(いやほんと、いつ何があって、どこまで行くのか二人とも解ってない

ここはレストラン裏手にある川に船を停めれるようになっていて、裏口(というか川を眺める一等席だと思う)から入ります。




各テーブルには冷えた白ワインがフルボトルで置いてあります。
どうせこれも料金のうち、もったいないということで、酒の飲めない友人J氏に代わって、一人でフルボトル一本を飲みまくります(←死亡フラグ確定・・・)。
いやあ、とても暑いので、冷たいワインが水のように飲めてしまいます。


友人J:
「そんな飲んで、知りませんよ川に落ちても」
tech_k:
「まあ、まあ、大丈夫、大丈夫」(←実はすでに結構酔っ払い)
友人J:
「酔っ払いの『大丈夫』ほど当てにならないものはないですねえ」


さあ、肝心の料理ですが、


うん、このリゾット美味しいですね。


さて、昼食後は、まだ出発まで時間がありそうでしたので、レストランのすぐ下流にある橋を見学に。
ここの橋も回転式だったので、実際に上から見たいということで向かいます。



おお、こういう繋ぎ目になってるんですね。ここから回転するわけですね。

・・・と、おや?向こうに見える船から手を振っていますよ?

おーい、と手を振り返す・・・・じゃなくて、出発するから早よ来いと呼んでます
あわてて戻ります。

が、そこは陽気なイタリア人。ヘイ、お前ら何やってんの置いてってまうで〜、てな感じで大笑いです。
良いか悪いかは置いといて、まあ、笑いがとれて美味しいということで。


■3日目 12:15 
さあ、船は再び出発です。
途中から参加のイタリア人の団体は、後ろのミニカウンター周辺に陣取ってさらに酒盛りしています。
このミニカウンターに係りのおっちゃんが座ってると思ったら、ここで水(ペットボトル)やコーヒーなどが買えたんですね。
もちろん酒も売ってます。
・・・・さっき昼食の時にワインを何本も追加してたよなこのおっちゃん達。
そんな中、友人J氏は前方の船べりに立ち、ひたすら景色を眺めている一方、私は席の後方、昼前まで居た場所で船外を眺めています。
すると、すぐ脇のミニカウンターで酒盛りをしていた途中参加のイタリア人のおっちゃんが、私に声をかけてきます。

「おう、兄ちゃん、これ飲んでみな、うまいぞ」

と言ってるようです。透明なお酒が並々注がれたショットグラスくらいの小さなカップを差し出してきます。

「ほら、グッと一気に飲んでみな」

ということで、周りの人たちも、飲め飲めと大はしゃぎ。
透明な蒸留酒にショットグラス(調の紙コップ)・・・まあ、どんな酒かは推して知るべし。
よぉし、受けて立とう!ということで、一気に飲み干します。こういう酒は口に含んだら負け。
まあ、想像通り喉や胃が焼けるように熱くなります。

「なにこれ、胃が焼けるようだ!口から火を吹くぞ!」

と片言の英語を交えてパフォーマンスすると、おっちゃん達は

「ハハハハッハ!!どうだ、すごいだろう?」
「こいつぁ、45度だ、45度。やるじゃないか、ゴキゲンだろう?」

と、これまた大はしゃぎ。私も、

「なにぃ、45度? そいつぁスゴイが、まだまだ」

と、なぜか応戦
そこからは、もう観光そっちのけで酒盛りの開始です。
イタリア語なんて喋れないのに、身振り手振りと片言の英語で意思疎通できてしまうという、酔っ払いの恐ろしさ。
見かねたおばちゃん(たぶん、おっちゃん達誰かの奥さん)が、

「お酒を飲んだ後に、これを食べるの」

と言って、砂糖(喫茶店とかにある小さな袋入りの)を差し出してきます。

「え?これ砂糖ですよね?」
「そうそう砂糖よ、大丈夫だから試してみなさい」

ということで、酒を煽り、続けて砂糖を口に含みます。
これがまた、なんと、結構いけるじゃないですか。(←でも45度の酒のアルコール度が下がるわけではないことに、もはや気付いてない)

「ほら、大丈夫でしょう?」

ということで、酒盛り再開。気付けば2本目突入

「おめえ、どっから来た?中国か?韓国か?」
「いや、日本だ」
「おお、日本か。いい国だな。スシ!ゲイシャだ!ハッハッハッハハハハ!」
「アハハハハッハハ!」

という、どうみても傍から見ればアホ丸出しで、笑い転げて酒盛りしてます。
いや、でも、こういうのが旅の醍醐味ですねえ。とても楽しいひと時を過ごします。
酒の飲めない友人J氏が前方の船べりから冷ややかな視線で眺めていたような気がしますが、気のせいですね。うん。


■3日目 12:40 Barchessa Valmarana(Villa Valmarana) 
えー、などと笑い転げているうちに次の目的地に到着します。

ここでも、最初にイタリア語の解説、後に英語の解説ということですので、さっきのおっちゃん達と別行動で友人J氏と見学します。


友人J:
「なんか、えらい盛り上がってましたねえ。足ふらついてるんちゃいます?」
tech_k:
「あんくらい大丈夫、大丈夫。酔ってない酔ってないって」
友人J:
「酔っ払いの『酔ってない』ほど当てにならないものはないですねえ」


さて、このBarchessa Valmaranaは建物内部も写真撮影OK。


また、庭園は前回のVilla Foscari Malcontentaほど大きくありませんが、いろいろと植物が植えてあってなかなか素敵です。









こうして、無事2つ目の見学を終え、いよいよ最後の目的地へ向かうところで、続きは次回にしたいと思います。

あ、別に酒盛りが最大のピンチではありません・・・
思いのほか宴会で長くしまったので、次回こそこの旅最大のピンチがやってきます。

 遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第五夜

(第一夜id:tech_k:20110513)


■2日目 20:40 街を散策
まだこの時間でも全然明るいってのは不思議な気分です。
ゴンドラ乗り場からはベネチアの中心地、サン・マルコ広場へ向かいます。


ほんと車もバイクも自転車も走ってない、徒歩の人だけの街は歩いていて気持ち良い。

そうして路地を抜けてサン・マルコ広場に到着。


通常ならばその広さに驚くのですが、今回はレデントーレに合わせてかは知りませんが、大きな野外ステージが設営されており、残念ながらその広さはあまり実感できませんでした。

まだ明るいということで、サンマルコ広場にある「鐘楼(Campanile)」に登ってみることに。やはり高いところには昇らなくては。(←旅の自分ルール)
この鐘楼は、全長約100mの建物。1902年に突如崩壊し、1912年に再建されたそうです。エレベーターが設置されているので、上まであっという間に昇ることができ、ヴェネツィアと大運河の絶景が楽しめます。
入口で入場料8ユーロを支払います(2008年7月現在)。前回来たときは改修中で登れなかったので楽しみ。
エレベーターで一気に鐘楼に昇ります。


