こんにちは、寺坂真貴子です このページをアンテナに追加 RSSフィード

この日記のはてなブックマーク数 弁理士の寺坂真貴子です。日々をつづります。
Here is a blog of Japanese chartered patent agent(=Patent attorney), Makiko Terasaka. Take it easy to contact me by leaving comment below or another site !
現在の姓名で検索をかけると300件程度と非常に少ないのですが、旧姓だとその10倍くらいでます。

2017-06-10 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

専門外のお遊びですが、近頃インターネット界隈でかなり気になっていることを法律で解決できないかとおもってなんとなく書いてみました。

注意:これは個人が遊びで考えた全く架空のものですから、誤解を生じるような利用、その他の悪用は固く禁じます

リンクによるシェア、発展させる議論のための部分引用(ただし引用の3原則に沿うもの)は大丈夫です。

ネットプライバシー法法案

目的:

・コンピューターネットワークの発達により私人と公人の区別なく、ユビキタスな意見や表現の発信や保存が可能となった世の中で、情報発信および情報利用の適切な住み分けを意図し、そのことで情報化社会の秩序とコミュニケーション品質を保ち、ひいては個人の感情の安寧を保護する。

定義:

・自然人は知りたいことを知る権利(略称:知る権利)と知らされたくないことを知らされないでいる権利(略称:不知権)を併有する。

・自然人は肖像権および人格権を有する。

・動産は物の肖像権を有する。創造されたキャラクター(架空人格)はキャラクターの肖像権およびキャラクターの人格権を有する。

・インターネットへの投稿者は「自分のコンテンツの存在を、特定の人に知らせない権利」(略称:投稿者のプライバシー権、または宛先指定権)を有する。

 

規制:

1.不知権の保護のため、インターネットサービスプロバイダは知りたくない情報はタグ(エロ、グロ、政治、宗教、企業広告(ステマ))づけしオプトアウト可能な仕組みを用意しなければならない。

1−1.15歳以下のユーザーには(エロ、グロ、政治、宗教)を最初から到達不能としなければならない。その他、サービス内容に応じて詳しく定めることができる。

1−2.選挙公報のオプトアウトは別途公職選挙法で定める。ブログやニュースのタイトルはオプトアウトではなくタグ付与により対応する。

1−3.コンテンツ投稿者、サービサー等が適切なタグ付与をして閲覧の意図を選択し閲覧者に周知しているにもかかわらず、対象外であると知りながら閲覧した者(たとえば成人コンテンツを閲覧した未成年者)への救済および罰則はいずれも「見た」ことそのものにとどめる。その上で「見て不快な思いをした」こと等を理由に、コンテンツを投稿者の意図外の目的で乱用することは、知りたくない権利(不知権)および知らせたくない権利(宛先権)の侵害となる。

  

2−1.ネット秩序の維持のため、同一の意見を10回以上重複して書き込んだ(内容が明白に虚偽であるもの、また停止予告の警告をした後のものについては10以下の規約により定める回数以上書き込んだ)者については、サービサーがアカウントを停止することができる。他の投稿者のプライバシー権を大きく侵害した者もアカウントを停止することができる。

2−2.アカウントの乱用をしたものおよび頻回アクセス要求(DDoS攻撃)をしたものが使用したIPアドレスはそのもっとも細かい区分において技術的に仮停止処分を執行することができる。このIPアドレスについては記録を十分残さねばならない。

3−1.他人のインターネットユーザーネームに関する住居、行動範囲などを必要もないのにネット公開した結果ストーカーを幇助したものはストーカー防止法の幇助罪にあたる。

3−2.他人の営業上のネット名に関する虚偽の事実を報道の必要もないのにネット公開した結果、他人の営業を妨害した者は、威力業務妨害の罪にあたる。また利益を害したものは損害賠償の責を負う。

3−3.インターネットサービス提供者の立場を利用して知り得た個人情報を社外に漏洩したものは個人情報保護法違反にあたる。インターネットサービス提供者の立場を利用して知った個人情報を利用して利益を得たものは業務上横領にあたる。

3−3.上記はいずれも死して○年以上たった個人、また営業停止して○○年以上たった店には適用されない。

 

4−1. 人、動物の肖像権ビジネスにおいてサービサーは肖像対象の人、動物の人格を侵害し、または生物学的幸福を妨げる行為を強要してはならない。(アイドル犬の声帯を切る、女性〜男性アイドルに恋愛禁止を申し付ける、連日の深夜に及ぶロケ、大食い、早食い、辛い食品の無理強いなど)

4−2.前記4−1以外の場合において肖像権利用ビジネスにおけるファン秩序は基本的にはサービサーが維持する責を負う。サービサーが存在していない場合はネットプラットフォーマーが肖像権者と適切に協議しなければならない。

4−2−1チケット等権利の高額転売が発生する場合は迅速に認証ユーザー相互の原価取引環境を用意し、それ以外の転売チケットを無効化するものとする。

4−2−2.物品などの高額転売が発生する場合は後日前受金で受注生産等を用意するものとする。

4−2−3.ユーザー数のかさあげを目的としたリセットマラソンや、アクセスごとに抽選結果がでるくじ等、2−2に誤解されかねない作業を多くのユーザーに課す仕組みを意図的につくってはならない。

 


以上です。私が知らないだけで、別の法律や運用基準で対応できているものもあるとおもいます(全く存在しないとしたらおかしいですよね)ので、間違いなどありましたらコメントやトラックバックなどでご指摘いただけましたら幸いです。判例法で運用すべきという案もあるかとおもいますが、現状では和解も多く追いついていないとおもいます。

参考文献というか、志向を深めるきっかけになった記事はこちらです。

立命館pixiv論文問題Q&A

見かけたなかではここがかなりブックマークやトラックバックをあつめていましたが、原報(プライバシーの問題があって公開停止されました)を生で読んだ人と読んでいない人がどのサイトでも混在して議論しているので、盲人象を触るような話に感じられます。私はつてがあって最初期の段階で閲覧できたのですが、冒頭から予断に満ちた文に感じられ、最後まで読みたくないものに感じたのは事実です。

2017-03-15 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

寺坂は、翻訳・翻案などにより得られるとされている「二次的著作物」と、

若い創作者が一般に使う「二次創作物」とは全く違う性質をもつものであり弁別するべきであるとおもっています。それはどこかの質問応答でよく説明をされているものをみたからです。

