Hatena::ブログ(Diary)

東京のはじっこで愛を叫ぶ

2018-06-29

西野ジャパンの何が悪かったのか 問題をちゃんと把握して考える

| 21:47

日本代表グループリーグを突破して、決勝トーナメントに進みました。ちょっとホッとしましたね。

ただ、後半30分過ぎくらいからの消極試合が、非常につまらない展開だったと言うのは、間違いない感想じゃないでしょうか?

ポーランド戦での日本代表の振る舞いについて、二つの論点ゴッチャになっているように見受けられるので、整理して考えてみたいと思います。

 

■戦術「時間稼ぎ」の是非とは問題を分けよう

今でも話題に残る「ドーハの悲劇」では、「日本代表がしっかり時間を使わなかったことが原因の一つ」と言われているくらい、かつての日本代表は時間稼ぎが下手でした。ジーコ風に言うと、「マリーシア(ズルさ)が足りない」。

しかし、実は「時間稼ぎ」戦術にも技術が必要でして、「ドーハの悲劇」時代の日本代表には、そもそもその技術が足りませんでした。必要だったのは、「ちゃんとボールをキープし続ける技術」。この技術がないと「時間稼ぎ」すらできないのです。そういう意味で、今の日本代表は「ちゃんと時間稼ぎをしよう」と思ったら、「時間稼ぎが出来る技術を持っている」と言えます。あの頃に比べると、本当に日本代表は上手くなりました。

というわけで、「時間稼ぎ」も立派な戦術、と言うか「技術の一つ」であります。なのでこの是非を議論するのは、あまり意味がありません。キーパーにはキャッチとパンチングの技術が必要ですが、「どっちの技術が必要か」という議論にあまり意味が無いのと一緒です。問題にするならば、「その場面でなぜパンチングしに行ったのか?」という「判断の妥当性」でしょう。

 

■問題なのは「セネガル無得点」に賭けた判断の是非

後半30分過ぎ。コロンビアが先制します。ここで西野ジャパンは、「セネガル無得点」にオールインして他の選択肢を全て捨てました。問題はこの判断なんです。この時点で「セネガルが無得点で終わる」と考えることに、全く根拠がありません。「なったらいいなぁ」という願望でしかないのです。

 

では、「ポーランドから同点ゴールを奪える」と考えることには、根拠は無いのでしょうか?

根拠はあります。このロシア大会は本当に暑いようで、ポーランドはこれまでの2戦で後半25分過ぎくらいからガス欠になるのです。ちなみにイングランドドイツも、今度当たるベルギーも、みんな似たような時間でパフォーマンスがガタ落ちします。西野ジャパンがきちんとボールを走らせるパスを出して揺さぶれば、後半は相当のチャンスを掴んだはずです。

また、ポーランドは後半がっつり引いて、はっきりとカウンター狙いになりました。日本が攻めてカウンター一発で点を取られることは、最大限警戒すべき展開です。でも、おそらくトップに残ってゴールを狙うエースのレバンドフスキは、はっきり不調でした。日本戦で撃ったシュートなんて、たったの2本ですよ。ちゃんとDFがケアすれば、あのパフォーマンスでは早々点を取られることはありません。

つまり、「セネガル無得点」に賭けることと、「ポーランドから同点を狙う」ことに賭けることを比べれば、前者のリスクが遥かに大きかったと思うのです。

むしろ日本が6人もフレッシュな顔ぶれを入れた割りに、前半からパススピードも含めた全体のスピード感がなかったことを、もっと問題にしたいですね。

 

西野ジャパンが、ポーランド戦後半のリスク把握を全くできていなかったことに失望を感じます。まぁ初めての展開でしたし、これから先の未来の判断では、正しい選択を選んで欲しいですね。ベルギー戦での爆発を期待しましょう。

2018-06-28

ホンダジェットの大戦略 本気でシビックの衝撃を狙うらしい

| 23:34

ついにホンダジェットの日本販売が発表されました。

「日本で販売開始 19年前半、新型小型機」毎日新聞2018年6月6日

https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00e/020/267000c

発表された新型ホンダジェットは、なんと航続距離2,661kmに到達。同クラスのビジネスジェット機がだいたい2000km前後の航続距離ですから、ダントツの数字であります。

