大手から独立したアニメ制作会社。
なかけん。です。
以前、アニメ制作会社について論じていたかと思いますが、制作会社によって系譜が異なります。どこの会社の出身かによって、それぞれの表現方法が違ってきます。
以下は、アニメ制作会社の系譜になります。
【古参アニメ制作会社】
■東映アニメーション(東映動画として1956年〜)
狼少年ケン、ゲゲゲの鬼太郎、魔法使いサリー、ひみつのアッコちゃん、タイガーマスク、ドラゴンボール、北斗の拳、美少女戦士セーラームーン、夢のクレヨン王国、おジャ魔女どれみ、ONE PIECE、Kanon、デジモンシリーズ、プリキュアシリーズ
■虫プロダクション(1961年〜1973年/1977年)
鉄腕アトム、ムーミン、リボンの騎士、ワンサくん
■竜の子プロダクション(1962年〜)
科学忍者隊ガッチャマン、新造人間キャシャーン、タイムボカンシリーズ、プリティーリズム・オーロラドリーム
【東映アニメーション出身】
■シンエイ動画(Aプロダクションとして1965年〜)
ドラえもん、クレヨンしんちゃん、あたしンち
■ICHI(KnacK(ナック)として1967年〜)
チャージマン研!、ドンチャック物語
■グループ・タック[倒産](1968年〜2010年)
まんが日本昔ばなし、タッチ、三丁目の夕日、飛べ!イサミ、ぼのぼの、YAT安心!宇宙旅行、半分の月がのぼる空、しにがみのバラッド。
■マッドハウス(マッド・ハウスとして1972年〜)
カードキャプターさくら、ギャラクシーエンジェル、デ・ジ・キャラットにょ、GUNSLINGER GIRL、おとぎ銃士 赤ずきん、こばと。、学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD、ちはやふる
■スタジオジブリ(1985年〜)
天空の城ラピュタ、となりのトトロ、火垂るの墓、魔女の宅急便、おもひでぽろぽろ、海がきこえる、紅の豚、平成狸合戦ぽんぽこ、耳をすませば、もののけ姫、ホーホケキョ となりの山田くん、千と千尋の神隠し、猫の恩返し、ハウルの動く城、ゲド戦記、崖の上のポニョ、借りぐらしのアリエッティ、コクリコ坂から
【虫プロダクション出身】
■サンライズ(サンライズスタジオとして1972年〜)
ガンダムシリーズ、シティハンターシリーズ、魔神英雄伝ワタルシリーズ、勇者シリーズ、ケロロ軍曹、結界師、コードギアス 反逆のルルーシュ、銀魂、宇宙をかける少女、TIGER & BUNNY、境界線上のホライゾン、男子高校生の日常
■シャフト(1975年〜)
ホワッツマイケル!?、ぱにぽにだっしゅ!、ひだまりスケッチ、さよなら絶望先生、まりあ†ほりっく、化物語、魔法少女まどか☆マギカ、電波女と青春男、偽物語
■京都アニメーション(1981年〜)
AIR、Kanon、涼宮ハルヒの憂鬱、CLANNAD、らき☆すた、けいおん!、CLANNAD -AFTER STORY-、けいおん!!、日常
【竜の子プロダクション出身】
■プロダクション リード(葦プロダクションとして1975年〜)
魔法のプリンセスミンキーモモ、アイドル天使ようこそようこ、超獣機神ダンクーガ、魔法のエンジェルスイートミント、花の魔法使いマリーベル、マクロス7、ウルトラマニアック、獣装機攻ダンクーガノヴァ
■ぴえろ(1977年〜)
スプーンおばさん、ぴえろ魔法少女シリーズ、きまぐれオレンジ☆ロード、燃える!お兄さん、幽☆遊☆白書、赤ちゃんと僕、はじめ人間ゴン、天使になるもんっ!、ヒカルの碁、東京ミュウミュウ、NARUTO -ナルト-、BLEACH、夢色パティシエール、テガミバチ
■J.C.STAFF(1986年〜)
藍より青し、あずまんが大王、魔法遣いに大切なこと、一騎当千、LOVELESS、ハチミツとクローバー、極上生徒会、灼眼のシャナ、かりん、ゼロの使い魔、のだめカンタービレ、スカイガールズ、とらドラ!、とある魔術の禁書目録、オオカミさんと七人の仲間たち、探偵オペラ ミルキィホームズ、あの夏で待ってる
■Production I.G(IGタツノコとして1987年〜)
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX、魁!!クロマティ高校、xxxHOLiC、RD 潜脳調査室、図書館戦争、戦国BASARA、東のエデン、君に届け、もしドラ
このように、日本のアニメ制作会社の大体は、大手制作会社に在籍していたスタッフが、周囲のスタッフを集めて別会社を立ち上げています。
大手の制作会社を離れて独立し、その先で作品を作り続けていく中で、作品だけでなく制作会社自体も有名になって、ファンの中でブランド化していっています。
完全に巣立ってしまって、出身会社との間で関係性がなくなってしまうこともありますが、中には、Production I.Gの事例のように、独立会社が出身会社(この場合は竜の子プロダクション)に出資することで関係性が維持されて、ある意味親孝行のような立場になることもあります。
また、独立会社側の作品の中で出身会社でのノウハウを活かしたり、また出身会社のパロディをやらかしたり、またその逆なんてのもあります。
他にも、東映アニメーションの「美少女戦士セーラームーン」とシンエイ動画の「クレヨンしんちゃん」のように、双方の会社の作品同士で共演してしまったという事例もあります。
虫プロダクション出身同士のシャフトや京都アニメーションのように突出して人気の高い制作会社は別格ですが、皆さんは制作会社を意識して見る方は少ないでしょうが、作風と同時に意識して見て、出身会社との関係や双方の作品との共通点を探ってみてははいかがでしょうか。