【文徒】2015年(平成27)11月4日(第3巻201号・通巻651号)

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1)【記事】「図書館は無料貸本屋」なのか?(岩本太郎)
2)【記事】10月30日 光文社70周年記念 「KIRARI PARTY」感謝の会 丹下伸彦社長の挨拶
3)【本日の一行情報】(岩本太郎)
4)【人事】 小学館11月1日付人事
5)【深夜の誌人語録】(岩本太郎)

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1)【記事】「図書館は無料貸本屋」なのか?(岩本太郎)

2日前の配信記事で取りあげた全国図書館大会の「出版と図書館」分科会(10月16日)における新潮社・佐藤隆信社長の発言について、産経ニュースは11月3日付の連載「図書館は今(中)「無料貸本屋」論争 販売部数を上回った貸出数」にて次のように紹介している。
《「あまりにかゆいところまで手が届くと根本である出版を壊しかねない。どれくらいのサービスがいいのか、ぜひ考えて運営していっていただきたい」/10月16日に東京都内で開かれた全国図書館大会のシンポジウム。新潮社の佐藤隆信社長は緊張した面持ちで、会場に詰めかけた図書館員らにそう懇願した。/佐藤社長が批判するのは、公共図書館が同じ新刊を多数そろえて貸し出す「複本」の問題だ。書店の棚に並んだばかりの新刊が図書館では無料で借りられる。佐藤社長は、大型書店もある都市部の図書館が売れ筋の本を多数所有する実例を示し「販売冊数が毀損(きそん)されている」と配慮を求めた。》
同記事では、かつて『新潮45』編集長などを務めた石井昂もコメントしている。
《新潮社の石井昂(たかし)常務によると、文芸書は初版の9割が売れて採算が取れる価格を設定する。赤字で終わる新刊も多いが、息長く重版されていく売れ筋の本が損失を埋め、少部数の文芸誌の発行も支える。/「著名な作家の初版2万部くらいの本が図書館の利便性向上に合わせるように増刷できなくなっている。印税が入らないと著者は再生産ができず創造サイクルが回らない」と石井さん。準備中の文書に強制力はなく判断は各図書館に委ねられるが、「日本の活字文化の危機という意識で協力してほしい」と訴える。》
http://www.sankei.com/life/news/151103/lif1511030012-n1.html
石井は2月2日に東京・紀伊国屋サザンシアターで行われた「シンポジウム〈公共図書館はほんとうに図書館の敵?〉」で、この部分についてより具体的に述べている。
《図書館の敵のように言われていますが、私は図書館を敵と思ったことは一回もありません。2003年に「公共図書館の貸出し調査」をしました。運動自体はあまり進んでおらず、今に至るという感じです。2011年に作家の樋口毅宏さんが『雑司ヶ谷R.I.P.』の奥付に「貸出しを6か月待ってください」と書きました。高崎市立図書館はとても反応してくださいましたが、結局、一石を投じたということで終わってしまいました》
《敵だとは思っていませんが、どうしても分かっていただきたいことがあります。この10年間で図書館数は423館増えて全国で3248館に、貸出し数も7億1149万冊になりました。すでに書籍の販売部数を超えている中で、何が問題かというと、最初の頃はベストセラーの複本が多いことでした。たしかNHKテレビの「クローズアップ現代」で、図書館が『ハリー・ポッター』を100冊入れていることが問題になり、そのあとすぐに、町田図書館が「それは事実と違う。上巻が50冊、下巻が50冊である」とお書きになった。その時代から見ると、複本の数は減りました。実は、いわゆるベストセラーの複本だけが問題なのではない》
《なかなかいい図書館があることは分かります。しかし悪い図書館も実はあります。/今、寄贈を呼びかけている図書館がある。横浜市中央図書館は「新しい図書、予約が多い図書、特に文庫本を寄贈してください」、岸和田市立図書館では「出版がおよそ五年以内の図書、予約が多い図書、人気のある図書、特に新書本、文庫本を寄贈してください」と堂々と言われています。そういうところで図書館が足を引っ張っている》
《私の理想の図書館は出版社が潰れるのを助けてくれる図書館です。正確に言うと、著者と版元がお願いした書籍の六か月間の貸出し猶予をぜひ理解をもって応じてくださる図書館が私の理想の図書館です》
http://magazine-k.jp/2015/07/09/libraries-are-not-ememy-of-the-books/
なお、産経の記事での石井の発言にある「準備中の文書」とは、新潮社が中心となる形で、11月中をめどに全国の公立図書館に向けて発送を予定しているもので、記事によれば「著者と版元が合意した新刊について、貸し出しを1年間猶予するよう要望する文書を出す準備を進めている。一部の大手出版社や複数の作家、大手書店との連名になる見込み」という。なお、2日前にも引用した朝日新聞の記事によれば、この文書には「大手書店やエンターテインメント系作家ら」も加わるらしい。
http://www.asahi.com/articles/ASHBW64R4HBWUCVL01B.html
これも既報の通り、この全国図書館大会「出版と図書館」分科会での議論の内容は今のところ主催者からは報告されていない。また、分科会の前に当日の資料として準備・公表された「報告原稿全文」にも、「準備中の文書」については全国図書館大会の趣旨から外れるということからか、言及されていない。
http://jla-rally.info/tokyo101th/app/webroot/img/%E7%AC%AC13%20%E5%88%86%E7%A7%91%E4%BC%9A%E3%80%80%E5%87%BA%E7%89%88%E3%81%A8%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8.pdf
とりあえず今のところ「本が売れぬのは図書館のせい」と佐藤が本当に発言したのかどうかは留保するとして、石井も「 私は図書館を敵と思ったことは一回もありません」と語るが、これが図書館側にどのように受け取られているかは、かなり微妙だ。いずれにしても11月中に出るとされるその文書の中身次第で、議論がさらにヒートアップすることになるのかもしれない。