二面が開く面白い造り。


いや、ここはすごい。


サン・マルコ広場を一望。


向こうにはサン・ジョルジュ教会。


やっと夕闇が訪れようとしているベネチアを見渡し、そのすばらしい眺めにしばし時を忘れます。
結局、終了時間22:00近くまで眺めておりました。(あれ?2011年6月現在では21時までとなってますね)


■2日目 22:30 夕食
明日は1日かけて「川上りツアー」
朝早いということで、やっと暗くなったばかりですが、夕飯を食べて宿に帰ろうということで、サン・マルコ広場に程近いTrattoria(トラットリア)に入りました。
トラットリアとは店の名前ではなく、リストランテと違い、トラットリアはもっと気さくで安い、大衆食堂といったところです。それでも二人で40ユーロくらい行きますが。
パスタとピザ、ミラノカツレツ。ボリュームもありお腹一杯になります。


こうしてベネチア初日が終了・・・・


と、ここでホテルに帰ってびっくり。
なんと、また清掃されています。
第三夜での通り、チェックイン後にシャワーを使ったわけです。
でも、宿に帰るとバス回りのもの(タオルとか)がまた新しいものに取り替えられています・・・。
もしかして、チェックイン後は鍵をフロントに預ける度に、部屋の清掃に入るわけですか!?
なんにせよ恐ろしいほどの五ツ星ホテルのサービス。


■3日目 8:00 
いよいよ3日目(ベネチア滞在2日目)の朝になりました。
昨晩は二人とも泥のように眠る。やはり時差ボケだったんですね。
早朝散歩を見送る始末・・・。

さて、本日の予定は丸1日掛けての「川上りツアー」
友人J氏が「地球の歩き方」で見つけてきたツアーです。事前に日本で申し込み済。
詳しくは「おまけ編」に書くかもしれません。この川上りツアーは、船でベネチア本土側の川を遡っていくツアーです。見所は「水上エレベーター」です。日本ではあまり見かけません。
地球の歩き方に載っているものの、扱いも小さく、もちろん、初めてベネチアに行く人が参加するわけも無く日本からのツアーに組み込まれているわけ無く・・・とかなりマイナーなツアーなような気がします。
が、これは面白い。2回目のベネチアで個人旅行ならぜひ参加したほうが良いくらいオススメ。

閑話休題
ということで、ホテルからすぐ近くのヴァポレット(水上バス)乗り場に集合します。

今日は澄みわたる青空。気持ちいい。

朝の早い時間ですから、人通りもそれほど多くありません。そんな中、自然とこのヴァポレット乗り場周辺にいる人は、まばらながらもツアー参加者なんだなということに。
まあ、実際には日差しが暑いので、乗り場というよりは、その背後の大きな建物のその日陰に寄り添うように並んでいるわけです。
そうすると、集合時間を少し過ぎたころにガイドの方(一人)が出欠の確認を行います。
手にリストを持って確認してるので、そうだろうなあと、すぐにあたりがつきます。
人数はそれほど多くなく、我々を含めて10人程度。年齢はまばらやけど、カップルばっかやな・・・
そうして出欠確認が終わると船に乗って出発です。
もちろん、日本人は我々のみ

乗り場から振り返ると朝日を浴びた街並みがとてもきれいです。


■3日目 8:15 

まずは河口まで海原を抜けていきます。

航路にはすべてこうした杭が打ってあり、それに沿うように進みます。まっすぐでないので、意外に時間が掛かります。

でも、まあ、なんかのどかですね。

船の中は広々としていて、10人程度なら窓際でゆっくり眺められますね。
残念なのは窓が上から半開きにしかならないことですね。年甲斐もなく、座席にひざ立ちで窓の開いている部分から表を眺め、吹き込む風を楽しみます。爽やか。

さあ、いよいよ川に入っていきます。

気分は某ネズミーランドジャングルクルーズ
地図を見ないとわからないのですが、河口なのに幅がとても狭いです。
というか、どれだけ遡ってもこの河口と同じ幅=水上バスがかろうじてすれ違えるかどうかくらいの狭い幅、というのがすごい。


■3日目 8:40 初めての水上エレベータ
川にはいると程なく水門に突き当たります。
これが水上エレベータ。

もっと川上に行ってからと思っていたのですが、いきなりの出現にちょっとびっくり。

まず、後ろの扉が閉まって・・・

水があふれ出てきます。

前方と同じ水位になると水が止まり前方の扉が開きます。

おお、知識はありましたが、実際にみるとすごい。
こりゃあ、面白い。我々は後ろの方に座っていましたが、友人J氏は居ても立ってもいられず、前方の船べりに立って、身を乗り出して眺めています。こういうのを咎められないフリーダムさが外国の良いとこですね。日本なら船べり立つのさえ禁止されてそう。まあ、落ちても自己責任だし。


■3日目 9:00 Villa Foscari Malcontenta
しばらくのどかな船旅をしていると、最初の目的地に到着します。

tech_k
「あれ?船を降りるの?」
友人J
「船で川を上るだけでないんですね」

ツアー申込を友人J氏に任せっぱなしだったので、このツアーの見所は水上エレベータだと思っていたのですが(てか、友人J氏もそう思ってた)、このツアーは本来、川を遡りながらその土地を治めていた貴族の館を巡る旅のようです。(←任せきりにも程がある)

ガイドさんに続いて船を降ります。

そしてみんなに着いていく・・・


この先に何があるかまったく分っていない二人

が、

まずは大きな庭園に圧倒されます。
無駄に大きいにも程があるだろ。
そして館の方に向かいます。

続いて館の外観を眺めながらガイドさんが解説してくれます・・・が、イタリア語で話されてもまったく解りません。

しかし、一通り説明した後、ガイドさんが再びおいでおいでをします。
すると、今度は英語で解説が始まります。なるほど、このツアーはイタリア語と英語の解説付きなんですね。イタリア語の解説を聞いた半分くらいの人たちは中に入っていきました。
残っているのは英語解説を聞く方々ですね。英語なら半分くら・・・・もとい、10分の1くらいは理解できました。
続いて屋敷の中に入ります。

館の中は残念ながら写真撮影禁止。
しかしながら、貴族の館だけあって豪勢。ただ、残念ながら2階部分には上れませんでしたが。


館を見学した後は大きな庭を少しだけ散策します。


ほんと無駄に馬鹿でかい・・・。



■3日目 10:00 出発
さあ、次の目的地へ出発です。

・・・が、どうやらここから新たにツアー参加の方が十数人乗って来ました
中年のご夫婦が数組の団体です。
イタリア人らしい陽気さで、一気に船の中はどんちゃん騒ぎに。
でも、嫌な騒ぎではなく、あくまで陽気という感じ。おかげで、船の後ろに飾りのようについていたミニバーらしきところで、コーヒー(エスプレッソ)や水のペットボトルが買えることが分かりました。(値段はその辺の店とほぼ変わらず)

