ドイツの太陽光発電は日中原発10基分以上を発電

日本においてもFIT議論が始まってからは失敗扱いされることの多いドイツの太陽光発電だが*1、最近良いニュースが報道された。http://www.jiji.com/jc/rt?k=2012052800241rによると*2

ドイツの再生可能エネルギー関連シンクタンク、国際経済フォーラム再生可能エネルギー(IWR、本部ミュンスター)のディレクター、ノルベルト・アルノホ所長は26日、同国の太陽光発電量が25、26日の昼ごろの時間帯に過去最高の22ギガワット時(GWH)を記録したことを明らかにした。

アルノホ氏は「過去にこれほどの太陽光発電をした国はない」とし、「この数週間、何回か20GWHに近づくことはあったが、25、26日に初めてこの水準を上回った」と指摘した。同氏は、先進工業国の一つが平日(25日)に電力需要の3分の1、工場やオフィスが休みの土曜(26日)には半分近くを太陽光発電で賄えることが示されたと強調した。1年前の太陽光発電量は14GWHだった。

政府の再生可能エネルギー促進政策もあって、ドイツは世界でもトップの同エネルギー利用国となり、年間の総電力需要の約20%は同エネルギーから得ている。また、同国で設置された太陽光発電設備の能力は諸外国のほぼ全てを合わせたほどに達しており、太陽光発電は年間需要量の約4%を占めている。

ドイツの太陽光発電装置の能力は11年に7.5GW増え、さらに12年第1四半期(1〜3月)に1.8GW拡大して、合計26GWとなった。


記事によると日中のピーク時に原発22基分の発電量相当の22GW(2200万kW)の発電をしている*3
どういう感じで発電しているかをPV electricity produced in Germany | SMA Solarというドイツの太陽光発電の発電状況を見せてくれるサイトで言われている当日の5月25日を見てみると、ただ単に20GW以上を日中に発電しているだけでなく、12時半から14時半の間の2時間に20GW原発20基分以上発電し、さらに朝の9時から夜の6時までの9時間もの間でも10GW原発10基分もの発電を行っていることが分かる*4
良く太陽光発電は非力だ、だから導入促進する必要はないと言う人々が多いが、こういったドイツの状況を見ても太陽光発電を導入することに意味がないというべきなのだろうか。特にこれから夏の電力不足に苦しみそうな日本において。

*1:最近だと/ WSJ日本版 - jp.WSJ.com - Wsj.com太陽光発電は全体の3%!? 「脱原発」維持に向けて現実的な方策を模索し始めたドイツの厳しいエネルギー事情とは | 川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」 | 現代ビジネス [講談社]とか

*2:ほかにもhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012053002000226.htmlなどでも報道されている。

*3:Germany sets new solar power record, institute says - Reutersこちらの原文では原発20基分となっているが日本だと100万kWで原発1基分と表示されることが多いのでそちらの表現にした。

*4:図は9時時点での発電状況、元になるデータが異なるのかピーク値等は上記記事とは異なる。