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2)【記事】 10月30日 光文社70周年記念 「KIRARI PARTY」感謝の会 丹下伸彦社長の挨拶

皆様、こんばんは。社長の丹下です。
平素は弊社の出版活動に多大なるご支援、ご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。ご承知のように弊社は今年10月1日に創立70周年を迎えることができました。これも皆様のご支援の賜物とこの場を借りまして感謝申し上げます。
さてこの度、創立70周年を機に、弊社で初めての雑誌横断型、読者参加イベント、「KIRARI PARTY」を企画し実施する運びとなりました。ご協賛、ご協力に感謝の意を申し上げたく、皆様に本日お集まりいただいた次第です。おかげさまを持ちまして、明日、明後日の2日間に渡り、充実した素晴らしいイベントを開催することができそうです。繰り返しになりますが、皆様のご協賛、ご協力に厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
ここで弊社70年の歴史を雑誌中心に触れさせていただきますと、1945年11月1日、ちょうど70年前に創刊された総合誌「光」に始まります。ご存知の方は少ないと思いますが、創刊号の発行部数は13万部、定価80銭、創刊の言葉は「光の中を歩まう」というものでした。
当時の編集後記には次のように書かれています。
「寝転んで読んでいるうちに、高い思想や進んだ知識があたたかく胸にしみわたり、ほのぼのと脳裏にふくらんでいく雑誌にしたい。そのためには具体的な人間像を映し出すことだ。古今東西人間について、その思想なり業績なり、生きる態度なりをできるだけ多種多様に広範囲にあつかいたい。ひらたくいえば人の事がたくさん書かれている雑誌だ」と。
又、1958年に創刊された「女性自身」の黒崎初代編集長は「人間を描け、人間を―それに限る。これが「女性自身」の編集理念だ」とし、「人間は人間にもっとも興味がある」のスローガンのもと、10年後には「女性自身」を100万部雑誌にしました。
この様に「人を描く」という弊社の雑誌の基本理念は現在の雑誌群に確実に受け継がれています。
今年4月に創刊40周年を迎えた「JJ」は「別冊女性自身」として始まり、女性自身のかしら文字をとってJJという誌名にしたという話はご存知の方も多いと思います。その「JJ」は、ニュートラハマトラ、サーファーなどの流行を次々と発信し、賀来千賀子さん、黒田知永子さん、三浦りさ子さん、梅宮アンナさん、梨花さん、など人気モデル、タレントを多数輩出し、同時に「読者モデル」という概念を最初に作りました。
専属モデル、読者モデルや読者が編集部と一体となって情報発信していく読者参加型の手法は、現在の雑誌作りの定番になっています。
「女性自身」、「JJ」の成功を受け、弊社はその後、数々の雑誌を創刊してまいりました。1984年に「JJ」のコアな読者を対象とし、「JJ」と違いタイトルにも意味を持たせた
―CLASSを感じさせる―「CLASSY.」を。1986年に当時の写真週刊誌の激戦区に参入した「FLASH」。1990年には「JJ BOYS」から始まり「JJ」のボーイフレンド・パートナーをターゲットとした「Gainer」。1995年に街の風景を変え、百貨店の品揃えを変えたといわれた「VERY」。2002年には「姉VERY」からスタートし現在、40歳前後の読者の圧倒的支持を受けている「STORY」。2004年に数々の企業とコラボ商品を開発しこの11月中旬より、Martレストランを開業する「Mart」。2008年に「JJ」「CLASSY.」「VERY」「STORY」の卒業生達の受け皿としての「HERS」。そして「STORY」から枝分かれをし、「美」そのものにこだわり続ける「美ST」を。
