遂に来た「コンプガチャ」規制。5月8日のグリー決算発表はどうなる?

読売新聞一面トップを飾ったこの記事。ネットを中心に旋風を巻き起こしております。

消費者庁ソーシャルゲーム『グリー』や『モバゲー』のコンプガチャ景品表示法で禁止と判断! 中止要請へ」
5月5日付の読売新聞には“携帯ゲーム新商法「違法」消費者庁、中止要請へ”という見出しの記事が掲載され、それによれば「高額課金問題をめぐり、消費者庁は、特定のカードをそろえると希少アイテムが当たる「コンプリート(コンプ)ガチャ」と呼ばれる商法について景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断、近く見解を公表する」と書かれている。
http://getnews.jp/archives/204672

 一番の注目点は、既存の「景品表示法」の枠内で、要請がなされ、これが受け入れられない場合は、措置命令が出されるということですね。これまで規制の枠が掛かってこなかったのは、「カードに所有権は無く、使用権のみ」というお題目があったからで、今回のこの報道で、この見解が否定されたことになります。
 トピックではありますが、これはある意味で当然のことです。もしこれが規制できないなら、今後様々なインターネットのサービスに対し、何のアクションも取れなくなる可能性がありました。消費者庁は自らの首に、自分で縄を付けるところだったわけです。
 ただし、要請が入るのは「コンプガチャ」のみで、「ガチャシステム」自体には入りません。この辺の規制は、また別の法律ということになるでしょう。
 
■亜流へ走るガチャシステム
ソーシャルゲームには、「コンプガチャ」の他にも様々な形の「ガチャシステム」があります。上の記事の画像もそのひとつ。
「レベルアップガチャ」と名称がついていますけども、要するにガチャをすればするほど、レアカード出現確率が高い「ガチャシステム」に切り替わっていくシステムですね。途中でやめようとすると、「次まわせば、この確率アップだよ! ここまで来たら挑戦しよう!」と煽りが入るのも仕様です。パチンコでも「確定リーチ」システムがありますが、「もうちょっと続ければ、出るかも!」って、煽りまでは入りません。
しかもですね。ちょっと画像が見難くくて恐縮なんですが、上の方に白文字で、「レベルがリセットされることもあります」と注意書きがあるんですね。まぁパチンコも「確定リーチ」とか言っておきながら、全然確定じゃありませんが、連ちゃん回数などは台毎に表示されて、次のアタリが予測できるようになっています。ソーシャルゲームはそういう確率を予測できるものすら、全くありません。ホント、みんなよく遊んでますよね。
で、リセットされると「10回ガチャ出来るオマケ」が出ます。一応オマケなので、ガチャをしますよね。するとまたもや「次ガチャをすれば、確率アップ!」って始まるわけです。
厭らしいシステムですよ、本当に。
こういった「確定リーチ」っぽいところとか見ても、ソーシャルゲームのシステムは、急速にパチンコ化しています。警察が、「出番か!?」と立ち上がってしまうのも、当然と言えるでしょう。実際、こんなシステムを年齢制限無く遊べてしまう状況なんですから、パチンコ業界の人が「汚ねえよ」と、文句を言いたくなるのも、わかる気がします。
既にオンライン賭博を規制した韓国でも、ガチャシステム自体を無料にする代わりに、獲得した宝箱を開ける鍵を販売することで、規制を突破するサービスが出るなど、イタチゴッコの様相を呈しています。グリーやDeNA社が、どこまで法の網をかいくぐる飽くなき戦いを目指すのかわかりませんが、当局は本腰を入れておく準備をしておいた方がいいでしょう。
 
■5月8日のグリー決算発表に注目
 そんな中、グリーの決算発表が行われます。

IRカレンダー
5月8日 平成24年6月期 第3四半期決算発表(15時発表予定)
http://www.gree.co.jp/ir/calendar.html

コンプガチャが、現在のグリーの高収益を支えていた事実を考えますと、今回のこの報道は、業績へのインパクトがかなり大きいのではないでしょうか?
正式な消費者庁からの要請があるまで、コンプガチャを最大限続けると思いますが、なんらかの業績予測の変更は迫られると思います。でも、どう考えても時間がありません。たった3日間で、グリーがどのように立て直すのか、注目しましょう。