この新型発表と、日本販売開始とに合わせて、社長の藤野道格氏がこれからの展望に言及しました。

 

ホンダジェット次世代機はどうなる? ビジネスジェット需要トップ10は半分カバー 」2018年6月10日

今後の機体開発は、どのように考えているのだろうか。HACIの藤野道格社長は、「ホンダジェットビジネスジェットの需要が多いルートのトップ10のうち、半分をカバーしている。次を考えるのであれば、残り50%にどう対応するかだ」と語り、航続距離をさらに伸ばす可能性を示唆した。

http://www.aviationwire.jp/archives/149187

これは凄い。シビックインパクト再びですよ。

ビジネスジェットと言えば、その需要が基本的にセレブに寄っているため、より大きく、より豪華に、より遠くへというのがこれまでの市場のトレンドでした。私もてっきり、ホンダジェットがそういう方向へ進むと思っていましたが、どうやら違っていたようです。

この市場の大転換を迫るやり方は、確かにかつてのシビックを彷彿とさせるものがあります。

 

■全米自動車業界を変えたシビックインパクト

アメリカ自動車市場におけるシビックインパクトと言えば、私と同年代か少し上の世代の伝説です。

自動車の普及とともに発生した公害戦争。日本でも大問題になりましたが、当然のことながらアメリカでも大問題になり、いわゆる「マスキー法」が提案されます。

「従来の自動車排気ガスを、1/10にしなければ販売できない」という超強力な規制法案でした。当然のことながら「ビッグ3ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラー)」を始めとする自動車産業は大反発。法案は延期に次ぐ延期で、なかなか制定されません。

そこに登場したのが、画期的エンジンCVCCを引っ提げて殴りこんだホンダシビック」です。マスキー法の厳しい基準を、すべてクリア。世界で初めて合格証を貰うことに成功しました。

これがアメリカ自動車産業界にどれほどインパクトを与えたか。なにしろ全米の自動車メーカーは、挙って「こんな規制で自動車を製造することは不可能だ!」「アメリカの基幹産業である自動車を潰す気か!」って大ロビー活動を繰り広げていたわけです。

そこに「この規制でも自動車ができますよー」ってホンダシビック持ってやってきたわけですね。控えめに言わなくても、アメリカ自動車産業界は面目丸つぶれです。

この後、日米貿易摩擦などで自動車は真っ先にやり玉になり、日本車をバットでブン殴って壊すパフォーマンスが盛んに行われることになるのですが、絶対シビックインパクトの恨みが根底にあったからだと思います。

ホンダジェットがひたすら航続距離に着目することは、第二のシビックインパクトをもたらすかもしれません。

 

■「みんな最後はキャデラック」というビジネスジェット市場

ビジネスジェット機は、小さいものは乗員が少なく、航続距離も短く、安くなっています。そしてはどんどんデカく、豪華に、高価になっていきます。要するに、かつてのアメリカ自動車市場のような「最後には、みんなキャデラックを欲しがる」みたいな状況です。

しかしホンダジェットが、このまま客室4〜5人、もしくは6〜8人の一回り大きい「Light」というクラスで、ひたすら航続距離を伸ばしていく選択を取るならば、新たなインパクトをもたらすのは間違いありません。

なにしろこれまでの「very light」クラスの航続距離はだいたい2000km。次の 「light」クラスの航続距離は3200kmぐらいなのです。ホンダジェットが5000km、さらには10000kmの大台に乗せてくると大変なことになります。

そして価格帯も1機30億円や50億円という凄まじいものでしたが、ホンダジェットの場合、5000kmで10億円ちょっと。10000kmでも20億円いくかいかないかというレベルを目指しているのではないでしょうか。そうなれば半額どころか1/3、1/5というとんでもない価格破壊を実現することになるのですね。

ただし、小さいです。ホンダジェットは客室の高さが1.5m。日本人の成人男性でも、ほとんどの人が直立できません。海外なら尚更です。

でもいいのです。豪華でスピードが出るかもしれないけど、デカくて高価で燃費が悪いかつてのアメリカ自動車産業に、小さいけれど、安くて燃費が良くて壊れない車で切り込んだ、かつての日本車のような構図ができれば勝ちなのです。

