英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

サウジ処刑への反発

 晴れ。今日で正月三が日は終わりである。
 シーア派の著名な聖職者を処刑したサウジアラビアが、激しい批判にさらされている。サウジ国内に動揺と抗議の動きが広がり、とくに東部地域で激しい批判の渦が巻き起ころうとしている。
 2016年の波乱を象徴するような事件である。混乱と対立が次の対立を呼び、収拾がつかなくなる。これはかなりまずい事態となる可能性がある。
 処刑された聖職者のほかに46人のメンバーは、テロリズムを企てたとして処刑された。アル・ネマール師は、2011年のアラブの春の際、反政府運動に重要な役割を果たしたとされる。彼はシーア派に平等な権利を求め、スンニ派が主導するサウジアラビアの指導者に厳しい批判を浴びせた。
 アル・ネマール師の処刑は、中東全体にシーア派の強い批判を引き起こしている。イランの国営通信社は、不合理と無責任以外の何者でもない、と伝えた。テヘランではサウジ大使館に火を放つ抗議活動が起きたと伝えられている。
 レバノンヒズボラも反応し、イラクのマリキ首相も声明を出している。
 サウジは2015年の1年間で150人以上に死刑を執行している。
 http://www.wsj.com/articles/saudi-arabia-executes-dozens-for-terrorism-1451726342
 ニューヨークタイムズより。テヘランの抗議行動を伝えている。今後中東地域で宗派同士の緊張が高まると伝えている。
 サウジの今回の処刑は、イスラム国への攻撃とタイミングが一致している。シーア派のイランとスンニ派のサウジという、地域の盟主同士の争いという側面もある。
 これほどの大量処刑は過去数十年で、サウジでもっとも大きなことだという。
 サウジ外務省はイラン大使を呼び出し、抗議を行っている。イランとサウジの対立が激しくなっている。テヘランのサウジ大使館周辺では、群集が「アルサウド家に死を」と叫んでいる。
 http://www.nytimes.com/2016/01/03/world/middleeast/saudi-arabia-executes-47-sheikh-nimr-shiite-cleric.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=photo-spot-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0