途中、何度か水上エレベータが現れますが、それ以上に驚いたのが「橋」です。

この川では、(少なくともこのツアーが遡る範囲で)架かっている橋はほぼすべて回転式、もしくはスライド式になっていて、係員が常駐しています。
我々の乗っているような大きな船は、高さがネックとなり、そのままでは橋を越えることができません。
そこで、船が橋に近づくと停止し、橋の係員が車の流れを止めて、橋を回転(もしくはスライド)させてくれるのです。

日本にもあるのでしょうか? 勝鬨橋のような大きな橋が大掛かりに跳ね上がるのでなく、川幅も十数メートルそこそこの川に架かっている、小さな橋を回転してくれるわけです。
これはもう、珍しいのなんの。このツアーに参加してほんと良かったです。

こうして、さらなる期待を胸に次の目的地に向かうところで、続きは次回にしたいと思います。
次回、この旅最大のピンチをむかえます。(主に私が)


 遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第四夜

(第一夜id:tech_k:20110513)


念願のイタリアはベネチアへ向けて日本を発ったtech_kと友人J氏。
旅が始まる前からパリの地下鉄ではぐれたり、食堂車で芋の絨毯爆撃をくらったり、ベットが寝苦しかったり、と紆余曲折ありましたが、いよいよベネチアに到着。
”遥かなる蒼”を探す旅が本当に(今度こそ)スタートします。


■2日目 9:55 イタリア ベネチア サンタ・ルチア駅
パリを出て14時間以上、やっとベネチアの玄関口サンタ・ルチア駅に到着です。


やっぱりヨーロッパの駅って雰囲気がありますよね。

まずは駅から出て目の前のヴァポレット(水上バス)のチケット売り場で「ベニスカード」の引き換えを行います。
このベニスカードはベネチア内の乗り物・・・ヴァポレット(水上バス)が乗り放題。おまけに美術館にも入れて、公衆有料トイレも入れる優れもの。
事前にWEBで購入しておくと、さらに20%オフという非常にお得なもの。
我々も事前にWEBで購入していましたので、メールを印刷したものを持参し、カードに引き換えます。
詳しくは「おまけ編」で書きましょう・・・。

というつもりだったのですが、どうやらこの間「ベニスカード」仕様変更があったようです。
2011年6月現在では、水上バスや市内バスは乗れなくなっているそうです。魅力やお得感がなくなってしまったので、「おまけ編」では割愛します。
いや、あの時は最強のカードだったんですよ!トランプの大富豪で革命が起きて2がブタカードになった気分です・・・
詳しくはこちら↓
http://www.amoitalia.com/venezia/information.html

そうしてベニスカードを受け取った後は、まずは宿に向かいます。荷物を預けるためです。


■2日目 10:40 ベネチア Hotel Danieli(ホテル・ダニエリ)
友人J:
「姫屋の舞台にもなっている『ダニエリ』に泊まらなくて、何のベネチアですか!!」


ということで、ベネチア最高級ホテル(五ツ星)「Danieli(ダニエリ)」に宿泊しますので、駅から水上タクシーで向かいます。
「水の都」というだけあって、ほとんどの高級ホテルは水上タクシーを乗りつける専用の入口が存在します。
水上タクシーはめちゃめちゃ高いですが、ダニエリに陸上の出入口から入るのは「ありえない」らしいので奮発(というか見栄?)することに。
ちなみにサンタ・ルチア駅からダニエリ(ほとんどサン・マルコ広場と同意語ですが)まで15分程度で70ユーロ・・・どんだけ高いねん。

水上バスやゴンドラ、普通の貨物船が行きかう運河を水上タクシーで進んで行きます。



これ、この景色。まさにベネチア
「水の都」と称するは数あれど、真に水の都に相応しいのはこのベネチアをおいて他にないと思う。
しばらくは、約10年振りに訪れたベネチアの景色に酔いしれます。

そうしてダニエリに着いてフロントで予約している旨を告げると・・・・

なんとチェックインできてしまいました。
思わぬラッキーな展開です。てか、さすが五ツ星(だからなのか?)、空いてりゃこの時間からでも入れてくれます。

そうしてチェックインを済ませ部屋に案内されます。


ツインなのに大バスタオルが4枚。


部屋の鍵も重々しい雰囲気


カーテンを留める紐も豪華。


照明もおしゃれ。

いや、もう、あまりの部屋に溜息しか出ません。
まさに「ヨーロッパ」の荘厳なホテルの部屋。
しかし、ダニエリの凄さの本質は部屋や調度ではないので、その辺は追々。
せっかくチェックインできましたので、早速シャワーを浴びてサッパリ。生き返ります。

でも、まあ、予想通り「ダブルベット」
水曜どうでしょうで鍛えた我々は、当然、このダブルベットが「分割」してツインになることを知っています。


■2日目 12:00 昼食
準備を整え、早速街を散策します。

まずは腹ごしらえをということで、ホテルから比較的近くにあるリストランテ「CORTE SCONTA」へ行ってみることに。確か昔来たことある思い出の場所。


しかし、店まで行くとまだ開店までは時間がある様子。
そこで、周辺をぶらぶらと散策します。




国立造船所だそうです。
さて、開店時間になったので再び戻ります。

店の奥はこうした中庭を望むテラスになっていて、中庭には葡萄の樹が天井を覆っています。とても落ち着いた良い雰囲気です。
ランチコースの前菜(アンティパスタ)のパスタの種類がよく聞き取れずに難儀しましたが、結局店の人が二種類をそれぞれ盛り付けてくれました。ありがたい。

イカ墨のパスタは絶品でした。

メインはシーフードに。他にフィッシュもあるそうですが、どうせならとシーフードにしてみたら・・・

イカ・エビ・アンチョビ・白身魚のから揚げ盛り合わせが出てきました。

こいつは最高でした。揚げたてで熱々、塩加減も良く絶品です。
・・・が、友人J氏はイカ・エビは食えないので、寂しそうにアンチョビをつついていました。


友人J:
「シーフード=イカ・エビだなんて安直にも程があります」(←シーフードだから白身魚とかがメインだと思っていた)


最後にデザートとコーヒーを別注文。

このデザートの甘いこと甘いこと。
「むほほほほほほほほほ」とむせるくらい甘い。


友人J:
「そんなわけないじゃないですか」
tech_k:
「じゃあ、一口食ってみい」(皿を差し出す)
友人J:
「むほほほほほほほ。こりゃ甘いですねえ」


いやあ、ここはとても美味しい店でした。ぜひディナーでも来たいですね。
でも、このお店は次の日から長期の夏休みに入るとのことで、ギリギリのタイミングで来れました。次回ベネチアに来たときにまた来ようと思います。


■2日目 14:00 ムラーノ島
書き忘れていましたが、ベネチア初日、本日の19:30からゴンドラを予約しています。そのためちょと中途半端に時間があります。
そこで、せっかく“遥かなる蒼”を探しに来たんだから、ベネチアンガラス(ベネチアングラス?どっちだろ?)の本場ムラーノ島へ行くことに。
ちょうどリストランテからは北に抜けたところにある水上バス乗り場から「ムラーノ島」行きがありますので向かいます。

