【文徒】2017年(平成29)年1月27日(第5巻16号・通巻945号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「浴読」もアナログ派が強い!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2017.1.27 Shuppanjin

1)【記事】「浴読」もアナログ派が強い!

まあ、このビデオを見て下さい。「YOU-BUMI ユウブミ〜湯文」を紹介している。それって何?
http://jecol.co.jp/you-bumi/yb-04/howto/
そう完全防水ブックケースである。3700+税だから、決して安くはない。
http://jecol.co.jp/you-bumi/yb-04/syousai/
昨年の「東京国際ブックフェア2016」にも出展しているんだね。
http://jecol.co.jp/information/160926bookfair/
「ユウブミ〜湯文〜ブンコ」もリリースされるくらいだから、評判も良いのだろう。
http://jecol.co.jp/you-bumi/yb-05/
PR記事ではあるが、「ユウブミ〜湯文〜ブンコ」は「発売2か月で想定の2倍の販売数に達し初回生産分を完売、その後一時品薄状態でしたが、増産体制を整え、発売半年となる2017年1月22日に年間販売目標を達成」したそうだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170124/prl1701241132069-n1.htm
こんなに手をかけなくとも、「浴読」は楽天の「kobo aura H2O」を使えば、もっと手軽に楽しめる。18,500円+税を払わなければならないが。
http://books.rakuten.co.jp/event/e-book/ereaders/koboaurah2o/
確かに電子書籍化されていなければ「kobo aura H2O」を持っていても、「浴読」は不可能なのだろうけれど、完全防水ブックケースがそれなりに売れてしまうほど、「紙の本」(=アナログ)に対する「こだわり」は、強いのだろう。この現実を笑えないのが辛いところである。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

時事通信によれば安倍首相は施政方針演説で「入社1年目の女性が長時間労働による過酷な状況の中、自ら命を絶った」「ご冥福を改めてお祈りするとともに、二度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で、長時間労働の是正に取り組む」と電通の女性社員の過労自殺に触れた。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012000678&g=pol

米沢嘉博記念図書館で2月18日から6月4日まで「LOVE・りぼん・FUROKU250万乙女集合!りぼんのふろく展」が開催される。
http://natalie.mu/comic/news/217954

◎「『北の国から』DVDマガジン」が講談社から2月28日に創刊される。倉本聡の代表的なテレビドラマの一つだ。フジテレビのドラマでも扶桑社からは刊行されない。
http://kitanokunikara.jp/
「しんせかい」で芥川賞を受賞した山下澄人倉本聰が主宰する富良野塾の2期生だったことが話題を呼んだが、「しんせかい」と「『北の国から』DVDマガジン」を並べて売るのも一つの手かもしれない。そういう「文脈」を可視化することも書店にとって大切な役割だと私は思う。

福井新聞がウチヤマユージの「よろこびのうた」(講談社)を取り上げた。「よろこびのうた」は福井県で実際に起きた老夫婦が火葬場の焼却炉で亡くなった心中事件をモチーフにしたマンガである。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/pickup_photo/113619.html

講談社の無料マンガアプリ「マガジンポケット」は、オリジナル読み切り5作品の人気投票を実施する。この投票で優勝した作品を描いた作者は、新作を「週刊少年マガジン」本誌で発表する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001226.000001719.html

◎光文社の女性誌「Mart」はオフィシャルサイトに加えて、特設ブログページ「Mart Community Blog」を11月末からスタートさせている。「会員」に開かれているという点は評価できる。ただし、編集が邪魔だと思えてならない記事も散見できる。
http://mc.mart-magazine.com/?utm_source=pr_170125_1&utm_medium=pr_170125_1&utm_campaign=pr_170125_1

サントリーホールディングスは、宣伝機能を置くサントリービジネスエキスパートを4月1日付でものづくり機能を担うサントリーMONOZUKURIエキスパート、ビジネスインフラを担うサントリービジネスシステム、ブランドコミュニケーション支援および顧客リレーションを担うサントリーコミュニケーションズという3つの機能会社に分割することを発表した。
http://www.suntory.co.jp/news/article/mt_items/12824.pdf