こちらのボードに誌名がありますが、現在、皆様にご協力いただいている雑誌群です。
これら雑誌群の綿密な読者調査の結果生み出された雑誌コンテンツは時代時代で様々な流行、ブームを創り、またその過程で秀逸な読者を獲得し、さらに磨きをかけた雑誌づくりに役立ててきました。女性自身のスローガンであった「人間に対する興味」、JJが創った「読者参加型の手法」は現在でも光文社の雑誌作りと広告企画の基本方針となっています。
今後も私たちはこの理念を忘れずに、皆様のマーケティング活動にお役に立てる雑誌メディア、コンテンツ作りに専念し続ける所存でございます。今後もご協力、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
今回、このイベントのタイトルを「KIRARI PARTY」と名づけました。弊社の雑誌群が獲得している読者は年齢も価値観も様々ですが、一様に「光文社の雑誌には輝きがある」と言っていただいております。このイベントを機会に、輝いている読者がさらに光文社の雑誌に触れていただくことで、「これからも、いつまでもきらりと輝き続けていただきたい」という願いをこめて「KIRARI PARTY」としました。
世の中は明日31日、ハロウィンだそうです。渋谷の街は今週から盛り上がっているようですが、私たちも負けずに、70年前創刊の総合誌「光」にちなんだここ「ヒカリエ」で、今日、明日、明後日ときらりと輝くイベントを開催し、今後も未来へ向けて様々な情報を発信し続けてまいりたいと存じます。
さて、続けて乾杯ということですので、僭越ではございますが、乾杯の音頭をとらせて頂きます。皆様、グラスのご準備はよろしいでしょうか。
皆様のご協賛、ご協力に感謝すると共に、皆様のご健勝、皆様の会社のますますのご発展、そしてこの「KIRARI PARTY」の成功を祈念いたしまして、乾杯!
ありがとうございました。

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3)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎さる9月に逝去した川島なお美の生前の未公開ショットを集めた写真集を出さないかと、「業界ではそこそこ名の知れた元編集長」が付き合いのあった出版社に打診したらしい。ところがその未公開ショットの一部を出版社側が事前にチェックしたところ、倒産した他の出版社から無断で持ち出されたものであることが判明したために話を断ったという。
一方で、この「元編集長」は著作権の許諾を取ろうと、川島の没後まもない時期だったにも関わらず川島の夫の鎧塚俊彦氏に連絡(写真の著作権はカメラマンか版元が管理するのが普通なのだが)。その際に断られた出版社の名を出して「発行先も決まっている」と持ちかけたとか。
http://www.cyzo.com/2015/11/post_24670.html
かつて出版業界ではこの種の武勇伝(?)がよく聞かれたものだけに、むしろこのニュースには「ひさびさだなこういうの」との感想も覚えてしまう。と言って、別にそれは業界のモラル(moral=倫理)やモラール(morale=志気)が高まったから、ではあるまい。

