第21回民俗芸能のつどい─仙台ゆかりの鹿踊・剣舞

毎年楽しみにしている「つどい」へ。今年のテーマは「祖霊への祈り」。裏方の立役者で昨年、若くして亡くなったN氏の供養も兼ねてとかってに思う。今年は顔の千葉雄市先生が登場しなかったのは寂しい限り。佐藤雅子先生が明るく解説。

川前(青葉区)の鹿踊

こどもたちが可愛い

「案山子舞」 最後に七夕飾りのようなもの(カキダレ?)をつかむ。どのような意味をもつのか?

幕がいったん閉まって、現われた異様な美
鬼? 紫の覆いは坊様らしいが、女性のようにも見える。幼子が鉦をたたく

民俗芸能の実践家のmermarbleさんによると「でんでれでんでん でれつくでんでん」・・・と歌っているとのこと。お経がこういうふうに聞こえることによるらしい。(「ハミハミオドル」)
川前剣舞
・川前鹿踊・川前剣舞(「仙台市の指定・登録文化財」HPより)
 http://www.city.sendai.jp/kyouiku/bunkazai/database/k0000000060.html
・(宮城ツーリストオンラインより)
 http://www.kankou-miyagi.net/cgi-bin/s_detail.cgi?ID=2230004&country=jpn&ef=lst
 (赤いマークをダブルクリックすると大画面になります)

福岡(泉区)鹿踊

慶安二(1649)年の「釈迦舞流剣拝祓伝巻」が残されており、「渇夏」という稲虫を鹿が退治した話や悪魔外道を祓う剣舞と念仏をもって病難不浄を取り除く貧僧のことが記されているという。

生きてるような鹿(しし) 美しい衣装が舞う

軽やかな「和尚の舞」
・福岡の鹿踊剣舞の現地でのようす(県文化財保護課HPより)
 http://www.pref.miyagi.jp/bunkazai/siteibunkazai/miyagi-no-bunkazai/09minzoku/02minzoku/ken/25fukuoka.htm

一迫町(宮城県栗原市)の鹿踊(清水目八ッ鹿踊(しずのめやつしかおどり)保存会)

 意匠美と「しし」のエネルギー!

牡鹿が牝鹿を探してお客さんの席へ

睦まじい牡鹿と牝鹿 親子が演じているとのことで微笑ましい。

 牡鹿の背に「行参」の文字 牝鹿は「奥山....」
 ●mermarbleさんは「奥山に紅葉ふみわけなくしかの声きくときぞ秋は悲しき」という猿丸太夫の歌(『古今和歌集』『小倉百人一首』)か?ということで写真を拡大してみたらよさそう。流石 すごいです!
 ・猿丸太夫(「ウィキペディア」)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E4%B8%B8%E5%A4%A7%E5%A4%AB
「行参」や九曜の紋は伊達政宗より拝領したという伝承が興味深い。
 http://www.greencenter.co.jp/shishi.html(川口グリーンセンターHPより)

存在感
・「一迫町鹿踊」(県文化財保護課HPより)
 http://www.pref.miyagi.jp/bunkazai/siteibunkazai/miyagi-no-bunkazai/09minzoku/02minzoku/ken/10itihasama.htm

上谷刈(泉区古内)の剣舞 和尚の舞
・上谷刈鹿踊剣舞(県文化財保護課HPより)
 http://www.pref.miyagi.jp/bunkazai/siteibunkazai/miyagi-no-bunkazai/09minzoku/02minzoku/ken/29kamiyagari.htm

最後は躍動感溢れる「金津流梁川獅子躍」(岩手県奥州市江刺区)

仙台の松森が発祥地(八乙女屋敷の犬飼清蔵長明が伝承者)とは興味深い。
◎よくわかるmermarbleさんのブログ「ハミハミオドル」の解説
 http://marble.exblog.jp/i4
・「仙台の剣拝」(門屋光昭 『白い国』HPより)
 http://www.tohoku-epco.co.jp/shiro/06_10/10geino/index.html
・「金津流松山獅子躍」
http://www.matuyama.miyagi-fsci.or.jp/sisi/sisi1.htm
鹿踊(「岩手の文化情報大事典」より)
 http://www.bunka.pref.iwate.jp/dentou/kyodo/sisi.html
・庭元の話(国土交通省胆沢ダム」HPより)
 http://www.thr.mlit.go.jp/isawa/sasala/vol_11/vol11_4.htm
感想と御礼
今年も面白かった。欲をいえば、それぞれのどこが「祖霊への祈り」なのかの解説がほしかった。あと蛇足ですが衣装の説明などは会場中央でやらないと脇の方の人は見えないと何人かの方がおっしゃっていました。出演者と準備者の皆様に感謝。
※データは主に当日配布されたプログラムの中の「仙台の鹿踊剣舞」(千葉雄市)によります。
◎参考
・三隅治雄先生のお話「盆踊りの原点を探る」(「盆踊りのふるさと藤沢」HPより)
 http://www.bonodori.net/fujisawa/misumi.html
・菊池一成先生「民俗芸能考」(「石鳩岡神楽HP」より)
 http://www5.ocn.ne.jp/~hayatine/page/minzokugeinou.htm
・盛岡真人氏「鹿踊りと獅子舞」(盛岡タイムスweb newsより)
 http://www.morioka-times.com/news/0404/27/04042708.htm
諏訪神社系ルーツ説(盛岡真人氏)で鹿踊りの「ふるい形」が残るとされる長野県南宮神社
 http://inamai.com/news.php?c=shakai&i=200607171636280000011983

鬼と鹿と宮沢賢治 (集英社新書)

鬼と鹿と宮沢賢治 (集英社新書)

「(宮沢)賢治に深くかかわりがあると思われる江刺市では、行山流の久田鹿踊の伝授書が最も古く、1597(慶長二)年、旧野手崎村の吉郎兵衛が仙台城下八幡堂踊の大将・佐藤長兵衛から伝授されたとある」千葉雄市氏は慶長七年に八幡堂に鹿踊剣舞の組を一括して置き、龍宝寺の門前寺の一つ東光院に管理させたとする。年代に食い違いがあるが「八幡堂系」の創始には仙台藩が関わっていたのであろうか?
東北の民俗芸能には秘められた歴史が沢山ありそう。分からないことばかり、皆様教えてください。
見れなかった人のために─江刺の鹿踊(地域文化資産ポータル許可済)
 http://bunkashisan.ne.jp/search/ViewContent.php?from=14&ContentID=5