◎出版科学研究所の出版物推定販売金額調査によれば、2016年の電子出版物の売り上げは1909億円となり、前年比27・1%増。電子出版物が出版市場の1割を超えた。紙と電子を合わせた出版物全体の市場規模は1兆6618億円、前年比0.6%減。
https://this.kiji.is/196802290697846789?c=39546741839462401

◎タイトルの勝利だろう。扶桑社から刊行された「夫のちんぽが入らない」が発売一週間ほどで部数は6万部に到達した。
http://www.j-cast.com/2017/01/24288761.html?p=all

◎「日本酒の本」(ぴあMOOK)が刊行された。実は、フレンチでもイタメシでも日本酒は相性が良いんだよね。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000346.000011710.html
私は2月2日以降、暫らく禁酒だけれど。

◎第一部、第二部とも初版が50万部とは、さすが村上春樹だ。新潮社から2月24日に発売される村上の書き下ろし長編小説「騎士団長殺し」の初版は二冊合計100万部でのスタートとなる。
http://www.sankei.com/life/news/170124/lif1701240030-n1.html

◎「LINE MUSIC」の累計ダウンロード数が2,000万件を突破した。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1639

◎LINEの2016年12月期の連結決算(国際会計基準)は、75億円の黒字。広告収入は547億円と、前期から50%増!
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL25HHI_V20C17A1000000/

ミニストップは、国内の全約2200店舗でデジタルサイネージを導入する。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012500618&g=eco

講談社は、AI(人工知能)およびビッグデータ解析のソリューションを提供する白ヤギコーポレーションに出資し、主にコンテンツ配信における AI 技術の共同研究・開発を進めることを目指し、資本業務提携した。
http://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/20170126shiro.pdf
白ヤギコーポレーションとはBookLiveも資本業務提携している。
https://www.booklive.co.jp/release/2016/11/011100.html
またデジタルガレージとは、女性誌の良質なコンテンツとソーシャルメディアを有機的に組み合わせた、まったく新しいコンピレーションメディア(いわゆる「まとめサイト」「キュレーションサイト」だ)の開発に着手している。ローンチは2017年前半を予定しているという。この事業を推進するため、2016年8月8日に、両社の合弁会社であるDK Mediaを設立し、昨年より準備に当たってきたそうだ。講談社は「他の出版社の本メディアへの参画促進を担当」とのことだが、まずは光文社やハースト婦人画報社を巻き込めるかどうかである。
http://www.garage.co.jp/ja/pr/20170126_DKM.pdf
講談社、攻めているじゃないか。本当は年初に発表したかったのだろうけれど…。

◎「週刊文春」で連載中の横田増生による「ユニクロ潜入」の連載第1回と2回が「ユニクロ潜入一年」としてまとめられ電子書籍として配信された。
http://www.oricon.co.jp/news/2085056/full/

奈良県電通に対して入札参加を2か月停止する。
http://www.sankei.com/west/news/170125/wst1701250057-n1.html

◎元博報堂中川淳一郎が、広告業界を語り尽くした「電通博報堂は何をしているのか」(星海社新書)を刊行する。元博報堂の若手広告マンや、元電通でスタートアップを立ち上げた若手OBを招いたトークイベントも開催。
http://eplus.jp/sys/T1U14P002215138P0050001

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、独立系ではインドネシア最大の総合広告会社「Dwi Sapta Group」(ドゥイ・サプター・グループ)の株式51%を2017年度第1四半期内に取得することで合意した。今後段階的にシェアを拡大して完全子会社化するオプションを電通グループが有することでも合意している。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017010-0125.pdf

◎AOKIは、小学館の女性ファッション誌「CanCam」とのコラボ企画商品第7弾を、1月27日(金)より、AOKI全店およびオンラインショップにて発売している。今年のテーマは“my best choice ”。
シリーズ累計25万枚以上を販売しているAOKIレディース品種のヒット商品である。
https://www.aoki-style.com/assets/pdf/upload/news/314/86ac8b66cf2c8d8120af4ed1a7ee9484.pdf

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

弱さを隠すための強がりもまた本当の強さである。