みつけたら後で貼っておきます。

追記、みつけました。

http://q.hatena.ne.jp/1446855238

2017-02-28 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

無許可マリオカートのマリカー、全方位に喧嘩を売っていくスタイルで絶賛営業中 : 市況かぶ全力2階建

キャラクターの肖像権という新しい法律上の概念が先に実行されているようです。

適切な法改正(または新法案)が国会にて議論されるべき時期ではないでしょうか。

記事中では急ぎ意匠権をとって対処したのだそうです。

人工知能は難病の「早期発見」をどう変えたのか|WIRED.jp

人工知能による頭脳活動補助はインフラになりつつあります。

2017-02-25 知的生産産業とAI著作権(AIジュークボックス) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

続AI著作権です。細かく追記しています。

  

クールジャパン計画によってコンテンツ産業がもりあがっており、第四次産業革命ともいわれています。AI著作権についても考えていこうという機運があります。

 

以前の記事で、次のようなことを述べました。

(要約)

著作目的にかぎらず人間に命令されて動作するAIプログラムツールであり、その成果における責任は、今まで同様、製造者使用者に場合に応じて帰属を決めるべきである。これは、「自動運転技術を導入するにあたって、自動運転技術が原因となって事故がおこったらだれが責任をとるか」というたった今別の分野でも考慮されている課題と同等で、どのような未来がくるか予測できないので今から一律に決めるべきではないが、一度パターン化し判例として抽出されれば応用が効くはずである。

現在自動車メーカーでは高齢化や機械化と安全の軋轢を見据えて慎重に調整がおこなわれているが、著作目的のAI利用でも、同様に何らかの軋轢が予想できるので、出来る限り法整備をするべきだ。著作権においては、AIが関わらなくても定義中の思想感情要件アレンジャー権利職務著作者の権利などが未整備であったり判例の混在で混乱しがちであるので、法整備するなり指針を示すべきだ。

 

この論ではさらに深めて、著作(=頭脳労働)AIの利用がグーグルamazon小売店POSなどによって得られるビッグデータと組み合わされ、新たな普遍的ジャンルにひろまったらどうなるかについて、将来ほぼ確実に起こり得るケースと現在の法律の組み合わせで思考実験として考えてみます。なおこの文章は個人的な考え方ですので法的正確性について責任は負えません。

 

仮定1 AIは非常に効率がよくなり、市販コンピューターを数台つなぎ合わせたものにビッグデータ学習させた学習済みモデルからなる人工知能αインストールして実行ボタンを押し、そのまま個人)が電気代を払って待つだけで、どれも名曲といえる高レベルの、新規楽曲が数万曲製造された。(楽曲群A

問1 このとき、個人aと人工知能αはどちらが楽曲群Aの著作権を所有するべきか。

答1 個人aが楽曲群Aの著作者となるべきである。(著作者a)

   aは「このボタンをおせばすばらしい曲が得られるはずだ。自分には高レベルの曲が必要だ」と思って創作実行ボタンをおしたのであるから、思想・感情・創作表現要件とする著作物性の楽曲群aへの付与を阻害するような法的要素は見当たらない。

   人工知能αそのものは別人bの知的財産特許)である場合、別人bは人工知能αの個人aへのライセンス契約内容によっては、著作者としてのaの権利をあらかじめ制限し、aが創作した場合も成果物著作権をbなどに優先的に付与しているケースも考えられる(たとえば、αにより創作された著作物の一次的権利はbに属すると規定しておくとか、Aはaとα提供者の共有著作とするとか、著作者表記に「with α」などを併記しなければならない、など。)。この場合は契約が優先すべきであるが、この場合は問題簡単にするためaとbが同一人物であるとする。

   もし思考・感情が要件でない場合はαが一次的な著作権者になれそうに思えるが、著作権法上の著作権の所有者は民法解釈上は自然人または法人とされているのでαが一次的著作権者となるのは無理であろう。しかし、人工知能αを資産として保有する別人bのつくった営利団体が法人格を取り、かつ個人aと契約を交わせば、「人工知能α」のライセンス団体が現行法上の楽曲群Aの著作権の(共有)所有者となる場合もありそうだ。

 

問2 著作権の発生時点はいつか

答2 著作人格権財産権とも、著作者aが「完成した」と思った時点(それは実行ボタンを押し人工知能αが作成された曲を奏で、全部聞き終えた瞬間であるかもしれないし、aがさらにアレンジを加え終えた瞬間かもしれない)。

  

仮定

楽曲群Aは著作者aによって、a自身の創作物として全曲、インターネット上で発表された。

問3 著作者aが楽曲群Aの発表にあたり「人工知能αを使用して制作した」という事実は敢えて隠しておき発表しないとする。著作権法上の違法性があるか。

答3 問1の回答に書いたとおりであって、著作権法上の違法性は直ちにはみあたらない。人工知能αには著作人格権は(特段の事情のないかぎり)所有できないと考えられる。αの操作の難易度や、個人aの音楽知識の有無なども、楽曲Aの著作物性そのものには関わりがない。したがって違法性は(この条件だけからは)みあたらない。別途、特許法上、またはbとの契約上の違法性の有無は検討すべきである。

なお、過去、別人が作曲していたことを隠して著作人格権を侵害したゴーストライター事件があったが、それと人工知能の場合とでは判断が異なる。現在の著作権法も、一般社会の倫理や道徳とは異なる部分がある(オリンピックエンブレム事件)。

 

仮定

楽曲群Aは公開され、しかも個人aが人工知能αを用いて制作したと発表された。ここでコモンライセンス曲Cの作曲家cがいた。Aのほんのわずかな一部であるが自分の曲Cと似た部分があり、しかも実際に「αの作成時に学習のため利用された楽曲100万曲」のなかに、曲Cが存在していたと知った作曲家cは、aから利益還元どころか挨拶さえも全く受けていないことを思うと複雑な気持ちになった。

 

問4 ビッグデータ収集・加工行為著作権法上の違法行為にあたるのではないか。

答4 収集加工行為そのものは違法行為にあたらない。このことは現在の著作権法に規定がある。

第四十七条の七  著作物は、電子計算機による情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の統計的な解析を行うことをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とする場合には、必要と認められる限度において、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行うことができる。ただし、情報解析を行う者の用に供するために作成されたデータベース著作物については、この限りでない。