◎関西の芸能・文化を幅広く紹介してきた季刊誌『上方芸能』が、1967年の創刊以来ちょうど200号目となる来年5月の発売号で終刊することを発表。今年80歳の発行人・木津川計によると、終刊の理由は「財政的な困難や、自らが高齢になったこと」だという。
http://www.asahi.com/articles/ASHC15JT6HC1PTFC008.html

◎こちらも関西発。ファッションカルチャー誌『カジカジ』の姉妹誌『関西ガールズスタイルエクスプレス(girl's style exp.)』が、10月31日発売の冬号をもって休刊した。ウェブについては年内は引き続き運営するが、来年以降の展開は現在検討中という。『カジカジ』も去る6月に月刊誌を廃止し隔月刊とウェブを主体にした展開に移行。また、東海エリアの男性ファッション・カルチャー誌の『スパイマスター(Spy Master)東海版』も4月に月刊誌を廃止してウェブに移行するなど、地方でもファッション誌のデジタルシフトが加速している。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-11-02/girls-style-exp/

◎そして学研『ピチレモン』も10月31日発売号をもって30年の歴史に幕。
http://mdpr.jp/review/detail/1538923

◎先にBBCが日本語版サイトを開設して話題を呼んだが、『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中のモーリー・ロバートソンは、「日本人が世界の『本物のニュース』を知るようになっていくことを期待したい。そして何より、日本の情報がより正確な形で、海外に伝えられるようになるといいと思います」と歓迎する意向を語っている。
《残念なことに近年、日本にいる「外国人記者」の質は、目を覆いたくなるほど劣化しています。日本外国特派員協会(FCCJ)にも良質な記事を書く記者も多い一方、ジャーナリストとして訓練を受けたこともないのでは…という人が少なくない。/そんな“なんちゃって記者”が、日本に関するトンデモ記事を英語で乱発してきた実態があります》
《この現状を変えるには、「良貨は悪貨を駆逐する」ーーつまり良質な報道と、それを評価する読者を増やしていくしかありません。/BBCが自国と同じ“世界基準”で取り組めば、少なくとも「放射能で住めない」とか「日本の男はアニメでオナニーしているから少子化」などの乱暴な結論は出さないはずですから》
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/11/03/56097/

◎失業中の54歳のコピーライターが、広告志望の学生たちへ「就職を後悔しない5つの進路」を指南――と言っても、これはアメリカの話。広告業界を辛口批評する人気ブログ「コピーランター(コピーをわめき散らす人)」の運営人であるマーク・ダフィは、最近まで「BuzzFeed」で広告批評の記事を担当していたものの2013年に解雇を通達されたのだそうだ。
《少しでもいい仕事をしたいと思っているのなら、ここである問題が発生する。アメリカの広告代理店のクリエイティブの質は全体的に15年前とくらべ、明らかにひどくなっている。この10年間で、この世の誰よりも広告を見てきた私が言うのだから間違いない》
《クオリティの低下の理由としてあげられる1つは、優れたクリエーターたちがなにかを察知したように、成長しすぎた広告代理店から逃亡していることだ。なのに、こういった代理店に残った連中は、自分たちの平凡なアイデアでお祭りさわぎ。すべては、平凡なアイデアを素晴らしいと毎日のように褒めたたえる業界紙のせいだ。しかも、売り上げが伸びて欲しいがためだけに書いているだけだからな、この業界紙様ときたら……やれやれ》
http://digiday.jp/agencies/young-ad-creative/
15年前ならば、こうした記事に対して「同じ広告業界といってもアメリカと日本とは全然事情が違うからな」で済ませただろうが、いま上の記事を読んでみるとエラくリアルに感じられてしまったりもする。

