英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

TPP後の世界

 曇り。今日は祝日である。
 トランプ氏が就任後、ただちにTPP協定を破棄することを表明したのをうけ、中国が動き出した。米国主導の貿易協定がしぼむに伴い、中国主導の協定を狙っている。アジア地域において自身の影響力のある協定を広げる狙いだ。
 具体的にはRCEPであり、16カ国が参加している。RCEPでは関税引き下げが議論の焦点になっている。
 一方、トランプ氏は多国間交渉を嫌い、二国間の協定を検討すると述べている。
 TPPはサービスの自由化や知的財産権や環境、労働慣行、政府系企業との取引などのルールづくりが主だったが、RCEPは関税引き下げがメインテーマである。したがって、RCEPは労働や環境の基準引き上げにはつながらず、知的財産権の保護にもつながらない、と米国の貿易代表フロマン氏は先月の新聞寄稿で述べている。
 http://www.wsj.com/articles/china-touts-its-own-trade-pact-as-u-s-backed-one-withers-1479811275
 一方、株価は上昇を続けており、ダウ指数は19000を初めて超えた。大統領選挙による影響で、とくに工業株や銀行株が指数押し上げに寄与している。
 しかし、ダウ株価の上昇は、年初以来の指数のパフォマンスとは一致しない。今年1月、中国の経済減速やそのことによるブルーチップ銘柄への影響が懸念していた。その結果、ダウ指数は低迷していた。
 銀行株の上昇は、トランプ政権のもとでは金融規制が緩和されるのではないかという思惑があり、また金利の上昇も好感されている。
 http://www.wsj.com/articles/global-stocks-up-as-oil-prices-rise-1479803109