ホンダジェットが航続距離にひたすら拘るのは、本気でビジネスジェット市場にシビックインパクトを起こそうとしているからだと思います。

 

ビジネスチャンスは、日本にも

小さくて、ひたすら航続距離が伸びたビジネスジェット機が登場した場合、日本にも新たな市場が開ける可能性があります。

いわゆる空のタクシーとしての需要です。航続距離5000kmを達成できれば、日本のどこにでも、ほとんど行けるようになります。閑古鳥が鳴いて、閉鎖危機にある地方空港は、ビジネスジェットの「道の駅」ならぬ「空の駅」として、生き残る選択が生まれることになるでしょう。

 

問題は、意識の問題と物理的な問題の2つです。

ANA双日が「ANAビジネスジェット設立ホンダジェット活用でビジネスジェットを身近なものに」

HACIの藤野氏は、日本でビジネスジェットが普及しない理由について、大きく2つの理由を挙げた。

1つは、「ビジネスジェットをどう使ったよいのか、使うことのメリット、贅沢品なのではないか、といった感情的な部分が大きい。

もう1つは、「首都圏に機能が集中しており、羽田成田のスロット(発着枠)の問題がある」という点で、「羽田空港では2017年ビジネスジェットのスロットが8回から16回に増え、(発着申請が競合した場合の)優先度も6位から4位に引き上げられた。地方空港ではホンダジェットはトータル84空港で利用できる。

https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1114084.html

意識的な問題は、今後「ビジネスジェットのタクシー化」を進めていく中で、長い期間かけて解決していくしかないでしょう。

でも物理的な問題は、それこそ物理的解決が必要と思われます。特に首都圏は、藤野社長が指摘している通り、羽田空港成田空港も超過密空港で、新たにビジネスジェットを受け入れるのが、非常に困難になっています。ようやっと発着優先度が4位なったそうですが、それでも4位だと待たされたり、最悪着陸を拒否されることもあるでしょう。それではビジネスジェット利便性を真っ向から否定することになります。

つまり、首都圏に関しては、ビジネスジェット専用飛行場の設置を、考えていく必要があるのではないでしょうか。

とはいえ、今から首都圏に新たな空港を作るのは、金銭的にも時間的にも難しいに決まっています。なので、既存の空港に活用して実現させる方法を提案します。

 

■候補は2か所しかない首都圏新規空港

既存の空港の活用とは、要するに茨城空港のように、自衛隊飛行場相乗りするということです。それでも首都圏の地図を見渡せば、たった二か所しか候補地はありませんが。

1 陸上自衛隊 木更津飛行場(滑走路1,830m 1本)

 陸上自衛隊のヘリ基地ですが、1800mの滑走路があります。2010年の談合事件で基地から駐屯地に格下げされました。現在オスプレイメンテナンス基地として、注目されています。

木更津空港のメリットは、まず東京湾に飛び出しているため、拡張も縮小もそれほど問題にならないことです。

そして、近くに東京湾アクアラインがあり、首都圏への交通の便がいいこと。さらに、市の担当者が発着回数を見てびっくりしているように、オスプレイの整備工場が設けられるまで、大きな反対運動がなかったことです。

「まさか こんなに米軍機/木更津陸上自衛隊飛行場 着陸1113回」朝日新聞2016/03/21

市も米軍機の使用実態を同省北関東防衛局で確認した。担当者は「米軍機が来ていることは知っていたが、こんなに離着陸を繰り返していたとは…。飛行場が海に面しているから気付かなかったのだろうか」と話している。

デメリットとしては、ヘリ基地であるため、挙動が航空機のものと違い過ぎて相乗りが難しいこと。米軍との共用であり、オスプレイの整備工場でもあるため、民間利用が難しいことです。

場所や環境はいいのですが、それ以外の面が難し過ぎるので、ちょっと現実的ではないかなと思います。

 

2 海上自衛隊 下総航空基地(滑走路2,250m 1本)