◎『家庭教師』『島国根性』『ザザンボ』『天皇伝説』などの怪作で知られる映画監督の渡辺文樹が、また動き始めたらしい。さる10月中旬あたりから、渡辺が新作を発表する際の告知手段として恒例の捨て看板が都内のあちこちで目撃されている(当然、無許可ゆえにすぐさま撤去されているようだが)。次回作はどうやら『大作の死』になるようだが、今のところ上映期日などは告知されておらず、まだ「出演者・スタッフ募集」の段階のようだが。
http://mkimpo.blog.shinobi.jp/Date/20151102/
http://mkimpo.blog.shinobi.jp/Date/20151016/
ちなみに、このブログの主である「ムキンポ」または「かめよん」なる人物は、都内を中心とした各地の路上で行われるデモや集会などに逐一かけつけては現場の模様を写真撮影してウェブにアップし続けているという運動界隈では名物男的な人物で、本人は「観光左翼」を自称している。

◎アート活動に寄付をしてくれた男性たちを対象に、自らの女性器を型どり3Dプリンター用データにしてネットで送ったことで昨年7月「わいせつ電磁的記録頒布罪」の疑いで逮捕された漫画家・美術家のろくでなし子の5回目の公判が11月2日に東京地裁で行われた。
弁護側はろくでなし子が女性器を型どって作った「デコまん」シリーズのうち、起訴の対象とならなかった作品27点を証拠請求したが、田辺三保子裁判長は「必要ない」として却下し異議申立も棄却。ろくでなし子は「作品の説明をしたかったのに、サクッと終了されてしまいました。私としては非常に不満の残る展開でした」、弁護団山口貴士弁護士は「裁判官は、起訴されていない作品を見たことがない。芸術性や創作性を立証する上で、作品を使いたかった」と、公判後に不満を表明した。
http://news.goo.ne.jp/article/bengoshi/life/bengoshi-topics-3888.html
ろくでなし子は、この件についての集会その他の場のトークでも女性器について「まんこ」と実に屈託なく連発するが、法廷での意見陳述ではことごとく裁判官に注意され「性器」と言い換えさせられている。放送禁止用語ならぬ法廷禁止用語というところか。

立命館大学の文京洙教授など、京都などで活動する在日コリアンの知識人たちが、ヘイトスピーチなど排外主義の問題や、在日の文化、思想、歴史などをテーマにした在日総合誌『抗路』を創刊した。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20151101000059

キャイ〜ン天野ひろゆきは、下積み時代に日本テレビ系の深夜番組『三行広告探偵社』にレギュラー出演していた際、駅前の路上に置いた戸板の上でコミックや週刊誌を売っている人々の世界へと思いがけず足を踏み入れたことがあったという。
《例えば「ひろこ」っていう三行広告があって、「ひろ子」さんに会う広告なのかと思って連絡したら、「拾う子」のことなんです。/駅前の路上で漫画雑誌や週刊誌を並べて売ってる人がいるでしょ? あそこで売られている雑誌を拾ってくる人たちを募集する広告でした。あの商売って拾う専門の人と売る専門の人が分業化されているんです。拾ってきた雑誌は古本屋さんが買い取る場合もあるし、路上で売ってお金に換える場合もある。/この仕事では売ってる人がリーダーというか“元締め”で、明確な上下関係があるんですね。「ひろこ」になる人は自由気ままに生きたくて日銭になる仕事を始めたはずなのに、結局は誰かに支配されている。社会の縮図を見た気がしました》
http://www.news-postseven.com/archives/20151103_360919.html
最近は役所による規制もあってか以前より見かけることも少なくなった駅前の路上戸板商法だが、その実態について深く切り込んだ報道は今だあまりないようだ。

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4)【人事】 集英社 11月1日付人事

VIZ Media 出向(部長代理待遇)
佐々木尚
(旧・ライツ事業部部長代理)

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5)【深夜の誌人語録】(岩本太郎)

時には敢えて自らに箍をはめることで獲得できる自由もある。