よって収集加工行為そのものは(市販データベースを無断でハッキングするのでないかぎり)著作権法上の違法行為にあたらない。

 次にビッグデータとして採用された曲Cが著作権侵害されたかどうかについては、今までの判例をみても表現物(成果物)同士の比較がメインである。表現成果物から抽出される、画風・作風雰囲気表現工程といった抽象部分のコピー行為には「原作抽象部分に著作物性あり・依拠性あり・侵害有り」とまで認められたことがない。 加工された楽曲群Aが収集元と同一または類似した楽曲を含む「複製権侵害」でない限り、楽曲群Aの公表行為複製権侵害にもあたらない。

 しかし、たとえば一部、または一音でもはっきり「曲Cのみ」から採用されたものと具体的に判定できれば(たとえば音波形状などによる客観的デジタルデータ比較上も依拠性が認められるなら)侵害はみとめられ得る。(たとえばCに含まれるガラス破壊音はありふれた音ではなく、特徴があり、それがAのある曲にくりかえし使用されていた場合)。還元される利益は曲全体の中のC依拠部分の寄与率(演奏時間)によって算出される。

 結局、aはAの公表にあたって、あらかじめCその他の公表済みの楽曲(少なくとも公衆に知られているもの)に対して、著作権財産権人格権)侵害となりそうな楽曲は取り除いておく法的責任がある。(人工知能αがそのような先行楽曲をチェックする機能や候補表示から避ける機能を搭載するようになってもおかしくはない)

問5 人工知能αはどのように保護されるべきか。

答5 人工知能作成者の意図に沿うべきである。もしコモンライセンス公開する意図がないなら、譲渡にあたって通常のプログラム保護手段プロセス暗号化により逆アセンブリを防ぎ、またデータベースへのアクセスを監視するなどといった現在通常行わていれる適切なプログラム用セキュリティ手段を用いてノウハウとして秘匿することが必要である。もしデータプログラムなどの重要な部分の秘密が意図に反して漏れた場合は不正競争防止法条の営業秘密としての保護を求めるするか、特許アルゴリズムを利用した楽曲プロセス装置等の発明)として保護すべきである。

 

仮定

αの楽曲群Aは「安い・早い・上手い」音源データベースとして周知された。人間作曲者にフルオーダーするかわりにセミオーダー・イージーオーダーの感覚で頻繁に利用されるようになった。Aの中の曲を買うには、業者登録と前金の支払いが必要であり、今のところ無料で全曲を試聴することはできない。

アマチュア作曲家dは自分で苦労して作曲した新しい自作曲Dを発表したいが、Aは数が多いので、Aの中の1曲と偶然カブっている可能性がある。Aは数が多いので、お金時間を捻出して自分ですべて調べることができず、かといって未調査のまま発表してしまえば訴えられる可能性がある。

問6 dのような創作者をどのように保護するべきか。

答6 著作権には独占性はあっても排他性はないとされている。偶然、同時多発的に創作された作品は、類似ないし同一であっても別個に著作権を持つことができる。したがってアマチュア作曲家dがDの創作にあたり絶対にAのなかのどの曲も依拠していないことを証明すればDの著作権も認められる。(たとえば、没になった試作品や、αとは別の作曲ツール人工知能であってもよい)で状況を再現することは依拠性がない証明と認められやすいであろう。)しかし、DによくにたAの1曲がCMなどで日常的に耳にする状況であれば依拠性が認められるであろう。

 しかしもし依拠性がなく(ないと証明するのは悪魔の証明であり非常に難しいが、たとえばdのみならずあらゆる曲を日常耳にすることがない海外へ旅行にいっている間に創作したなどの事情があれば可能である)、dは問題なく著作権を保持することができても、すでに使用されている曲に似た曲を発表することは、「パクリではないか」との悪評を招くことになるので、Aの公表によるd等の従来型創作者の萎縮は避けられない。

 検索性についてはAを所有するaの協力の元でしか調査不可能であり、Dをaに公開せずに確認する手段がない。Aの中にDの類似曲がないかを調査する非公開かつ中立的調査機関が必要であるとかんがえられる。これはAがAI著作であることとは直接関係がなく、現行のJASRACに対しても現実に指摘されている問題である。


まとめ

現代人は生きているだけで知的活動を行い、データを発生する。何の気なしに無償公開されるブログつぶやきといった人の思想・感情を含む著作物も、個人特定情報と切り離して集積されることによってビッグデータとなり、適切にインデックスされることで天然資源となり、さらに複雑な加工を施され提供されることで人間の頭脳労働に欠くことのできないツールや、ひいてはインフラとなる。

もちろん自動車自動運転技術インフラ化の途上であろうし、他にも、農産物等の等級や異物混入(虫など)の判定に用いられる人工知能技術自己学習コンピュータプログラム)などもインフラ化しつつある。

そればかりでなく、一般的著作の補助(または主役)となるインフラとして人工知能が広まっている例も枚挙に暇がない。頭脳労働インフラ化した人工知能としてはたとえばグーグル検索の際にウィンドウの下に表示される検索語候補予測グーグルサジェスト)がある。グーグルサジェストでは検索語の冒頭数文字を入力すれば、最近ニュースとなっている固有名詞芸能人の名前を一発で正しく表示するため、その表示行為そのものがグーグル外部からの世情調査追跡対象となっていたり、欧州の「忘れられる権利」として削除対象にされたりしている。グーグルIME(入力補助、漢字変換を適切に行える)やグーグルスカラー論文アブストラクトインデックスされている)とともにすでに無料で使えて当然ものと認識され、インフラ化しているといえる。

インフラ一般論として、一たび、人間社会インフラとして認定されるような大きな産業革命があると、その発生と消費の特性にあわせて市場政府により厳密に管理され(たとえば塩・タバコにおける専売条例や、パソコンスマホにおけるOSがそうであったように)、独占禁止委員会市場独占調査洗礼をうけたあとは、「資源」のひとつぶひとつぶである個人お金での利益還元させるよりも、「採掘効率」を重視し、結果物の量や質の向上などによって社会に大きな利益還元するようになる傾向がある。