ムラーノ島にはガラス博物館もあり、ベニスカードで入館可能。さっそく向かいます。




こうした運河沿いに店が立ち並び、散策するのが楽しいところです。


ガラス博物館では、その名の通りベネチアンガラスの展示があります。
うれしいのは写真撮影がOKなこと。(フラッシュは禁止です)




蛸て・・・。



天井もシャンデリアもすごい。

大きい博物館ではありませんが、普段その辺の店では見れないガラス工芸品があり、見ごたえはあると思います。

見学の後は、ムラーノ島入口の水上バス乗り場まで散策しながら歩きます。


ベネチアンガラスのソロバンとか・・・



しかしまあ、これだけみやげ物屋が立ち並んでいますが、なかなかお気に入りが見つかりません。
気になるものはあったものの、結局この日は保留として戻ることに。


■2日目 19:00 散策
本島に戻ってきた後は、ゴンドラツアーの集合場所に向かいます。
ここから非常に心強い味方になったのは、ベニスカードを引き換えた時にもらった地図。
折りたたみの一枚地図ですが、すべてのカッレ(小路)とカンポ(小広場)の名前が載っているので迷いません。(このあたりのことも知識としてまとめ編で)
とはいえ、当てもなく適当に彷徨い歩くのがベネチアの醍醐味。
そんなわけで、まだ時間もあるので適当にぶらつきます。







しかし日本よりも北に位置するため、夜の7時だというのに、まだ15時ごろのようです。


■2日目 19:30 ゴンドラツアー
私は前回ベネチアに来た時に乗りましたが、友人J氏は乗らなかったということで、ゴンドラツアーに申込をしました。申込み自体は日本でできるので、これもまたいずれ「まとめ編」で。
指定された集合場所へ行くと、結構な人数が集まっています。

ゴンドラは6人乗り。

我々は並んでいる6人の先頭にいましたが、先に乗り込んでいる他の船を見ていると、このままでは一番良いカップル席に座ることになるようです。そんなガラじゃないわな・・・というか、(何が悲しくてレースで縁取りされクッションの効いたソファのカップル席に男二人で座らなあかんねん)レディーファーストの国だよな、てことで後ろに並んでいた2人組の若い女性に譲ります。決してきれいな女の人にええかっこしたいわけではない。ところが、その後ろに並んでいるのは若いカップル。まあ、いい思い出作ってもらおうやということで、これまた先を譲り、結局最後に乗り込むことにしました。(このあたりのこともまとめ編で)

なお、ARIAでの「プリマ」・・・女性のゴンドリーナはおりません。全員屈強な海の男、いや海の漢です。アリシアさんや晃さんやアテナさんは当然おりません。(←わかってはいた、わかってはいた・・・)

こうして出発をするのですが、ツアーということで6人乗りゴンドラが5隻連なって運河を進んでいきます。1隻にはカンツィオーネの歌い手が乗り込み、素晴らしい歌声を披露してくれます。おっちゃん、惚れてまうわ・・・。アテナさんでないのは残念ですが。(←わかってはいた、わかってはいたんだ!!)

まずは大運河(CANAL GRANDE)をリアルト橋方面へ。
良い席を譲ってしまったので、私は唯一後ろ向きの席。振り返って前を眺めていると首が痛い。
まあ、良い席を譲った女の人とは向かい合う感じで(距離はあるぞ距離は)、向こうから手を振って投げキッスされたので、悪い席ではないな、うん。(←もはや何も言うまい)


大運河(CANAL GRANDE)はベネチアのメインストリートの運河。幅は何十メートルという、大きな河ほどもあり交通量が多く波が高いですが、左右に立ち並ぶ建物は圧巻です。

リアルト橋が彼方に見えるところで大運河を外れ狭い水路に入っていきます。こうした狭い水路こそベネチアの本領発揮。

細い水路の入口に、車の標識みたいに一方通行の標識が。



・・・まあ後々自分らでもするのですが、狭い水路を進んでいるときは体の良い見世物ですな。




細い水路の左右は背の高い建物。ちょっと薄暗く、空が遠く感じます。


あっという間の40分が過ぎ去りました。
あらためて思いますが、やはりベネチアに行ったら是が非でもゴンドラは乗った方が良いですね。歩いてるだけ・ヴァポレットなどに乗っているだけでは見えてこない、また別の顔を見ることができます。
こうして夢の40分が過ぎ、再び街へ繰り出していくところで、続きは次回にしたいと思います。

 遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第三夜

(第一夜id:tech_k:20110513)


念願のイタリアベネチアへ向けて日本を発ったtech_kと友人J氏。
素直にイタリアへ直行せず、フランスはパリから夜行列車「アルテシア・ナイト」ベネチアに入ろうと画策。
先ずはシャルル・ド・ゴール駅から夜行列車の発車駅、ベルシー駅へ電車で移動します。
しかしその途中、乗換駅のシャトレ駅で友人J氏を乗せたメトロ(地下鉄)のドアが、乗り込もうとするtech_kの目の前で閉まってしまいます。
まだ旅の目的地に着く前から、異国の地で離れ離れになったところから第三夜はスタートです。


■1日目 17:45 フランス パリ ベルシー駅
プシューッと音を立てて開いた地下鉄のドアを出ると、目の前のベンチに友人J氏の姿を発見しました。


友人J:
「もう、何やってんですか!」
tech_k:
「いや、いきなり目の前に人が割り込んで来て・・・」
友人J:
まだ、目的地にも着いてないし、アルテシア・ナイトにも乗ってないってのに、色々やってくれますよねぇ」
tech_k:
「不可抗力やって・・・」


こうして無事合流しました。
メトロのベルシー駅を出て、アルテシア・ナイト発着のベルシー駅に向かいます。

メトロ(地下鉄)のベルシー駅からは少し歩きます。地上に出ても案内板が小さいので結構分かり辛いです。
ただ、スーツケースを引いている人が多いので、その流れに付いて行くとすぐにベルシー駅が見えます。


こうのような大階段がお出迎えです。
事前に調べたところ、「JR京都駅伊勢丹の大階段の3分の1くらい」と表現されている方がいましたが、そこまでではないと思いましたが、うまいこと言うなあ。分かる人には分かる表現だと、JR新宿駅東南口の前の階段の3分の2くらいでしょうか(←微妙な表現)
ともあれ、女性が大きいスーツケースを持って昇るにはちょっとキツイ感じくらいですね。
横にエスカレータがあるのですが、このときは故障中・・・
(どうしても辛いときは、大階段の手前の道を、階段に向かって右に登って行くと、遠回りですが、右手に回り込んでスロープ状に登って行くことができます)

そうして階段を上ると駅のロータリーがあり、その先が駅となっています・・・が、駅構内はもう人があふれています。狭いってのもあるんでしょうが、芋洗い状態。
しかし、まあ・・・・パリなのに、なんとも「場末感」の漂う駅です。