なぜか海上自衛隊の教育航空群が、こんな内陸に設置されています。教練が主用務という、自衛隊の中でも珍しい基地です。

この下総飛行場のメリットは、なんと言っても2250mもある滑走路です。まずどんなビジネスジェットも離着陸できますし、三菱重工が開発しているMRJも離陸できます。と言う事は、海外から直接乗り入れるようなニーズも受け入れ可能ということです。

またかなり敷地が広いので、民間用誘導路を設置して、自衛隊との区分けも可能です。地元住民との摩擦も特にありません。

デメリットは、周りに高規格道路が全くないほど交通の便が悪いことです。電車(北総線)はありますが、ビジネスジェットの利用者に「ここから先は電車で行け」と言うのも難しいというか、本末転倒でしょう。

ただ、状況は変わりつつあります。それが「北千葉道路」の事業化です。

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現在完成度は6割強といったところですが、成田空港から外環道に接続するこの道路が開通すれば、下総航空基地の重要性は激増することは間違いありません。なにしろ首都圏から40分程度で行ける飛行場になるのです。自衛隊の教練に使うだけでは勿体無い、という話が出てくるのも当然だと思います。

しかも成田空港と直に繋がっていますから、海外から成田空港にやってきて、今度は下総飛行場から国内用ビジネスジェットで日本各地へ飛んでいく、といった新たな空のルートを創出することが可能になります。個人的には、下総航空基地の民間共用を提案します。

 

■ひょっとしたら世界の航空法も変えるかもしれないホンダジェット

実はアメリカ航空法を筆頭に、飛行機の最大離陸重量で、パイロットの数が決まっています。今まではそれで困らなかったのですが、ホンダジェットのように小さいまま航続距離が伸びてしまうと、どうしても2人のパイロットが必要になります。だって、4時間、5時間飛べるジェット機が出しまうかもしれないわけですから。「自動運転しておけば、1人でも飛んだまま仮眠取って操縦して良いよ」なんて認められない限り、途中で休憩を入れる必要が出てきます。

自動車なら最悪、路肩に止めて一休みすればいいのですが、ジェット機はそうはいきません。重量ではなく、飛行距離パイロットの人数を変えるようにするか、時間制限を設けて基準以上の飛行には二人のパイロットが必要にするか。とにかく、世界の航空法が変わる可能性があるのです。

ちなみに日本の航空法も、「構造上、その操縦のために二人を要するもの」と、飛行機の構造でパイロットの数を定めており、やっぱり何らかの変更が必要になりそうです。

シビックインパクトならぬ、ホンダジェットインパクトが世界の航空法を変えるのか。これからのホンダジェットの未来に期待しています。

2018-06-18

ついに完成、小田急複々線化:でもなんかがっかり

| 20:41

3月17日にダイヤ改正されて本格的に複々線化されてから、早3か月。

小田急複々線化は、狛江にとってどういう結果をもたらしたのでしょうか?

 

■ラッシュ時を除き、準急が停車

一番の大きな変化は、各駅停車だけでなく、準急が止まるようになったことでしょう。準急は漏れなく千代田線直通ですから、千代田線を使ってどこかへ行きたい時は、非常に便利になりました。

新宿発の地下ホームも、準急が発車することになり、普通に各駅に乗ったつもりで「成城学園の次に喜多見に止まって、狛江だなぁ」とノンビリ考えていると、あっと言う間に狛江に到着して、乗り越すことになるので注意が必要です。

が、そんな変化を吹き飛ばすほど、使い勝手が悪くなったのがラッシュ時のダイヤ構成です。

 

そもそも新宿到着が遅くなった

朝のラッシュ時には、狛江駅は6分間隔で各駅停車が到着してました。それが今や10分間隔です。それでも以前より早く新宿に到着すれば問題ないのですが、定刻通りに走っても以前より2分遅く到着します。

これは、千代田線直通の各駅停車経堂駅で3分、その後の新宿行が成城学園前駅で4分の時間調整をするためです。その上、必ず代々木上原で詰まるのですから、さらに遅れることになります。3か月経って、まるでこの代々木上原前の詰まりが解消されません。どうなっているんでしょうね?