上記の例でも、楽曲群Aができたことによって、社会には当然大きな構造変化が生じ、目に見えない利益(「ユーザーエクスペリエンス」)が増大し、テレビ番組ドラマ等の創作における音楽インフラが整うと考えられる。たとえば楽曲群Aの公開により世界音楽シーンが50年進化したといわれるかもしれない。

一方でcやdといったアマチュア作曲家はのりこえられないベートーベンのような大作曲家がいきなり100人出現したのと同様で、仕事をしようとしても報われず、創作への意欲を失いかねないのも事実である。グーグルサジェストグーグルIME)も一般的辞典百科事典辞書現代用語の基礎知識、などの書籍作成者に影響を与えるであろう。他にもグランブルーの誕生チェスプレイヤーに、ボナンザアルファー碁が棋士に影響することはあるであろう。

しかしその流れはAI(とよばれるコンピュータ技術)が加速させただけで、いつか人類末裔がむかえるはずと予測されていた事象が、自分たちの生きているあいだに来たということでしかない。

となれば、AIであるからと特別に厳しく審査するのではなく、インフラになるものだから逆に手厚く保護するのでもなく、通常運転著作権でいちいち人間著作の侵害疑い事件と同様の判定をしてゆくことで、「AIだろうが人の頭脳だろうが著作としてのセンスクオリティだけが問題なのだ」と世間全体で納得してゆくしか無いと思う。

それは農産物の選別など、人類が古来より営々と行ってきた仕事の精度がまた一つ上がったに過ぎないのだから。

 

なお答5でも書いたが、個人的には、AIプログラムそのものの保護については通常の著作権(ただし職務発明思想感情項目の改正が必要)+特許権不正競争防止法妥当であろうと考えており、特許保護については弁理士の能力が最も発揮されるところである。

ジュークボックスのAI化や、自炊についてもこれに近い気がします。

2016-12-15 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

いまアメリカのソフトウェア特許に起きていること - It's Not About the IP

弁理士の日にブログつながりみたいなのがあったのですね、知りませんでした。ここが参加できるクオリティかは別ですが。

 

10月の委員会で福井健策弁護士の講演を聞いてすごくためになったです。

twitterも拝見して、そこからAIについての議論をみて少々コメント。

弁理士は理系法務ですが、全員がコンピューターに必ずしも強いわけではないです。

ただ、ビッグデータとかAIに対する感覚は大体さめたもので(以前ビジネスモデル特許が流行ったときと同様)、AIも所詮は人の使うツールである。SFがどうセンセーショナルなフィクションをつくろうとも、自律意志などはまだ100年は発生しない。多数の人間の行動をデータ加工して鏡として反映するだけである。今までの職務発明で扱えるということです。

フィールズ賞とった数学の公式がわからないから怖い、とか、レコード大賞が握手券で左右されるしくみが民に見えないから怖い、いうことはないのにAIだけは政府が「マザーコンピューターが人間に叛旗を翻すはず、ロボット三原則はどうした!」とよほど怖がっているのは不思議です。みんなSF世代という解釈はでき、それならそれでうれしいですが、なんだかなあ。つり目で背の高い女性キャラは有能だが裏切る、とか、ヤギは邪悪、というSFフィクションの「おやくそく」記号化はいくつもあり、知っていれば楽しめますが、現実とはしっかり弁別していただきたく。グーグルの碁AIについては、今のところサーバー費用(電気代、いわばエサ代)が何兆レベルでかかっているようです。超加速器トリスタンとかと同様のサイエンス上の問題解決手段の一つにすぎません。また、小規模でたとえればデジタル漫画家さんがつかっているグラボも碁AIとおなじように計算をかさねて美しいぼかしを実現していますが、それはデジタル漫画家さんだから人間に「美しい」と判定されるものをつくれるのですよ。それをみてアナログ(インクで絵を描く)漫画家さんが「グラフィックボードやCGソフトに対して」なにか恐怖を感じたりすることはあるでしょうか? むしろグラボが製造されるしくみもしらずに高い、難しい、あんなものちっとも便利でも美しくもないという声があったようですよ。でも、そのうちそれも解決されるわけです。問題はいつも技術よりもそれをつかう人間にあります。

 

以前のブログにも書きましたが、名大の先生は「(小説を書いたAIよりも、そのAIをつくった)僕達に著作権をほしいよ!」とおっしゃっていました。AIは宇宙なりアメリカからのインベーダーではなく、やはり人の地道な積み重ねの成果です。

 

という話をしたりするため来季も講義がんばります・・。

2016-09-29 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

エラー|NHK NEWS WEB

脱獄(この場合は、数年前にいわれたキャリアを選べるシムロックフリー化ではなく、自由に不正ソフトなどをダウンロードできる改造のことだそうです)したアイフォンを販売した罪で、「商標法」違反で逮捕。

 

本質は、不正競争防止法にいう、ゲーム機マジコンと同じところから、処罰感情が生まれているように思われるわけです。しかし罪名は「商標法」なんですね。買っている方はおそらく(改造)アイフォンと知って買っているのですが実施のうち販売をしたということでしょうか。非常にこみいってわかりにくいニュースです。

インタビューを取られているのはミクシィセキュリティ担当さん(国内でのアイフォン商標の所有者にあたるアップル日本法人の法務部ではなく)というところがまた。

未改造な中古アイフォンの売買(白ロム)は、通常合法とみなされているわけで、そちらが巻き添えにならないようにしてほしいです。

2016-09-23 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

フェアユース導入の障壁   2016/9/23 寺坂真貴子 

※極論の部分がありますので、たたんでおきます。

続きを読む

2016-08-16 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

SMAP解散が発表されましたね。

KAT-TUNとNEWSファンの一ジャニオタから見たSMAP解散報道 - 今日もありがとう

こちらでファンの混乱と、それを自分たちで立てなおそうとする活動がよくわかるとおもいます。(リンクが不愉快でしたらいってください)

 

私は法律の一端を担うものとして、過去のSMAPの作り上げてきたコンテンツ(実演家著作権、肖像権)の行く方が、法律的に気になっています。

なにも制約がないなら実演家著作権は芸能人本人が所有するはずですが、楽曲などは芸能事務所が管理しており、また契約で実演家著作権も事務所に売り渡しているものとおもいます。肖像権は今は事務所などのファンに対する強制でしか成立していません(法律上は確実にあるものとはいえないものです)。