案内板にはまだホームが表示されていませんので、思ったよりもかなり余裕のようです。
(列車名の一番右端(Voie)にホーム番号が表示されたら乗り込んで良い合図)

ここには売店もあり、パニーニやマフィン、お菓子に飲料などを売っていましたが、ちょっと高い

まだ時間もあるので、もう一度メトロのベルシー駅の方に戻って買出しをすることに。
メトロ駅前にはレストランやカフェが並んでいて、パン屋なども見かけます。
そこで友人J氏はフランスパンを、私は大きなビスケットを仕入れて再び駅に戻ります。


友人J:
「やっぱりフランスはフランスパンが美味しいんですよ」


ということで、少し友人J氏からもらいましたが、確かに固いながらも中はしっとりとしていて、日本で食べるフランスパンより美味しく感じました。


さて、相変わらず駅のコンコースは混んでいますが、しばらく待つと列車が入ってきて、人が流れて行きます。まだ、ホームが表示されてませんが、まあ、他の人がどんどん行ってるから良しと。

我々も列車に乗り込みます。
と、その前に・・・

駅のホームにある黄色い改札機で切符にガチャコンと日付を印字しておかなければいけません。
フランスは・・・イタリアもそうですが、地下鉄でなければ駅に改札はありませんので、自分でこの機械に通さなければなりません。日本人には慣れないルールです。
もし、印字を忘れると、とても高い罰金を取られるそうです。完全に自己責任。



食堂車

寝台車

絵で車両分けしてるのが面白いですね。

列車にはこうした号車番号の紙が張ってあります。行き先も書いてあるので、間違えなくて良いですね。
この列車の直後にローマ行きもあるので、乗り間違えたら大変。


■1日目 18:55 夜行列車「Artésia Night(アルテシア・ナイト)」
さあ、いよいよ列車に乗り込みます。

席の種類はいろいろありまして、一等2人個室寝台、二等2人個室寝台、二等3人個室寝台、二等4人寝台、二等6人席と、だいたいこんな感じです。細かくは予約方法も含め「まとめ編」で。

当初、二等2人個室寝台でゆっくり・・・と思いましたが、日程が二転三転している間に満席になってしまい、やむを得ず4人寝台に。
二等3人個室寝台までは、部屋に洗面とシャワーが付いているらしいのですが、4人部屋からは洗面が車両内共通、シャワーはなしです。
しかし、人生で初めての寝台列車をヨーロッパで乗ることになるとは思いもしませんでした。

おお、これが寝台。

あれ?6人部屋でしょうか?

そうしていると、同室の方が来られます。おばあさんでした。言葉からするとイタリアの方かな。
結局4人部屋でしたが3人で使うことに。
まあ、イタリア語が(というか英語も)話せるわけではないので、ペチャクチャ会話するわけではありませんが、時に会話しながら、楽しく過ごしました。ですが、友人J氏がトイレ行ったり車内見学行ってるときに限って会話が始まるので、頭フル回転して単語を思い出しました。


さて、発車時間の18:55になりましたが、いっこうに列車は動き出しません
18:59発・・・だったかな・・・のローマ行きのアルテシア・ナイトの方が先に出発しやがる始末です。
これが「イタリアン タイム」だなんて言って友人J氏が同室のご夫人の笑いを誘っていましたが、まさにその通り。
そうこうするうち、発車が待ちきれずに友人J氏が早速車内見学に出発します。私は荷物番しながら、同室のご婦人と会話ちゅう。
しばらくして帰ってきた友人J氏が持っていた紙切れを見せて

友人J:
「食堂車を予約してきちゃいました」


とのこと。
これにはびっくり。
このアルテシア・ナイトについて調べると、食堂車は予約がなくても利用できるものの、先ずは列車が発車してから、車掌が「一等寝台」から順番に予約を取りに回ってくるということでした。
いろんなサイトにも食堂車はいつも満席なんてありましたから、二等4人寝台の我々は、予約を取りにくるころにはもう満席で予約が取れないか、取れても23時ごろなんじゃないかと覚悟してました。


友人J:
「見学ついでに食堂車を覗いたら準備中だったので、中にいる人に予約は取れないか聞いたらあっさりOKでしたよ」


といって、何時に来いと書かれた紙切れを見せます。ありがたいことです。
まあ、なんでも言ってみるもんですな。

さて、そうこうするうちに、こちらも列車が走り出しました。
いよいよ、旅のスタートです。


このベルシー駅は、ああした車用貨物の発車駅でもあります。車は貨物列車で運び、人はTGVなどでバカンスに行くんでしょうかね。

しばらくは列車の車庫や街並みが続きます。

流れる街並みを見てるだけで、すぐに時間が過ぎてしまいます。


■1日目 19:45 アルテシア・ナイト 食堂車
時間が来ましたので、食堂車に意気込んで乗り込みます。
おお!きれいな食堂車です。

4人がけテーブルが9つくらいでしょうか。
真っ先に乗り込み、予約したメモを見せるとテーブルに案内してくれます。
席にはすでに、水とワインが置いてあり給仕の方が開けてくれます。2人で1本ずつ。ワインは赤のハーフボトル、水は珍しくガスなし。

話は横にそれますが、列車内はすでにイタリアです。挨拶もボナセーラ(こんばんは)でOK。

その後すぐに、続々と予約した人たちがやってきます。
4人がけのテーブルしかありませんので、当然、みんな合席。あっという間に満席です。
我々の隣には、これまたご婦人がお二人座られました。
みんなそろうと一斉に給仕が始まります。なるほど、給仕の方が一人しかいませんので、効率的に行くんですね。
メニューのコースは1種類のみ。そのため、注文する必要はありません。席についてワインでも飲んでいれば全員そろって勝手にスタートします。

前菜はニョッキ。ただし味が二種類あるようです。トマトかバジルかみたいですが、隣のご夫人がバジルって言ったのに、「まあトマト食え」といわんばかりに、トマトのパスタを強制的に皿に盛ります。
しかも盛り方が豪快。結構な量を盛ってくれます。

次はジャガイモとパスタとマッシュルームの煮込み。

こちらもソースが2種類あるようですが、選択する余地もなくどんどん皿に盛られます。これもまた大盛り
2皿平らげましたが、もうかなりおなか一杯になっています。
そんなところに、「余ってるからもっと食え」ということで、やっとこ空にした私の皿に、給仕のおっちゃんが更にぶち込みます
まあ、こういうところで、友人J氏だけでなく周りの見ず知らずの人たちまで爆笑になるわけで。言葉は通じなくても和気あいあいとした雰囲気の食事です。

笑いが取れておいしい状態ですが、こっちとしてはそろそろお腹も一杯。唯一の救いはさっきとは違うソースなこと。それでも平らげ、いよいよメインディッシュがやってきます。
さすがに、メインは選択ができました。

しかしここに来て手のひらサイズの肉2枚
でも、雰囲気で食えてしまうから不思議。
そして止めのデザート・・・

大満足です。古き良きディナーコースという感じ。
なお、2人で66.7ユーロ(水1本、ワイン1本含む)だったかな。(サービス料込み)
最後に実費精算ですが、テーブル会計ではありません。飲み物も別途追加可能です。