そして経堂成城学園での長時間の時間調整ですが、これはこのほど新設された「通勤準急」が、経堂以降に緩行線を突っ走って千代田線に入るためです。各駅が前を走っていたら抜けないから、それぞれの駅で、時間調整が必要になるんですね。

ダイヤ改正前は緩行線各駅停車専用。急行線は準急急行専用だったため、滞留無くそれぞれの線をバンバン走っていたのですが、この「通勤準急」の緩行線侵入のせいで、各駅停車がかつての複線時代のように、追い抜かれるのを待たなくてはならなくなったのです。2分先を走る千代田線直通に乗ったとしても、結局、代々木上原で乗れ替えられるのは、後からやってくる各駅停車新宿行ですから、これじゃあ早くなるわけありません。

 

■じゃあ通勤準急通勤急行を利用すれば

各駅に一方的にシワ寄せがいった分、急行が使い易くなったはずです。実際本数が増えて、その分車内に余裕が生まれる予定でした。しかし各駅停車の使い勝手が悪くなった結果、みんな急行を利用するようになり、以前と変わらず猛烈に混んでいます。しかも各駅と同じく、代々木上原で詰まるため、到着時間の速さもさほど感じられません。

朝ラッシュの複々線化効果に関しては、狛江にいる限り全く感じられないのが実情です。

これが朝もバンバン止まるようになった経堂とか、同じくバンバン止まる登戸以西は恩恵にあずかれるかもしれませんが。

 

■効果が感じられるのは帰りのラッシュ

朝ラッシュは全くダメダメな複々線化効果ですが、夕方ラッシュはちゃんと感じられるようです。緩行線準急が走ることもなく各駅停車が我が道を行き、急行はガシガシ駅を飛ばして走るため、恩恵を丸ごと受けております。

余計なことをしないで普通に複々線を使えば、みんなハッピーになれるんじゃないですかね。

経堂には上り側に1本通過線が設置されていて、これをフルに利用したかったのでしょうが、経堂に1本ある程度じゃさほど効果を発揮できないのでしょう。それこそ下北沢駅地下の緩行線外側に、通過線を一本作って準急はそっちを走らせるようにするぐらいじゃないと効果が出ないと思います。準急走らせるためのそんな大工事が、本当に必要かどうか微妙なところですが。

 

現状、まったくの企画倒れに終わってると思われる朝ラッシュのダイヤは、早晩改善されることを望みます。経堂通過線の積極活用は、朝ラッシュではなく平日昼間や休日ダイヤで活用すればいいのではないでしょうか?

小田急側の英断を期待します。

2018-01-24

安倍首相の平昌五輪出席は妥当か否か 晩餐の席に「従軍慰安婦」を呼ばれたらどうするの?

| 20:30

安倍首相が平昌五輪の開会式に出席することを決めたようです。

首相、平昌五輪開会式出席へ…日韓首脳会談調整」

訪韓中に文在寅ムンジェイン大統領会談する方向で調整している。慰安婦問題日韓合意を巡る韓国側の対応に国内では反発が強いが、北朝鮮の核・ミサイル問題を踏まえ、日韓両国の連携維持を重視した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180124-OYT1T50004.html?from=ytop_top

個人的には意外な決断のように思いますが、民意にそったものと言えそうです。

 

■朝日でも産経でも出席賛成が多数

日本政府がまだ立場を明確にしていない安倍首相の平昌五輪出席については前向きに判断すべきという雰囲気がある。朝日新聞の調査では「出席した方がよい」が53%と、反対意見(30%)より多かった。産経・FNNの調査でも出席することに「賛成」(49.5%)する意見が「反対」(43.1%)よりも多かった。

http://news.livedoor.com/article/detail/14197388/

朝日の調査はなんとなくわかりますが、産経の調査でもなんと安倍首相の出席賛成が多数だったのです。さらにアメリカからも強い要請があったとか。

 

安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席、リスクを取ったぎりぎりの決断 「慰安婦日韓合意を終わったことにさせない」」2018.1.24

五輪開会式の前には、やはり式に出席する米国のペンス副大統領来日が予定される。この際にも安倍首相会談や夕食会などを通じ、日韓合意の経緯や日本の立場をじっくり説明する考えだ。緊密な日米関係を背景に、ペンス氏と歩調を合わせ、文氏に合意履行を迫ることになろう。

