こちら葛飾区水元公園前通信857

tenshinokuma2017-05-28

 こんにちは。
 今日は仕事で仙台に来ています。
 日帰りなので、友人Wと会う時間はないのですが。というか、仙台で朝10時からのミーティングってどうよ、とか。
 まあ、いいんですけど。

 ハーラン・エリスンの「ヒトラーの描いた薔薇」(早川文庫)を読みました。Men‘s Clubなどの雑誌に邦訳が掲載された作品などが中心。なので、ちょっとした短編といった作品がならぶのですが、巧妙に、精緻につくられているせいか、なかなか作品の中に入っていきにくいという感じもあるのですが。
 エリスンのシニカルな感触っていうのが、その裏側ではけっこう人間的な思いが広がっているんじゃないか、ということを感じました。思いっていうより、怒りでしょうか。タイトル作は、ヒトラーは地獄で薔薇の絵を描いているだけで、話は別の方向。でも、その作業と不幸なヒロインとの、うーん、対比でもないなあ、あり方のずれっていうのかな。結局は、そういう形でしか生きられない、という想いなのかなあ。
 黒人を主人公にした、公民権運動を背景にした初期作品とか、そんなエリスンのあり方がストレートにあらわれていると思います。
 地獄だの神だの、SFというよりはファンタジーというほうがふさわしいのかもしれないけれども、エリスンの中では、それがコンピュータの中にあろうがどうだろうが、あまり関係ない、のかな。
 「死の鳥」をメインディッシュとして読んだあとに、軽めの本書をデザートに、といった位置づけになるのかも。

 共謀罪衆議院を通過しました。参議院での審議がこれからはじまるわけですが。
 やはり、思うことはいろいろあります。
 日本はなんてまぬけな社会なんだろう、ということは思います。
 共謀罪がどんなにまぬけな内容なのか、そのことについての議論がすすまないまま、採決されているのですが、それを強硬に議論はつくしたと、平然と話す国会議員。しかも、多数の与党議員がそれに与しているわけですから。国会議員の過半数は、民主主義そのものを否定しているんじゃないか、と思ってしまうわけです。
 おまけに、共謀罪は国連の条約の批准に不可欠ということなのですが、その国連の人権委員会の委員から公開書簡が来るというおまぬけさ。
 けれども、このことと平行して、森友学園加計学園の問題があって、こちらも何だかなあ、と。不正疑惑がある一方で、園児に教育勅語を暗唱させ、安倍首相ばんざい、などと運動会の宣誓で話すという異常さ。こんなことがまかりとおるというより、忘れられていく。なんだかなあ、ですね。