■1日目 21:15 アルテシア・ナイト
やっぱりヨーロッパのディナーってのは余裕で1時間を越えますね。
さて、ヨーロッパの夏はこの時間になっても夕暮れくらいの明るさがあるので不思議な感覚です。
我々と入れ違いにディナーに行った同部屋のご婦人もやがて戻ってきて、ベットメイクをします。

本来6人用なので、片側に上中下段と3段のベットになる仕様です。4人で使うので上段と下段のみでいいのですが、友人J氏は下段がうまくフラットにならず、中段をわざわざ出して寝転がります。
私は、同じく下段がフラットにするのがめんどくさいので下段のまま寝転がります。(実際、硬くてうまくベットにチェンジできない・・・)
そうして、列車に揺られながらいつの間にか寝入るのでした・・・・


・・・・が、下段が思ったよりも狭い。寝返りさえ打てない。フラットにしなかったので傾いてる、あまり寝付けない。
こりゃ、中段を出した友人J氏が正解でした。

あまりに眠れないので、早朝に着いたミラノ セントラル駅で写真など撮ってしまう。

あと、ここからはスイッチバックして進行方向が変わります。気付かないと、起きたときにびっくりする人もいるかもしれませんね。


■2日目 9:50 サンタ・ルチア駅到着
同室のご婦人は途中のヴェローナで下車をされましたが、我々二人は列車に揺られいよいよ終点ベネチア サンタ・ルチア駅へ。

本土から離れ、海の上を線路が長いアプローチを描いてサンタ・ルチア駅へ渡っていきます。



なんか、目的地に着くまでがえらい長かったですが、いよいよベネチアに到着。
旅の本番がスタートするところで、続きは次回にしたいと思います。
ベネチア旅行記のはずなのに、到着するまで三夜も使っているのは気のせいですね・・・。

 遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第二夜

(第一夜id:tech_k:20110513)

前置きも長くベネチアへ旅立ったtech_kと友人J氏。
まずはパリに向かい、そこから夜行列車「アルテシア・ナイト」ベネチアへ入ろうと画策。
しかしながら、飛行機到着から夜行列車発車まで2時間しかないという、普通では考えられないスケジュールとなっており、飛行機が30分でも遅れればアウト(=パリで野宿)という状況。
はたして二人は「無事」(←ここ重要)空港から夜行列車の発車駅までたどり着くことができるのか。
波乱の第二夜スタートです。


■まだ1日目 16:20(現地時間) フランス シャルル・ド・ゴール空港
そんなこんなで12時間後、フランスはシャルル・ド・ゴール空港に到着です。
偏西風を遡っていく西回り(正確にはロシア上空を回るので北回りですが)は、向かい風の影響を受けて往々にして遅れがちです。今回は30分でも到着が遅れれば確実にアウトという状況のなか、なんとか時間通りに到着しました。ホッと胸を撫で下ろします。ありがとうJAL。(だから回し者ではないと・・・)

予定より早く16:20前に着陸しましたので、5分でも10分でも早く降りれるかも、と思っていましたが・・・そういや、こんだけ大きい空港に来るのは久しぶりなので忘れてました。
着陸してから駐機スポットまで20分ランディング。
日本や海外でも小さい空港は着陸してから5分10分で駐機スポットに着きますが、結局ドアが開いたのは20分後、時間通りの16:40
唯一の救いはプレミアムエコノミー席はエコノミー席より前に位置しているのと、それほど席が混んでいなかったこと。ビジネスクラスのお客に続いて比較的すんなりと機外へ出ることができました。



■1日目 16:50(以後すべて現地時間) シャルル・ド・ゴール空港 ターミナル2F
さあ、ここからは時間との勝負。
二人とも空港からベルシー駅までのルート、特に空港から空港内の鉄道駅までのルートのイメージトレーニンはバッチリです。

まずは、最大の難関「入国審査場」。なんたって1時間以上待たされるって、どこもかしこもブログに書いてましたよ。
そこを目指してひたすら早歩き。なんたってここでの時間ロスが勝負の分かれ目です。
そうして、入国審査場に飛び込んだ(比喩ですよ比喩)のです・・・が・・・


あれ?ガラ〜ンとしています。
EU圏外からの渡航者用窓口が2つ開いていて、2人くらいしか並んでいません。なんとも拍子抜け。EU圏内からの渡航者用窓口にも圏外からの入国者を回していました。
しかも、審査もすんなり。パスポートをパラパラと見ただけで(ちゃんとチェックしてますよ?)、どうぞと。(審査場は撮影不可なので、お見せできないのが残念です)

台湾や香港の方が、よほどパスポートを舐めるようにチェックします。
そういう訳で無事入国したのは、なんと飛行機を降りて7分後の16:50
審査場に5分もいませんでした・・・。
余談ですがフランスってパスポートにスタンプ押されませんねぇ。ガイドブックに書いてある通り。これ、出国の時問題ないの?(特に今回はイタリアから出国なので)と不安になりますね。


さて、入国審査場を出て、右手の階段を降りたところが手荷物受取所。
そこを抜けると出口があります。
もちろん、我々の旅行は海外であっても手荷物を預けることはしませんので、素通りします。

おっと、ここで出口付近に鉄道の自動券売機を見つけました。

フランスの鉄道は駅を含めてあまり治安が良くないということと、駅に着いたときに飛び乗れるように(比喩ですよ比喩)、とりあえずここで切符を買っておくことに。(もちろん、鉄道駅にも同様のものがあります)

このあたりのことと、空港から鉄道駅までの行き方は、後日の「まとめ編」に回しましょう。



■1日目 17:00 RER(B線)およびTGV シャルル・ド・ゴール空港「ターミナル2」駅
出るのに1時間? 馬鹿なこと言うな10分だ。
・・・まあ、運がいいんだろうなあということで、結局、鉄道駅に着いたのは機外へ出てから20分後の17:00。恐ろしいくらい順調です。逆に拍子抜け?
ただし、入国審査場は窓口がEU圏外からの渡航者用が3、4箇所くらいしかありませんでした。「ターミナル2」だけで審査場は何ヶ所かあるでしょうが、1つの審査場で窓口がこれだけというのは、確かに飛行機の到着が重なれば大混雑なのでしょう。日本朝出発、現地夕方着という飛行機の時間帯が良かったのかもしれません。

さて、ここからは、フランスの国鉄RERでシャトレまで行き、そこでメトロ(地下鉄)14号線に乗り換えます。
駅には時刻案内板の他、こうした停車駅の看板があります。


どうやら1本後(といっても数分後ですが)の「LILI」の列車があまり止まらず早いようなので、それに乗ることに。
今回参考にしたサイトではRERの入口は自動改札機みたいのがあるという情報でしたが、改札機は無くこうした機械に切符を通すだけのはずなのですが・・・