 「実は、米ホワイトハウスからも、安倍首相に開会式に出てほしいという強い要請があった」

 政府高官はこう明かす。韓国に対し、行き過ぎた対北朝鮮融和政策に走らないようクギを刺したい米国が、パートナーとして安倍首相指名した形だ。

http://www.sankei.com/politics/news/180124/plt1801240005-n1.html

新聞の世論調査で参加賛成が多く、さらにアメリカからも圧力があるうえで、自民党公明党の重鎮から「民意背くのか」と突っ込まれれば、抵抗できない気もします。

個人的には、日本政府の出席者ゼロというのはいくらなんでもおかしいので、各国と同じく大臣級を送り出せばいい気がしていました。アメリカだってトランプ大統領が来ないわけですし。それどころかドーピング問題が明らかになったロシアプーチン大統領も、中国の習国家主席も来ない状況で、韓国と軋轢を抱えた日本の首相が本当に出席する必要があるのか。その辺りがどうもモヤモヤします。

報道によると、首脳会談も予定されており、「慰安婦合意」の履行について、直接文大統領に確認する予定だとか。アメリカの要請があったのなら、ぜひアメリカとの三者で、「慰安婦合意を守れ」と会見するくらいはして欲しいですね。そして問題は韓国の出方です。

 

■何が起こるかわからない首脳会談や晩餐会

正直、筆者は今でも五輪出席の判断に否定的です。韓国報道を見ていると、「日本は韓国の要望に無条件に従うべし」という認識がいつも見えます。文大統領が来いと言ったらさっさと来いみたいな反応がすごくあるのです。「日本の大人の対応」なんかに、感謝することはまずありません。それどころか、まったく逆の態度を取られる可能性の方が高いと思います。

晩餐会の料理に例の「独島エビ」が出てきて、「安倍に食べさせた!」と喜んだり、更には「慰安婦が飛び入り参加して、安倍に直接謝罪を受けるパフォーマンス」など、首脳会談も含めて何が起きるかわかりません。韓国側には今でも「慰安婦問題の法的責任を日本に認めさせたい」という野望が消えていませんし、徴用工問題もまたぞろ復活し始めています。「ひょっとしたら」ではなく、「まず間違いなく」何か仕掛けてくるでしょう。

もう2週間しか時間が残っていない状況で、そうした韓国側の仕掛けについて情報収集することは可能なのでしょうか?

この五輪参加は、相手のフィールドに踏み込むわけで、その困難さは明らかです。「準備不足でしてやられました」などということにならないよう、アメリカを上手く巻き込む外務省の手腕に期待しています。

2018-01-17

日本のゲーム市場は米と14倍、欧と10倍差? 「電ファミ」大誤報で執筆者が開き直って大炎上

| 01:09

日本のゲーム市場規模が、欧米のゲーム市場規模に比べて、著しく低くなっているという「事実」から、欧米のゲーム開発体制を学ぶべしという記事が出ました。

「米欧日の家庭用ゲームソフト市場は14:10:1の比──なぜ日本のゲームメーカーは世界で戦えなくなったのか【西田宗千佳:新連載】」2018年1月15日

http://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/180115

が、常日頃日米欧のゲーム市場を追っているゲームフリークから見れば、ここまでの差は無いと即座に気付くレベルの内容です。実際、この市場規模の数値は、欧米はスマホなどを含み、日本はコンシューマ市場のみという明らかな間違いが判明しました。

【記事およびデータ訂正のお詫び】

読者の皆さまへ

 平素は電ファミニコゲーマーのご愛顧、誠にありがとうございます。記事掲載の数値について、お詫びと訂正を申し上げます。

 2018年1月15日に掲載いたしました時点での記事【米欧日の家庭用ゲームソフト市場は14:10:1の比──なぜ日本のゲームメーカーは世界で戦えなくなったのか】におきまして、タイトルにも使用しております米欧日の家庭用ゲームソフト市場の数値に誤りがありました。正しくは16:15:6になります。

数字や図表は、即座に修正されたのですが、この記事自体が「日本市場は、かつての勢いを無くし、欧米にボロ負けしている」というデータを元に組み立てられた記事ですので、全く説得力を失ってしまいました。これだけでも炎上する要素満載なのですが、その前後に渡る執筆者の発言と、開き直った言葉が更なる炎上を呼んでいます。

