In Jazz(はてなダイアリー版跡地&元『My Favorite Things』)

ジャンル不問で好きなものを最小単位で語るブログ

音楽鑑賞履歴(2018年9月) No.1270

月一恒例の音楽鑑賞履歴です。

なんとか一枚聞けましたが、状況はあんまり変わらずですね。ぼちぼちこちらも復帰していきたいと思いますが、しばらくはあんまり数聞けないかなとは。自分としても音楽聴きたいんですけどね。まあ、致し方ない。
なんだかんだで今年も残り1/4です。「平成最後の〜」というフレーズが目立ちますが、そういうのはあまりに気にせずに過ごして行きたいなあとかそんなことを思いつつ。


というわけで以下より感想です。


Street Lady

Street Lady

73年録音盤。ブルーノート晩年期の作品群のひとつ。後にスカイハイ・プロダクションを設立し、クロスオーバー/フュージョンサウンドの流れを決める、マイゼルブラザーズとの共同制作第二作目。当時バードはハワード大学の音楽主任教授として教鞭をとっており、彼らはその教え子でもある。
73年という時代を考えるとこの盤で繰り広げられる、クリスタルな響きとコズミックなグルーヴは程なくして大ブームとなっていくディスコサウンド、あるいはライトメロウ(AOR)、フュージョンサウンドへと直結した先鋭的な音だろう。もはやジャズの黒っぽさはなく、非常に洗練されたファンキーさを感じる。
比較的アドリブを廃した(ように思える)スクエアな演奏なのはファンク起因によるものだろうが、その規則的な反復リズムによるグルーヴを機能的に生み出している辺りにクレバーさを感じるのは大学教授とその教え子が生み出した研究成果なのかもしれない。前作に引き続き、先駆的な音を提示した一枚だ。