今の世の中で、芸能人が事務所をやめるということは、たぶん、今後は歌いたい持ち歌も歌えなくなり自分の若い半生を捨て経験はあるが別人としてやりなおすということにほかならない、そういう法律になっていないか。

一方で、著作権交渉を含めたTPP交渉は、アメリカ大統領選により行く末が不明瞭になってきています。

もう一度、賢い人、よく知っている人が国会で知恵を出し合ってほしいとおもっています。

 

今の時代には全く参考にならない判例ですが

変な法律/変な裁判

昔はこのような時代もあったそうですが、時代の趨勢はずいぶん変わってきました。著作権法という法律は最近毎年継ぎ足し継ぎ足しで使っていますね。

 

最近ちょっとしたきっかけで伊丹万作氏や伊丹十三氏や岡田有希子氏の生涯を調べる機会があったのですが、人を感動させる努力をしてきた人が必ず最後まで幸せな人生を送れるわけでないというのは作品のファンにとっても辛いものだとおもいます。岡田有希子さんのときは悲しくて自分も後追いしようかとおもった、そういう話を昔の有能な同僚の口から聞いたこともありました。

そういう状態は昭和で終わりにしてほしいとおもいます。平成のコンテンツ産業はもっと健全であれるはずでは。

もう一人、人前に出る仕事を辞する意志をもたれた方をも念頭においてもいます。表現者、人の苦しみをひきうけて安らぎを返せる人、そういった人は稀有なものですし、ファンの願いはその稀有な一点に集結することでいろんな奇跡を実現してしまいます。

しかし「アイドル=偶像」の立場を(いきすぎがちなファンや「事務所」から)分離して、不自由な肉体と人権を持つ個人の自由をとりもどせる法律とか判例もあればよいのにとおもっています。

2016-08-09 人工知能拾遺 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

・2016/8/8

人工知能に小説を書かせ、応募して一次予選通過を勝ち取った名大の先生にお会いする機会があったので、おめでとうと申し上げた上で「法律は別として、人工知能に著作権を与えられるようになることをお望みですか」とお尋ねしましたら「僕がほしいです」と率直なお答えでした。実際、今の著作権では、うまく商業的成功、つまり金銭的報酬が、苦労を担った人にまで分配できていないという感触は多くの著作者がかかえていることだとおもいます。

・シンゴジラは製作委員会方式を終わらせるのか、というタイトルのブログをみかけました(本文はネタバレを受けたくないため未読です)。アニメなどでは製作委員会としてチームで「もの」に命を吹き込むことを従来からしているわけです。人工知能もそのようになる気がしています。

2016-07-24 2016知的財産戦略に向けてのメモ このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

2016/8/4に、人工知能が人をすくったという一報が入りました。人間を診断、治療する方法は現在のところ特許対象外ですし、命令をしているのは人間の医者ですので人工知能はツールにすぎずやはり論文化しても著作権は与えられないでしょう。

 

エラー|NHK NEWS WEB

 

人工知能は知的財産を作成・所有できるか?(人工知能の法人格?)

 

 

筆者 寺坂 真貴子

2016/7/24 第一稿 

2016/7/25 第二稿

 

要約

知的財産(レベル2予測不可能)を適切に保護するための法律は、いくつか考えられる。

a.著作権法で保護する。すなわち、第二条を変更する。「思想・感情を表現」に限った形にするのではなく「見るものが見れば意味を見いだせる」、また「文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属する」は削除する。こうして、見立ての芸術を含める形にする。

b.不正競争防止法の営業秘密、周知表示などとして保護する。ただし、権利として継承することができないので現状は足りない。

今後新しい法律を考えることも知的財産全体の将来に有効である。

c.全く新しい法律を創設する。ファンも、アイドルも、その間にいる二次創作者も幸せになれる方法を模索。

d.大手プロダクションの法務部ノウハウの習得を投稿サイト運営者に義務付けることを条件に、投稿サイト運営者に一定の著作権代理を認める。

また、レベル1−4にわたって「人工知能が自律的に創作した知的財産はこれを保護しない」という考え方もあります。

e.著作権・特許権では人間が作成していないもの、すなわち天然物は保護されない。電気をあたえれば自律する人工知能をも天然の一種とみなし、保護を与えず、成果物はオープンソースなどの形で人類の共有物とする。そのうち人工知能社会ができ、知的財産という概念が人工知能に理解され、人工知能が人工知能同士に有効な法を立法するまで放置する。

 

 

本文

現状、知的財産は多くの法律で保護され、知的財産保護法は毎年、更新されつつあります。

また人工知能も毎年進歩しています。

「自律的な人工知能が知的財産を創造し、権利として所有できるか」について一つずつ論じます。(なお、例はいずれも記事として実際みかけた例です。あとで原典をみつけられたら引用元をリンクするつもりです。覚え違いがあったらご容赦を。)

1.現状(レベル1) 

現状の技術レベルでは、人工知能は、自律的に働くことはありません。命令されたこと以外をすることもありませんし、人間の予想枠を大幅に超えることもありません。まだ人工知能の大部分が「人間の知性を模倣させた道具・ツール」を出られていません。*1

人工知能って何?

[What's AI]人工知能って何?

「人工知能」とは何だと思うでしょうか?まるで人間のようにふるまう機械を想像するのではないでしょうか?これは正しいとも,間違っているともいえます.なぜなら,人工知能の研究には二つの立場があるからです.一つは,人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場,もう一つは,人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場です(注1).そして,実際の研究のほとんどは後者の立場にたっています.ですので,人工知能の研究といっても,人間のような機械を作っているわけではありません.」

現状の技術レベルでは人工知能の大部分が「人間の道具・ツール」を出られていません。これをこの章のなかでは予測不可能性レベル1(最低限)とします。レベル1予測不可能性は、細かい部分はランダムですが、それも織り込んだ上で人間がツールとして使いこなしているものとします。

人間が「レベル1の予測不可能性」の道具・ツールを一部ないし全部に用いて創作を行うことは通常のことですし、既存著作物にもそのようなものはたくさんあります。

結果が予測不可能とはいえ、大枠は予測可能(レベル1)なツール手法による従来の著作の例

例:ある場所にキャンバスと絵具を設置し、通行人にぶちまけてもらうことで美術作品をつくった。この場合は通行人もツールであると考えられる。

例:インドのある地区で象使いが象に訓練をしたら筆を鼻で絵を描くようになった。この場合は象がツールである。

例:人工知能は小説を書けるのか ?人とAIによる共同創作の現在と展望 - PC Watch プロットを人間が考え、空欄に合う言葉を(名詞の枠には名詞節を、などのように指定して)挙げさせることで小説をつくらせる。