 

どや顔ツイッター宣言が燃料に

まず記事公開前後のツイッターの内容が、凄い上から目線でした。

Munechika Nishida‏

@mnishi41

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その他

昨日公開の電ファミの記事について。まじめに、議論が新しいとか古いとか、どうでもいい、と思っています。読者側の認識をとりあえず整理しないと、という編集部側との話し合いの末にできたのがあの序論。あのグラフを示した段階で役割の8割は終わってて、その先は補足に過ぎません。

20:06 - 2018年1月15日

岩崎啓眞@スマホゲーム屋@snapwith

返信先: @mnishi41さん

ウッギャー、マジでこんな記事書きますか!wwwww

Munechika Nishida@mnishi41

だって、ほかの人が書かないのだもの。まあ、いろいろ見方はあると思いますが、そろそろ「日本はゲーム大国で」みたいなお花畑から出てもらいたいですし。

岩崎啓眞@スマホゲーム屋@snapwith

カケラもゲーム大国とは言えないですね。僕は最近は「日本式ではスマホは海外で勝負できないから止めれ、金があるうちにグローバルで生きられるようにしろ!」と言いまくっていますがw

Munechika Nishida@mnishi41

いやいや、まったくおっしゃる通りで……

グラフだけで8割終わってるとは凄い話です。なによりその肝心のグラフが間違っていたということは、記事の意味がほとんどなくなっているということではないでしょうか。そしてこの間違ったグラフによる記事を見て「ウッギャー」と叫んでるのが、同じく「電ファミ」ライターの岩崎氏であります。一応業界の人間のはずなのに、この酷いミスを見てすぐ気付かなかったが不思議な話ですね。

また、岩崎氏が「こんな記事書きますか」と言い、西田氏が「だって、ほかの人が書かないんだもの」と書いてますが、この認識は大いに間違っています。後ほど指摘しますね。

 

■本当のグラフから見える真実とは

さて、誤報が伝わった段階の西田氏の反応が、以下のようなものでした。

Munechika Nishida@mnishi41

若干反省する事案が発生。任せたとはいえ、やはりきちんと精査すべきであったか。

Munechika Nishida@mnishi41

データの方向性がまったく違っていたのであれば訂正しますが、そうではなく、比率の数字グラフが正しくなかった、ということです。

方向性は合ってるから訂正しないというのですね。その判断は正しいのかどうか。修正したグラフを参照してみましょう。

f:id:tenten99:20180117230914p:image:w650:left

まず、目に付くのは、日本市場地盤沈下……ではありません。2008年をピークとした欧米市場の激減です。アメリカ市場なんか、ピーク時の約6割減という途方も無い下落です。プラットフォームとの比較を見ればわかるとおり、ピークの2008年は、WiiDSの大ヒット。そして市場の衰退はWiiU3DSの不振と合っています。Wiiの時にはPS3も発売されてますから、「ハイエンドゲーム機の影響もなくはなかったと言える」と思いきや、PS4の発売で欧米の市場は維持すら出来ず、下落しているのです。

つまり当該記事における結論は、以下のようなものではありません。

技術力の有無よりも、技術に対する取り組み方の違いが、数年間の間に大きな差となり、さらに海外と日本の間での嗜好の違いが積み重なって、「日本のゲームが海外では通用しづらい」、「海外で大規模に売れるゲームにならない」状況を生み出したのでは……という結論に至る。

本当の結論は、そんなお花畑な内容ではありません。

コンシューマゲーム市場とは、任天堂のヒットにより支えられ、任天堂の不振による衰退している」という衝撃的事実であり、「欧米AAAソフトが小さいパイを、ネームバリューで食い合いことで、つまるところハイエンドゲーム機と欧米のAAAタイトルは、淘汰の最中にある」という全く逆の結論なのです。

 

■そんな話は10年前に聞いた

西部氏は「だって、ほかの人が書かないんだもの」と言っていた、欧米ゲーム開発現場の話ですが、とっくの昔に話題になっています。表を見ればわかるとおり、2008年にはアメリカのゲーム市場規模は、日本の5倍を超えました。その状況を見て、「欧米ゲームこそゲーム開発の未来」と持ち上げる報道が連発したのです。ちなみにその先鋒を務めたのが、新清士氏ですね。