比較的新しい機械なんですが、壊れています。まったく無反応。
4機が全部壊れている様子。
他の乗客もどうしたらいいか首をひねるばかり。
しかたないので、このまま乗り込みます。出る時ダメなら壊れてたと言うしかありません。




まあ、フランスの車内・駅は治安が悪いということでしたが、夕方という時間帯でRERの車内は混みまくり。これだけ人がいれば絡まれることはありません。(こういう意味でも夕方着の飛行機というのはメリットが大きいですね。早朝や深夜はカツアゲにあった報告のサイトが多いですね)



■1日目 17:35 RER(B線)およびメトロ14号線 シャトレ駅
列車も遅れることなく順調に乗換駅のシャトレに着きました。
ここでメトロ14号線に乗り換えです。
案内板に従ってメトロの駅まで歩きますが、夕方はめちゃめちゃ混みます。新宿や池袋駅並ですね。立ち止まってどっち?なんて悠長に探しているスキマもありません。右へ左へ人の波です。ホームも混みますが、ホームから階段を上がって改札を出るまでの構内すべてが人の波です。
さて、空港駅では切符が機械にうまく通りませんでしたが、シャトレ駅の乗り換え改札はなんとか通りました。
それでも、なんと言うか、自動改札の切符の読み取り反応が悪すぎです。
扉が開かずに3回くらい入れ直しましたよ。後ろの人からやや冷たい視線。やはり日本の鉄道技術は世界一だと改めて関心します。

乗り換えはそれほど遠くなく、すぐにメトロ駅に着きます。
フランス・・・というかイタリアもそうでしたが、地下鉄の行き先はあらゆる案内板が「終点駅」でしか表示されていません。
上り・下りでどちらのホームの電車に乗るかは目的地駅ではなく、終点駅の名前を覚えていないとまったく分かりません。今回はちゃんと調べていたのですんなりとホームへ。ここからはあとたった2駅でベルシー駅に到着です。
メトロのシャトレ駅では日本でもあるように、ホームドアのある駅でした。列車の高さくらいある大きなホームドアです。

夕方ということもあり、電車も次々にやってきます。


そうして電車が来て乗り込もうとしますが、夕方のこの時間帯は日本の通勤電車なみに激混み。ホームにも多くの人が列を作って並んでいます
我々は小さいながらもガラガラとスーツケースを引いていますので、周りの視線が多少は痛い。

まあ、日本の通勤電車で鍛えた我々は、涼やかに慣れた手つきで混みあった車内に乗り込む人の流れに任せて突入します

先に友人J氏が乗り込み、続いて私が・・・とした瞬間、横から数人の団体が割り込んで来ました
なんだ!と思いつつもそのまま続いて乗ろうとすると・・・・その瞬間、なんと目の前の電車のドアが閉まりやがりました
しかも、同時に閉まってくるホームドアにも挟まれそうになります。
危なくホームに戻り振り向くと、友人J氏を乗せた電車は無常にも去って行きます・・・。


「なにやってんですか」という友人J氏の視線が流れ行き、なんだか訳の分からんうちに離れ離れになったところで、続きは次回にしたいと思います。

 遥かなる蒼を探して〜水の都ヴェネツィア〜 第一夜

※もはや言い訳できるレベルでないですが、2008年7月現在の話です。

今回もどうやら長くなりそうなので、香港のときのように知っておくと良い情報を覚書として、まとめて最終夜の後に付けたいと思います。(リンクは後日)


■今回の旅行計画「ウィー アー オール メン」We are all men
感動の最終回(フィナーレ)を迎えた漫画「ARIA」
アニメも第三期をもって最終回を迎え、長年に渡りメディアミックスを展開してきた「ARIA」に一旦、終止符が打たれました。
「ARIA」(アリア)は、テラフォーミングされ「アクア」と呼ばれるようになった火星にある都市「ネオ・ヴェネツィア」を舞台に、一人前のゴンドラ漕ぎ=水先案内人(ウンディーネ)を目指す少女達の姿を描いている物語。

なお、以後、「ヴェネツィア」については、打ちにくいので文章内では「ベネチア」で統一します。
単語登録?ナニソレ?

まあ、その物語の素晴らしさは多くの方々がいろいろ述べていると思うので割愛しますが、とにかく、私はこのARIAが大好きです。ARIAの前、AQUAの時代からのファン。(香港珍観光旅行参照:id:tech_k:20070326)
コミックや画集を眺めては、こんな風景を見に行きたい!という想いは日に日に募っていくばかり。
ベネチアは、かつて大学の卒業旅行で立ち寄ったこともありますが、それもすでに遥か昔の話(いや、そこでま昔ではないが、ARIA以前・・・)。

また、ARIAをかねてより友人J氏にも薦めておりましたが、漫画はどうも画風が合わない様子。
ならば、とアニメを薦めましたが見事にベネチア病に掛かりました。

そんな訳で、完結記念に、私だけの「遥かなる蒼」(元ネタはARIA第12巻参照)を探しに行こうという計画を立てました。
なんとなくこの時期で・・・というのは2008年1月くらいから話をしており、以前の北九州の旅の時(id:tech_k:20090104)には具体的な日程と観光ルートの設定などを話し合っていました。そのときはベネチアオンリーというのは寂しい、ということでスイス辺りから寝台列車ベネチアに入ろうか、などと言っておりました。
私らにしては珍しく用意周到。

・・・なはずが、日程は私のせいで二転三転
当初は2008年7月19日(土)から8〜10日間くらい行く予定でした。


友人J:
「いいですね?もうこの日程で飛行機押さえますよ?」
tech_k:
「いや、ちょっと待った。出張が入りそう・・・」


などというやり取りで、いつまでたっても日程が決まらず
8月のお盆前なら確実に休めるので、そこに変更しようかとも考えていましたが、7月末から馬鹿みたいに飛行機代が上がります。いくらなんでもそんな懐の余裕はなし。

そうこうするうちに、パリからベネチアまで、夜行列車「Artésia Night(アルテシア・ナイト)」というものがある、ということを友人J氏が探し出してきました。
さらに、友人J氏が良い情報を見つけ出します。


友人J:
「なんか7月19日・20日の土・日で“レデントーレ”というベネチア最大級のお祭りがあるらしいですよ」
tech_k:
「おぉ!なら、ちょっと出発を早めてぜひ祭りを見に行こう。」


ということになり、出発を早めることに。
その後さらに、あーだこーだありましたが、旅程は以下の通りに。

1日目:成田発11:10 → パリ着同日16:40 →寝台特急アルテシア・ナイト
2日目ベネチア着9:45
3日目:川登りクルーズ
4日目:レデントーレ見学
5日目:私のみ帰国(ミラノ発)

こんな感じになりました。
直前になって仕事が入ったため、本当は1週間以上滞在するはずが、私だけ途中で泣く泣く帰国
それでもベネチアに丸3日間は滞在できる計算。
ただし、飛行機の空席の関係でベネチアにしか行かない”のにパリから入ってミラノから出る計画。
まあ、もともと他国から入って夜行列車で行こうかなんて言っていたので無問題。