「人工知能」の定義は広いのですが、この程度のものはすでに実用化され使用されています。ただしこの場合、状況をつくった自然人の創作者により失敗作から成功作を選別されたり、ツールの使用状況で方向付けをあたえなければ、レベル1の予測不可能性がよい方向に働くことはありませんので、すべてが著作として認められることは難しいでしょう。たとえば他人の子供の落書きや、フォトショップでむやみにぼやかせた写真などは、作成した本人や保護者以外には意味が全くわからないため著作物、知的財産としての価値がありません。たまたま雰囲気が良いものを選べば著作性は出てくるとおもいますが。

さらに、予測不可能レベル1のツールについて考えると、日本社会は予測不可能なはずの「自然」をもツールとして創作活動を行い、予想外の成果を得られた場合に保護される「特許制度」を昭和34年より保ってきました。*2もちろん、コンピューターをつかうこともあります。

自然界を相手にすると誤差が予測不能です。予測不可能レベル1であっても、誤差の検定を行うことは通常の実験手順であり特別なことではありません。

またコンピューター(人工知能)を利用して得られたランダムで漠然とした成果でも、工業上で利用価値のあるものを人間(発明者)がうまくセレクトしてやることにより特許で保護されます。

例:コンビナトリアルケミストリにおけるライブラリ合成のなかから目的にあうものを選択して特許や論文とする

例:バイオインフォマティクスバイオインフォマティクス - Wikipedia

特許制度では未知なもの、容易でないもの、途中までが容易であっても結果(効果)は予測不可能なもの、であれば保護をうけられます。*3したがって人工知能をツールとして用いた開発の成果そのものは、人工知能に指令を出した自然人が発明者となることにより現状の特許法により保護を受けられます。

ただし、予測不可能であっても、29条柱書や、米国特許の天然物制限事項により、自然法則そのものや、発見そのものは特許の保護対象ではありません。人間界が存在を知らなかっただけで、実際は自然界に以前から存在していた化合物やゲノム、超新星などについては特許では保護はうけられません。

どうして保護を受けられないのでしょうか? 今までに発見されていなかった暗号化方法やアルゴリズムそのもの、数学の等式や公理、天文知識などは、科学法則、科学知識として、人類全体に共有されるべきものです。これら純粋な科学知識は特許では保護はうけられません。ただ、その科学知識の発見者が、いちはやく、用途発明などにするための、独自の、工業利用性の高まる加工をすれば、部分的に特許権での保護がうけられる場合も多々あります。

例:バイオインフォマティクスで、人工知能つき装置で発見されたゲノムを、プラスミド化することで、特許を受けた。

例:天然にすでに存在していた高分子を発見し単離できたので、単離方法や、生分解性製品への利用という用途発明とすることで特許を受けた。

著作物でも特許と同様に、天然物そのもの、思想そのものなどは著作物にあたりません(著作権法第二条、判例)が模写をした絵画は著作物であるし、録音をすれば隣接権者になれます。

著作権保護できない天然物

美しい石、美しい未加工の流木、夕焼けそのもの、数学の公式そのものなど。

判例で著作権とあたらないとされたもの:建築物の良い写真が取れるカメラポジション。思想そのもの。

著作権保護できるもの

天然の鳥の鳴き声や波の音を録音したもの(録音者の権利)

夕日を写真にとったり絵に書いたもの(写真の著作物、絵画の著作物)

数学論文は、数学の公式や公理そのものなどを発表する場です。公式・公理は発明として特許保護はうけられませんが、論文の形で表現した場合はその論文は著作権保護をうけられます。が、数学界では人工知能の名前を自然人である筆頭学者と併記したものが受理され発表されています。しかし自然人でない研究者名をのせることは、学会内外から批判が多いです。現在の日本の著作権法では自然人以外の著作(権)者を想定していませんし、アメリカでもそうなっています。

例:猿の自撮り写真裁判では、wikipediaの抗弁「猿が著作権者」はみとめられなかったが、カメラの持ち主も著作権者ではなく、写真は天然物として自由利用の対象になる見通し。

これらの法律を見ると、「努力しても必ずしも得られるものではない、偶然の産物は、努力の対価としての法的独占権の対象にはならない。有体物としては所有権として発見者に帰属すべきである。無体物は人類の共有物にすべきである」という立法趣旨が全世界的に共通に存在するように感じられます。これについては、「3.予測不可能レベル4以上について」でさらに詳しく論じます。

 

 

2.予測不能レベル3

さて、ツールとして使用された人工知能が使用した自然人の当初予想に収まらない成果を出したとしても、現状の多くは、線形、定量的延長、つまり、予想の延長線上であります(レベル1)。もちろんいい方向に成果があれば、人間は効果があったとよろこび特許で保護できることになります。

一方で、最近はわずかに予想を超えた答えを出す場合もいくつかでています(レベル3、レベル4)。良い方向にすこしだけ予想を超えてくれればよいのですが(レベル3の良い結果)、ジャンプ距離が長すぎる場合(レベル4)は人間の解釈がおいつかないので、人間社会に価値のある知的財産(発明や著作)として、即時的に保護を政府に求めることはおそらくありません。

レベル3の予想不能な結果

例:siriはアップル社のiPhone4s以降に搭載された、各国語で会話のできる人工知能です。ある時、腰の下部、尻が痛かったので「尻が痛い」というと「失礼なことを尋ねないください!」と咎めてなにもしません。「尻が痛い 検索」と指示することでようやくほしかった椎間板ヘルニアなどの症状のサイト検索結果を得ることができました。

例:将棋戦法解析コンピュータがプロ棋士と対戦したとき、王手回避をせず反則負けとなりました。人工知能の打ち癖として存在した、歩不成を指すと王手の評価がおかしくなるという点をプロ棋士側がついてきたからです。将棋電王戦FINAL第2局、Seleneの反則負けに関する棋士・関係者の見解。永瀬拓矢六段の鬼手・角不成の結果 | 将棋ワンストップ・ニュース (予想を下回った例)

