【文徒】2017年(平成29)11月24日(第5巻221号・通巻1150号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】メタップスの佐藤航陽が佐渡嶋庸平の助っ人に!
2)【記事】朝日新聞が訂正、謝罪を求める申入書を連発している
3)【記事】SNSでの発信力が高いメディアBEST10
4)【記事】「Zipper」休刊がSNSで大反響
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.11.24 Shuppanjin

1)【記事】メタップスの佐藤航陽が佐渡嶋庸平の助っ人に!

ドラゴン桜」の続編「ドラゴン桜2」が、2018年1月25日発売の「モーニング」(講談社)で連載がスタートすることになった。
https://mantan-web.jp/article/20171121dog00m200025000c.html
佐渡嶋庸平がツイートしている。
「タイムバンクで、マンガに出演する権利を売買できるようになります! 」
https://twitter.com/sadycork/status/933273376365277184
佐渡嶋たちの発想には「現在」が息づいている。メタップスの佐藤航陽は次のようにツイートしている。
「タイムバンクで『ドラゴン桜2』編集チームの時間の取り扱いをはじめます、編集チームの時間をリワードで利用すると漫画の中に登場人物として出演できます。ネット時代の漫画の新しい形を作れるといいな」
https://twitter.com/ka2aki86/status/933195045850595328
佐藤の「経済は選べるようになるか?個人が主役の『時間経済』の試み」は読んでおきたい。
「しかし、時間という目に見えなかった曖昧なものも、ネットとスマホが普及したおかげで「データ」として認識できるようになりました。システムにとっては空間も時間もただのデータに過ぎませんから、時間が本当にアセットとして扱える技術的な土台は既に整いつつあります 」
http://katsuaki.co/?author=1
母子家庭で育った佐藤は早稲田大法学部を中退し、20歳で起業する。1986年生まれである。田原総一朗が佐藤にインタビューしている。「プレジデントオンライン」で読める。田原が「もともとインターネット系の知識はあったの? 」と問うたのに対して、佐藤はこう答えている。
「いえ、まったく。パソコンを触ったこともなかったので、とりあえず中古のデルを買ってきて、詳しい友達に教えてもらいながら事業を立ち上げました。プログラミングは3カ月でマスターしたのですが、最初は仕事がないから、『ホームページつくりませんか』と1日300件くらい営業の電話をしていました。軌道に乗るまで3年くらいかかりましたね 」
http://president.jp/articles/-/17117
タップス人工知能を活用したアプリマネタイズプラットフォーム「metaps」(メタップス)、銀行を脅かすサービスとして話題になっているオンライン決済サービス「SPIKE」(スパイク)を主力事業としている。
http://story-is-king.com/post-1487
タップスの「社内では、基本的に、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国で会議が開かれている 」そうだ。
https://www.nomura.co.jp/el_borde/feature/0002/
佐藤が眼をつけたのはスマホであった。
スマートフォン端末はどんどん普及しますが、アプリ開発者はあまり儲からない。このアンバランスな環境を改善するためのネットワーク構築が、メタップスが手がけるビジネスモデルです。具体的なサービスの内容としては、収益化したいアプリ開発者側と、広告を出稿したい広告主をつなぐプラットフォームを双方に対して提供します。基本はリワード広告という仕組みで、広告主側へは、通常のクリック課金ではなくダウンロード課金。また、アプリ側は、ユーザーに対して広告のオファーを提供し、お金を払いたくないユーザーもマネタイズに取り込める点が特徴です」
http://case.dreamgate.gr.jp/mbl_t/id=1427
佐藤はマルクスを意識している?というかマルクスをライバル視しているようだ。自らを「自分で決めて自分でやるという『独学と我流』を極めいる賢者」と位置付けているようだ。 メタップスのホームページで閲覧できるビデオは必見である。
http://www.kenja.tv/president/det1h3zb.html
心に残っている本としてレイ・カーツワイルの「ポスト・ヒューマン誕生 コンピューターが人類の知性を超えるとき 」(NHK出版)をあげている。
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000811672007.html
こういう才能と出版は手を組むべきだという模範例を佐渡嶋は見せてくれたようだ。

