英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トランプのちゃぶ台返し

 曇。昨日午後から雨がポツポツと。
 トランプ大統領がヘルスケア改革法案に関連し、上院議員ロビイストを交渉のテーブルに引き戻そうと、保険会社への支払いを減らすよう、あからさまな脅迫を行っている。そして、初めてのことだが、議員たちのヘルスケアの便益を白紙に戻すことにも言及した。
 もしヘルスケア法案がすぐに可決されなければ、保険会社の救済や議員の救済はすぐに終わらせるべきだ、とツイートしたのだ。この声明は上院の共和党議員らがオバマケア法を改正しようという努力が失敗して2日後のことだった。
 何ヶ月にもわたり、トランプ氏はオバマケア法の一環で保険会社への支払いをやめるよう脅迫していた。しかし、最終的には政権は保険会社に支払っていた。
 https://www.wsj.com/articles/donald-trump-threatens-to-cancel-some-health-care-benefits-for-lawmakers-1501352607
 米国経済の景気拡大は9年目に入った。第2四半期の成長率は2・6%となった。今年の第1四半期は冴えないスタートだったが、回復を見せた。
 しかし、この数字のパターンはお馴染みのものだ。経済は巡航速度で走っているが、残念ながらその速度は2%にとどまる。
 米国経済は2009年半ばのリセッションから回復過程にある。それ以降の成長率は平均で2・1%だ。対照的に1990年代の成長率は3・6%、1960年代は4・9%だった。
 回復がゆっくりしたもので、着実であることが逆に過剰を兆候をほとんど見られなくしている。1960年代はインフレ率が高騰し、FRBは利上げをせざるを得なくなり、成長を押し下げた。しかし、今日のインフレ率は歴史的にも非常に低い。FRBが重視するPCEインフレ率は第2四半期で年率0・3%に過ぎない。
 このところ株価も高値をつけているが、1990年代のような熱気は欠いている。
 それゆえに経済の先行き見通しはまだら模様だ。WSJエコノミスト調査によると、リセッションの確率は15%に過ぎない。1年前は22%だった。そうしたことを背景に、株価や企業の利益はより高く、市場の変動度合いは低い。エクソンモービルシェブロンキャタピラーなどの業績は堅調である。
 https://www.wsj.com/articles/u-s-gdp-advanced-2-6-in-second-quarter-1501245395