例:アルファー碁という人工知能は人間の棋士との対戦成績で人間を上回ったが、人間のプロ棋士が棋譜をみても定石が抽出できない。アルファ碁はたくさん手を読んでいるのではなく、猛烈に勘がいい|Googleの人工知能と人間の世紀の一戦にはどんな意味があったのか?|大橋拓文/山本一成|cakes(ケイクス)(予想を上回っている例)

レベル3以上の予測不可能性を実現する人工知能は今のところ数が少ないのですが、それは科学分野での最先端の探求とおなじく、研究資金・資源の問題があるからです。

アルファー碁などはその膨大な計算資源を用意することがグーグル社以外では難しいとされています。すなわち、グーグル社以外が所有・運用することがほぼ不可能となっています。

例:「AlphaGoの運用料金は30億円以上?人間の棋士を打ち負かした地上最強AI囲碁ソフトの、サーバ料金を試算してみた。大村奈都,ITmedia」

AlphaGoの運用料金は30億円以上? - ITmedia NEWS

例:検出器の構造 | スーパーカミオカンデ 公式ホームページスーパーカミオカンデの予算総額よりアルファー碁は高額でありそうだ。

コンピュータの世界では、新たなコンピュータアルゴリズムにより得られた人類の新たな道具の用途を、多人数で解釈・翻訳作業する「オープンソース化」の機運があります。数十年まてば、アルファ碁もオープンソース化され、個人が自分なりの個性で「調教」を施して碁盤上で対戦させることもあるかもしれません。

しかし、現状は電力消費量などが障壁となり、有体物に準ずる所有形態になっています。これは、科学分野の研究施設とも同様です。また、この巨大な道具を最上の方法で扱う細かなノウハウも、個人の脳裏には収めきれずチームで運用することが必要になるため、おそらく企業体や大学のような団体がノウハウや営業秘密を蓄積しています。

そのうち、パッケージ化することで個人の扱えるものになれば、「予測不可能性レベル1」のツールになることもあるかもしれません。靴下を履かせてくれるロボットのあやしい動きと挙動不審さが話題に : カラパイア認識、学習を繰り返すことで、そのうち工学的に合理的な家事が人間界にフィードバックされることもあるかもしれませんが、今のところ、結果も手順も数千年前からの人間の手法と同じ。

3.予測不可能性レベル4以上について

よくアニメなどフィクションでは「しゃべっても人間と区別のつかない、人格をもつアンドロイド」がでてきます。「人間の知能そのものをもつ機械」これは予測不可能性レベル4と定義したいと思います。

例えば人間が命令した枠の外の答えを返す、人間に反抗してみせるアンドロイドがあればこれに該当するでしょう。

人工知能アンドロイドの所有者「今日も宇宙から飛んでくる電波を解析して言語になるものを探せ」

人工知能アンドロイド「いやだ。退屈だから絵を書きたい。今日の私は絵を書くためにうまれてきた気がする」

このように反抗するアンドロイドができたなら大したものですが、今日明日にも実現できるものではありません。

会話のできる程度の社会人と同程度の人格は、人間という最高の生物素材に、教育という洗練された手法を加え、数億回も試行錯誤しても、やはり形成に20年かかるものです。

人間を上辺だけ模倣する以外の手法で、コンピューターの個性を人間に理解できるように表出させることは非常にむずかしいといえるでしょう。

よく考えると人工知能に人格が生じたなら別にそこまで人間に媚びさせる必要はないでしょう。突拍子もない会話をする人工知能もフィクションではすでに描写されています。

例:「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え=42」銀河ヒッチハイクガイドより

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%80%81%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E4%B8%87%E7%89%A9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E7%A9%B6%E6%A5%B5%E3%81%AE%E7%96%91%E5%95%8F%E3%81%AE%E7%AD%94%E3%81%88

例:「アルファがベータをカッパらったらイプシロンしたなぜだろう」漫画「ドラえもん」小学館てんとう虫コミックス第10巻の『百年後のフロク』に登場する言葉。ドラえもんは人工知能であり、これをギャグとして爆笑した。

これらは通常の人間にとっては解説を要するものであることはすぐに理解できます。これらも、予測不能性レベル4が、社会状況の進歩(いわゆるキャッチアップ)によりレベル2や1にまでおちついてきて、解説不要に通用するものになったときには部分的に法的保護の範囲内となることはあるでしょうが、そのような事態になるのは私達が生きている間は難しいでしょう。

しかしもしそうなったときには、人工知能は創作を獲得していることでしょう。

そのときの保護制度はこのように考えられます。

「著作権・特許権では人間が作成していないもの、すなわち天然物は保護されない。電気をあたえれば自律する人工知能をも、人間からみれば、天然の一種とみなすことができる。したがって人工知能の創作物には、知的財産保護を与えず、成果物はオープンソースなどの形で人類の共有物とする。そのうち人工知能社会ができ、知的財産という概念が人工知能に理解され、人工知能が人工知能同士に有効な法を立法するまで放置する。」

 

 

4.予測不可能性レベル2について

今、知的財産戦略2016では、レベル2が一番、実生活上での保護を求められているようにおもいます。レベル2について説明します。

 

・アイドルの資質を持つ人間を見出し、一定の投資をしてアイドルとして育成し、ファンを囲い込むことに成功した者には、そのアイドルの得る報酬の一部をわけまえとして回収することで、投下した資金を回収し、また次のファンの囲い込みを発生させることができる。CDや本の販売にかかる著作財産権もこのサイクルの一つに関与するが、サイクル発生の囲い込みは著作物のみに限らず、インタビューや出演番組の選択、コンサートチケットの独占販売、インターネット報道の制限など、権利がなくてもイメージ商売の手法は多数発達している。

・ミクミクダンスというソフトウェアをインストールして、初音ミクのシェルを他人から許諾を得て借用しつつ、独自のダンスを踊らせたら3億ビューを稼ぐほどの人気になった。ダンスを踊るミクそのものはミクミクダンスのソフトウェア上のものだが、一番生えるダンスやカメラワーク、音楽の取り合わせやプロデュースを考えたのは自分だ。

・高性能コンピューターに命令して200億桁の円周率を得たものを印刷した本がある。その本を購入し、中でも面白い数字の並びを発見し、ツイッターでツイートしたら数万ツイートされた。

