士別市

北海道旭川から士別の方に行って来た。
散居散在型農村地帯を自動車で移動すると、名称を誇示する立て札や商用看板がほとんど目に入らない。低いゆるやかな山々に囲まれた盆地で夏冬、昼夜の寒暖差が大きいこと以外は、人の生活の脅威になる風水害は少ないそうだ。そう言えば、散在する農家の建物には屋敷森や塀の類が見あたらない。遠くから見ても建物がむき出しである。農家の古い納屋の板壁も強風に曝されることが少ないと見えて、弱々しく外壁としての役目を果たしている。
紅葉には少し早かったようだが、白樺の白い樹皮が林の中で輝き、黄色くなり始めた葉とともに明るい樹林帯が清々しかった。
落ち着いた穏やかな地域だった。