[]この世界の片隅に


購入しました。



原作を読んでいましたので、ストーリーに対しては衝撃はなかったです。ですが別の箇所で衝撃が……。それは「音声」。最初、セリフの部分の音量が低くて「?」と思ってみていたんですが、空襲シーンで急に轟音が響いた(++)狙いなんでしょうがこれはびっくりしますね。背景描写の凄まじい綿密さ、のんびりした広島弁のほのぼのさと、この空襲シーンの怖さの対比がすごかったです。


終戦の日から4ヶ月後まで描かれますが、その喪失感がたんたんと胸にきます。でも旦那の周作さんが優しく、最後まで生きて、原作でも映画でもそこが救いでした。


【追記】
■「この世界の片隅に」原作本。
https://www.amazon.co.jp/dp/4575941468/
 

アニメ版2目回目みました。傑作と認めつつも、「原作も同時に読んだ方が絶対いいよ」と、言わざるをえません。
 

主人公すずが花街で迷子になった時に助けてくれた女郎さんの「リンさん」とは、もっとエピソードがあるのに、それがごっそりカットされています。まあ百歩譲ってテーマと時間の関係上仕方なかったとしても、当時の女性の悲しみを表現した部分が、やっぱり抜け落ちてしまうわけですね。


同時に、すずが、なかなか子供が出来ないことへの、周囲からの無言のプレッシャーに耐えている部分。これは原作でも表立っては書かれてないけど、何とはなしにあるわけですね。この部分も抜けてしまう。フェミニズムに傾きすぎると反戦テーマがボケるとはいえ、何か一つ、触れてほしかった。

 
あとは原作の絵ですね。唐突にタッチを変えて挿入される絵日記風別エピソードとか、アニメ版はやっぱ原作には敵いません。映画を見た方はなおさら、原作漫画を読んで欲しいですね。