しかし、アルテシア・ナイトの手配をしてから気付いたのですが、アルテシア・ナイトはパリの「ベルシー駅」発。パリの中央玄関の鉄道駅といえば「リヨン駅」を誰しも思い浮かべますが、ベルシー駅はそのリヨン駅の裏手にある(といっても地下鉄ひと駅分ある)、通常は貨物列車や車載貨物列車などが発車するマイナーな駅です。

飛行機はシャルル・ド・ゴール空港16:40着
アルテシア・ナイトはベルシー駅18:50発
その間約2時間しかありません。国際線ではありえない乗り継ぎ。
シャルル・ド・ゴール空港からベルシー駅は電車で乗換えを含め45分程度とのこと。バスやタクシーでもリヨン駅あたりまで50分程度らしく、夕方は渋滞でそれ以上かかるかもとのこと。
ということで、時間の読める(てか、日本以外で鉄道の時刻表があてになる国なんてないが・・・)電車で行かざるを得ません。
しかしながらネットで他の方の旅行記などを調べると、空港の入国審査場は非常に混んでいて、空港を出るまでに1時間はかかるとか書いている人ばかり。
そういや香港も入国審査場が混んでいて、出るまでに1時間以上かかったよな・・・
ということで、下手すると列車に乗り遅れる可能性があることが分かりました。

なんかすべて予約した後から綱渡り的なことばかり出てきます。(←すべて自業自得)

友人J:
「トーマス・クック(ヨーロッパの鉄道時刻表。日本でも大手書店で販売しています)で見たら、乗り遅れてもその後発車のTGVなら途中駅で追いつくらしいですよ」
tech_k:
「そんな最終手段はいやだなぁ」


てな訳で、旅の最初に「最大の山場」が来てしまうという今回の旅程ですが、いよいよスタ・・・

ああ、書き忘れてました。
今回の最大のメインは「宿」
「ARIA」聖地巡礼(舞台探訪)と洒落込んで、作中に登場する「姫屋」のモデルになっているホテル、「Danieli(ダニエリ)」に泊まることにしました。
ベネチア最高級の「五ツ星ホテル」です。そりゃも〜お高い(私らの経済水準では)。
しかも今回は清水の舞台から飛び降りるつもりで3泊。(まあ、かなりお手軽プランを見つけたのですが、それもおまけ編で)
そりゃあヨーロッパの「五ツ星ホテル」なんてのは格式高く、貧乏人お断り、Tシャツ短パンなんて着てたら摘み出される、ホテルが客を選ぶようなところです。(←注:tech_kの勝手な妄想)

なお、海外通の後輩I(♀)に友人J氏(♂)とダニエリに泊まると話をしたところ・・・


後輩I:
「なんで“男二人”『ダニエリ』なんですか!普通ありえないですよ!!」
tech_k:
「いや、でもなぁ・・・」
後輩I:
「絶対!確実に!!ゲイのカップと思われるに決まってるじゃないですか!!!」
tech_k:
「でも・・・」
後輩I:
「でもじゃありません!五ツ星ホテルをなめてんですか!!」
tech_k:
「いいんだよ!『ウィー アー オール メン』でOK!」
後輩I:
「何を訳のわからんこと言ってるんですか!」(←後輩Iは水曜どうでしょうを見ていない)


と、えらい言われようでした。
せめてもの敬意を表しジャケット・スラックスくらいは持っていくか(後輩I:「当たり前だろ」)ということで、まあ荷物がかさばること。

今回ばかりは準備段階からモメにモメましたが、旅はスタートします。


■1日目 日本時間10:20 成田空港 第2ターミナル ラウンジ
大阪から飛んで来る友人J氏と待ち合わせをします。
が、結局、私は仕事が終わらずに朝の「8時」からビジネスコーナーで黙々と仕事をしています。


友人J:
「仕事は終わりました?」
tech_k:
うん、それ無理


ということで、待ち合わせの時間までに終わらなかったので往きの飛行機で仕事をする羽目に


■1日目 日本時間11:10 JALプレミアムエコノミー
いよいよ成田空港から飛び立ちます。
今回はJALのプレミアムエコノミーに乗ってみることに。気になっていたんですよね。
エコノミー席ですからたかが知れていますが、エコノミーより広めのシートに、肘を乗せても隣と触れないくらい余裕のある肘掛(この辺りはJAL国内線の「クラスJ」並)、そしてリクライニングしても後ろに倒れない構造なので前席が倒れて来ずに、非常に快適でした。

しかし、まあ、意気込んで乗り込んだものの意外に空席が多く、キャビンアテンダントの方も空いているところを好きに座ってくれていいとのこと。気の利いたことで良いことです。四国の時の南海電車のパーサーに見習わせたい。(id:tech_k:20060707)

そういえば原油高による運賃やサーチャージャーの高騰(2008年7月当時)で、今年は海外旅行者が前年比30%減らしいですね。おまけにパリ行きのJAL便は1時間前に出発する便がもう1本あり、後発のこちらは空いているのかもしれません。(でも、普通のエコノミー席とビジネス席はほぼ満席という不思議)そんなわけで一人で2席以上占有してゆったり仕事をする過ごすことができました。
このプレミアムエコノミーシートの良いところは「電源コンセント(日本形式)」が付いています。まるで仕事をするためにあるようなもので(泣)、PCの電源に不安なく仕事に取り組みました。
(本当は音楽プレーヤーなどの充電に使うといいんでしょうが)

片道でプラス3万円だそうですが、10時間以上乗るヨーロッパ線やアメリカ線などではその価値はあると思います。満席のエコノミー、しかも端席以外なんかに座った日には確実に拷問です。このプレミアムエコノミーは、肘掛に肘を乗せても隣の人に気を使わなくて良いし、前席が倒れこんで来ないので、非常に快適に過ごせます。いや、JALの回し者ではないですが、次回も利用したいですね。
しかも、歯ブラシやアイマスクが配られたりスリッパが付属してたりと、アメニティ面でも普通のエコノミー席より充実しています。

・・・なお、事情を話して、着いたら一番に降ろしてもらえませんか?と図々しくもお願いしてみましたが、やはり、ファースト・ビジネスクラスの方が先と、申し訳なさそうにお断りされてしまいました。

※今回の教訓
飛行機の料金には「機外へ出る順番」も含まれてるんですねぇ

まあ、そんな訳で快適な席ですが・・・


友人J:
「まだ、仕事終わんないんですか? せっかく良い席なのにお酒も飲めませんねぇ」
tech_k:
「・・・」


こうして飛行機は一路パリへ向かうところで、続きは次回にしたいと思います。


・・・余談ですが、機内の映画は邦画の「アフタースクール」(大泉洋主演)を見ました・・・(2週間前に映画館で見たばかり)。
ついでに洋画「ラスベガスをぶっ潰せ」も見ましたが、こちらは映画館に行こうとしていたのを止めてよかった・・・(内容的な意味で)。