2008年携帯ゲームソフト爆死復活ランキング

相変わらず凄い数の復活率を誇る携帯ゲームソフト。しかし去年と比べると、その勢いの落ち方は据置ゲームより顕著です。

○全体傾向
10万本ラインが11本→9本。5万本ラインが34本→20本。10万本ラインが微減だった割りに、5万本ラインが激減していると言うことは、これまでそれなりに売れてきた、第3勢力、第4勢力のソフトが売れなくなってきていると言えそうです。売れるソフトとそうでないソフトの差が広がっているのでしょう。

復活本数上位70位の割合 ()の数字は2007年
DS  55本 (60本)
PSP  15本 (10本)

PSPが5本増えました。モンハンブームの影響としてはちょっと物足りない数字ですが、DSの牙城が強すぎるので仕方がありません。
個別に見ていきます。
PSP
予想通り「モンハン2G」の廉価版がトップです。しかしこのリストに載っているということは、初週5万本以下。そして復活本数も20万本届かずというのは、一昨年から続く旋風ぶりからするとかなり意外な結果です。もちろん「モンハン2」が爆発的な普及を記録したのは2007年の話ですし、リニューアルバージョンである通常版の「モンハン2ndG」はきっちりミリオンを記録しています。
でもこの廉価版の販売本数によって、モンハン2の普及限界の天井が見えたと言ってしまうのは言いすぎでしょうか?
他にはコーエーの「無双オロチ」が2連発。かなり美味しい結果です。固有ユーザーのついている「ヴァルハラナイツ2」が爆死復活して、前作越えの12万本で18位。そして「無限回廊」が累計7万本を超えるヒットを出して32位につけました。
○DS
このリストから知育系のソフトがほとんど姿を見せなくなりました。じゃあ売れてないかと言うとそうでもなく、不明朗な運営で今世間を騒がせている日本漢字能力検定協会の「漢検DS」の最新作が、25万本を売ってたりするのですが、2007年発売ソフトなのでランキング外となっています。
ランキング1位は任天堂の「ぼくらはカセキホリダー」。どう見ても、ポケモンの亜流です。初週4万本にも届かない爆死です。でもその後20万本の復活本数を出してしまうところが任天堂マジックですね。
裏のマジックが「カセキホリダー」なら、表のマジックには「わがままファッション ガールズモード」がありまして、完全新作&タイアップ無しながらダラダラと未だに売れ続けています。初週7万本から始まって、2008年にハーフミリオンを突破。2009年4月の段階で既に30万本売って、累計80万本を超えました。このままミリオン到達は間違いない所です。
2位はレベルファイブの「イナズマイレブン」。アニメが放送された後からグングン伸びて、25万本のヒット。しかしレベルファイブの本音では、あと10万本は売れて欲しかったのではないでしょうか?
3位は「とったど〜! よゐこ無人島生活」。こういう企画ものソフトが、初週爆死したのにも関わらず累計20万本オーバーのヒットをしてしまう所が、DSというハードの凄さと言えるでしょう。
他には10位にやはり爆死した「伝説のスタフィー」が累計12万本。完全新作ながら口コミで売れたホラーゲームの良作「ナナシノゲエム」が、累計6万本を超えて、64位にランクインしています。後は物凄い数のキャラクターゲーム。バンナムタカラトミーがそれぞれ7本ずつ。この2社だけで14本のキャラものソフトを発売し、爆死しながら結果的に数字を出しました。
○総括
DS市場が一時の勢いを無くしているのは間違いないでしょう。しかしそもそも企画ものソフトがドカドカ売れてしまうバブル市場は、そうは続かないものです。「わがままファッション ガールズモード」のようにきっちり作り、ニーズを的確に捉えたソフトは、完全新規のソフトでもしっかりユーザーを掴んでいます。サードパーティーには潜在するニーズを的確に掴んだソフト作りをして欲しいものですね。結局はその方が市場を長持ちして、自分たちのためになるわけですから。
PSPの市場は若干復活したかに見えますが、ここからDS市場を逆転できるわけも無く、早い段階に新機種投入が望まれるところです。高機能化によって、Iphoneとぶつかると言われていますが、今こそ「PSPはゲーム機」の看板を押し出す時ではないでしょうか。専用ゲーム機の操作性をIphoneに望めるべくも無く、操作性で勝負をすれば勝利は揺るがないと思うのですが。なにしろその点はDSという好例が存在しますしね。今後4年間の市場動向を睨んで、2009年は携帯ゲーム機市場がとても熱くなることでしょう。