Xbox360Gears of War」が見せた先進の開発力 デジタル家電&エンタメ-新清士のゲームスクランブル」2007/01/20

http://it.nikkei.co.jp/digital/column/gamescramble.aspx?n=MMITew000019012007

残念ながらリンクは切れてしまっていますが、上記の記事は、まさに「モジュール化開発」と「日本風の少人数開発」の組み合わせて、最先端ミドルウェアを駆使し、「ゲームシステムを洗練させることに全力を注ぐ」という、「アメリカ開発陣凄し」記事の典型であります。

また当ブログでも取り上げた以下のような記事がありました。

「日本も外注先に?ゲーム開発費高騰で進む国際分業・GDC08報告(2)」2008/03/09

アメリカのゲーム開発者の全職種の平均給与は7万3316ドル(750万円)と非常に高い額になっている。職種別でもっとも高いのがプログラマーで8万886ドル(約830万円)。グラフィックを担当するアーティストで6万5107ドル(約670万円)、日本の企画職にあたるゲームデザイナーで6万1538ドル(約630万円)となっている。年収が1000万円を超えるプログラマーはざらにいると言われている。特にエース級のプログラマーであれば数千万円という、日本ではにわかに信じられないような高額の給料を得ている人もいるという。

これも新清士氏の記事です。「莫大な金額を投入し、世界規模で開発を行う欧米ゲームメーカー。これからの日本は、アメリカの外注先になっちゃうよ!」という大変刺激的な記事でした。

しかし、その1年後、事態は急変。アメリカ至上主義の論調は消え去るのです。

「破綻するビジネスモデル〜欧米ゲーム市場の危機」2009年02月18日

ところが年が変わって状況が一変します。

海外ゲームメーカーの巨頭、EAとアクティビジョンブリザードが共に赤字に転落したのです。

ソフトのデキが悪くて、売れなかったのなら問題は簡単です。

でもそうではありません。上記ゲームメーカーは、それぞれ看板となるソフトを発売し、しっかり100万本を軽く越える売り上げを記録しているのです。

売れているのに儲けが出ない。それも倒産寸前になるほど赤字が出てしまう。これは明らかに歪んだ状況です。

http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20090218/1234973462

10年前に破綻した論理を、今更どや顔で持ち出してどうするのでしょう? 

今回修正されたグラフをよく見てください。欧米ゲーム市場は衰退しているのです。2008年からずーっと。PS4が発売されても、市場の拡大どころか維持すらできていないのです。

自らの市場を成長させられない欧米の「プロジェクトマネジメント」は本当に正しいのですか? 

結果として市場が衰退しているのに、欧米の技術に対する取り組み方が、本当にゲームの未来を切り開くのですか? 

激減する市場の中で黒字化するために、欧米ゲームメーカーは、縮小再生産でなんとか凌いでいるのでないですか? 

 

岩崎氏だって「ウッギャー」と叫んでる場合ではありません。10年前の欧米市場の危機を知らなかったのでしょうか? 

スマホが出ても大きく変動しないで維持し続ける日本の市場は、ゲーム大国と言えませんか?

スマホも含めた世界のゲーム規模は、日米欧で1:2:1.5だと今回判明しましたが、欧米の国民数に対する日本の国民数を比較して、ゲーム大国だとは言えないのでしょうか?

 

今、ニンテンドースイッチWiiの再来のようにヒットしています。もしこれで世界のゲーム市場が上向くことになったら、「任天堂の興亡が、世界の市場を左右する」という衝撃的な事実の証拠が増えることになります。それは正しいことではないわけで、ではどうすればいいのかということを、世界のゲーム会社が取組むべき課題になるでしょうね。



 

no nameno name 2018/06/19 15:41 今更ながら記事を拝見致しましたが、全く仰る通りだと思います。
的外れの理屈を捏ねて無闇に日本の市場や技術に関する危機感を煽る記事が後を絶ちませんね。データの正確性など、簡単には鵜呑みにせず、各々がしっかりと考えることが大切ですね。


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