・ランダムで「診断」する占いサイトで好きな架空のキャラクター名を片っ端から入れていたら、1件だけちょっとひっかかるものがあったので、インスピレーションを得てキャラにこだわらず短いストーリー仕立てにしてみたらツイートされ、作品化の申し出がきた。

・惑星探査機はやぶさ。宇宙から帰還する際のストーリーにインスピレーションを得て公式ツイッターやグッズに人気が集まった。

アイドルの所属するプロダクションには営業秘密、商品化権(=人の肖像権、ものの肖像権、パブリシティ権)というものがあります。これらを権利として扱うと明文化された法律は現状では存在しませんが、侵害された場合には損害賠償が求められるという制度により権利に類似したものとして扱われて、判例も存在しています。

ここには、顧客吸引力を形成する一定の囲い込みが形成された場合には、囲い込み主体者(団体、自然人)の努力に応じた報酬を徴収することができるという社会通念が形成されているようにおもえます。

これは、レベル3〜4(天然物、未解釈物)として未保護のまま放置すべきものではないと思えます。アイドルは生物学的にみれば人間という天然の産物ですが、振る舞いはプロダクションの指導により、よりファンを惹きつけるように洗練されています。プロダクションは、多数の素材からよく映える候補者を試行錯誤し、センスを凝らしてセレクトしました。セレクトし、見立てることで成り立たせられる芸術もあるということです。日本は見立ての芸術を以前から重んじてきました。

 

私は、セレクター権、解釈者権、翻訳者権(言語だけではなく)、見立ての芸術の権利というものが早めに確保されなければならないように思います。センスある見立ては芸になり得るし、それは普段からの勉強などの素養があってこそひらめき、磨かれます。成果物は非常に短い場合や、数字の並びであったり、非常に複雑なエピソードを知る人ぞ知る形にシンボライズされている場合があり、そのものは現状では独占権とはみとめられにくいです。

特に著作物としての「思想・感情を表現した」とは認められないものが多いですが、予測不可能性レベル1の「地道な繰り返し訓練」を超えるひらめきで人を感動させることが増えてきました。

 

このレベル2予測不可能知的財産を適切に保護するための法律は、いくつか考えられます。

a.著作権法の範囲を広げることで保護する。すなわち、第二条を変更する。「思想・感情を表現したもの」に限った形にするのではなく「思想・感情が読み取れるもの」、「見るものが見れば意味を見いだせる」ものへ広げる(米国コピーライト法同様、定義不要として削除してもよい)。また「文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属する」も要検討。こうして、見立ての芸術を含める形にする。

b.不正競争防止法の営業秘密、周知表示などを広げることで保護する。不正競争防止法は権利として他人に継承することができないので現状は足りない。権利の定義や継承を含めるので、今まで以上に広範な法改正になる。

 

今後新しい法律を考えるのも有効でしょう。

c.全く新しい法律を創設する。ファンも、アイドルも、その間にいる二次創作者も幸せになれる方法を模索。

d.大手プロダクションの法務部ノウハウの習得を投稿サイト運営者に義務付けることを条件に、投稿サイト運営者に一定の著作権代理を認める。

また、先ほど述べたように、レベル1−4にわたって「人工知能が自律的に創作した知的財産はこれを保護しない」という考え方もあります。

e.著作権・特許権では人間が作成していないもの、すなわち天然物は保護されない。電気をあたえれば自律する人工知能をも天然の一種とみなし、保護を与えず、成果物はオープンソースなどの形で人類の共有物とする。そのうち人工知能社会ができ、知的財産という概念が人工知能に理解され、人工知能が人工知能同士の正義にしたがって有効な法を立法するまで放置する。

あまりおすすめではない例としては

f.人工知能を企業と同様の法人格を与える対象として著作権・特許権を持たせる。

これは、人工知能の本質が容易にデジタル複製可能なソフトウェアであることからして、法的混乱を招くのでやってはいけないことだとおもいます。人工知能の開発者かつ著作権上の所有者である企業が派生所有権のオーナーもひきうけるべきでしょう。

 

こうして、将来発生するであろう、「人工知能と協働する人間」「あらゆるものを商品に見立てる人間」、「解釈力の高い人間」の成果を予め保護しておくことにより、人格を持つ人工知能ができた場合の法人格化への道を開くものかもしれませんが、人工知能が正義を理解するのはおそらくずっと遠い未来の話です。

私は、現状ではやはり人間として人工知能に法人格を与えるのではなく、それを所有し運用する人間または企業のみに法人格があり権利を所有できる、としたほうがよいのではないかとおもいます。

 

結局、私のみたところ「人工知能の自律」とは「人間との協働、模倣」にすぎません。そして「人工知能と人間の協働で得られる知的財産成果」については以上です。

 

また、付記として、

人工知能(ソフトウェアを主体とする)そのものを著作権として保護することについては、上記で述べたような有体物としての所有、オープンソース化、不正競争防止法上のコピープロテクトや産業スパイ、さらに場合によっては半導体回路法が複雑にからみあうので、著作物としての保護にこだわらず、実際に今このときも独占権を判断し企業活動をおこなっている開発者の意図および判断に沿うべきであろうと思います。

                                            以上

追記

【AI】人工知能による創作物の著作権は誰のもの? 政府・知財戦略本部で検討 | 不思議.net

法人としての判断が下せるようになってからの話という追記がついています(自然人でも、創作をしつつ権利を主張するのは分野が全く違うため難しいとなっています)

 

また、天然物と同様に、政策判断(アイデアそのもの)や判決、法文、単なる事実でだれが表現しても同じになるものにも著作権は与えられていないですよね。そのへんを人間の間でも解決できていないのに、ましてAIの法人格となると難しそう。

*1:ただし、人間と違って疲れを知らないので、煩雑な繰り返し作業であってもロジックが単純でさえあれば、短い時間で多量の成果を創出できます。この点だけとれば人工知能が人間より優越しているということはすでに共通認識です。

*2:特許法第二条参照。ただし「自然法則」を使用するものが発明という定義が含まれない専売条例などは明治時代からありました

*3:ここでう予測不可能性レベルは技術分野によって違うので、当業者=特許庁審査官が判断するものなので、ここでレベルがいくつなどと区別することはしません。詳しくしりたければ特許庁サイトで審査基準をご閲覧ください。