                                                                                                                    • -

2)【記事】朝日新聞が訂正、謝罪を求める申入書を連発している

朝日新聞社が「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」の内容に怒った。著者の小川榮太郎と版元の飛鳥新社に対して申入書を送った。そして、この申入書を一般にも公開した。
小川榮太郎著・株式会社飛鳥新社発行の書籍「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(本書という)は、弊社による「森友学園」「加計学園」に関する一連の報道を「戦後最大級の報道犯罪」「虚報」「捏造」などと決めつけています。
本書は、弊社が取材で入手した文書について紙面で報じているにもかかわらず、「安倍の関与を想像させる部分以外は、文書内容をほとんど読者に紹介せず」「『総理の意向』でないことが分かってしまう部分を全て隠蔽して報道し続けた」としています。また、実際には紙面で報じている当事者の発言等を「殆ど取材せず、報道もしていない」としています。さらに「加計学園」報道に関して、弊社がNHK幹部と「密議」や「共謀」して「組織的な情報操作」を行ったと記載するなど、荒唐無稽な持論を展開しています。
弊社の一連の報道は、森友学園に国有地が大幅に値引きされて売却された不透明性・不自然さを指摘するとともに、約50年ぶりとなる加計学園による獣医学部の新設をめぐり、公平で適正であるべき手続きに疑念を抱かせる複数の文書の存在を明らかにしたものです。国民が当然抱くであろう疑問に答えるのは報道機関の使命であり、そのために現場の記者たちは内部文書を掘り起こすとともに、さまざまな関係者の証言を集め、事実に基づいて報じています。
それを弊社に一切の取材もないまま、根拠もなく、「虚報」「捏造」などと決めつけるのは、弊社の名誉・信用を著しく傷付ける不法行為であり、到底見過ごすことはできません。
貴殿及び貴社に厳重に抗議するとともに、すみやかに弊社に謝罪し、事実に反する部分を訂正し、弊社が被った損害を賠償するよう強く求めます〉
申入書は、こう書いたうえで「事実に反する主な箇所を示し」ている。
http://www.asahi.com/corporate/info/11207014
小川榮太郎は「朝日新聞よ、飛鳥新社および私にも抗議してきなさいよ」と書いていたが、それが現実のものとなったようである。
https://twitter.com/ogawaeitaro/status/931740272018337792
もっとも、申入書は小川にとって「私側の瑕疵かもしれぬ点を除けば、大半は反論を書くのが楽しみな、あまりにも無理筋の内容」だったようである。
https://twitter.com/ogawaeitaro/status/932860661951971328
産経新聞首相官邸キャップ、NY支局長というキャリアを持つ 山際澄夫がこうツイートしている。
「個人的には、朝日新聞の〝捏造〟である慰安婦南京大虐殺靖国参拝などの歴史問題と、森友、加計問題は違うと思っているが、小川榮太郎氏へ抗議し、賠償を求めるなら、紙面で連載して反論したらどうか。大新聞社が言論での戦いを放棄してしまっているように見えるのは残念だ」
https://twitter.com/yamagiwasumio/status/933330998950903809
これは私の不勉強なのかもしれないが、私は小川が自称する文芸評論家としての力量を知らない。小川は創誠天志塾の塾長であるというのはネットを検索していて知った。こんなブログ記事も発見した。
http://poligion.wpblog.jp/tenshijyuku
http://poligion.wpblog.jp/archives/1856
小川は青林堂から「徹底検証 テレビ報道『嘘』のからくり」を刊行した。
http://www.garo.co.jp/comic/ogawa.html
TBSやテレビ朝日は小川に申入書を送るのだろうか。
朝日新聞社は申入書を連発している。「朝日新聞、死ね」とツイートした足立康史衆議院議員に対しても申入書を送っている。
〈貴殿は、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題について審議した11月15日の衆議院文部科学委員会で、「総理のご意向」などと記された文部科学省の文書の存在を報じた弊社の5月17日付朝刊1面記事(本件記事という)について、「捏造」と決めつける発言(本件発言という)を繰り返しました。さらに、同17日には国会内で記者団に対し「今も捏造だと思っている」と発言しました。また、自身のツイッターでは「朝日新聞、死ね」と書いたことを始め、弊社の記事について「捏造」などと投稿しています。
国会という場で行われた本件発言は、事実に反し、弊社の名誉を著しく傷つけるものです。貴殿に厳重に抗議するとともに、すみやかに本件発言を撤回するよう求めます〉
http://www.asahi.com/corporate/info/11207006
「極言御免」の阿比留瑠比は「朝日新聞へ『疑念が晴れない』」として足立や小川を一応は擁護しているのかな。全面的な擁護ではない。
http://www.sankei.com/entertainments/news/171123/ent1711230001-n1.html
月刊「正論」12月号に掲載されている高山正之の連載「折節の記」についても15カ所の記述について朝日新聞は訂正を求める申入書を送っている。
http://www.sankei.com/life/news/171121/lif1711210056-n1.html
いずれにしても、こうした騒動は「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」の売行に拍車をかけることになるのかもしれない。いや、オレも買っちゃったわけよ。11月16日に飛鳥新社営業部は、こうツイートしている。
小川榮太郎さん著 『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』売行き好調につき、さらに7刷目の重版決定!8万部突破! 」
https://twitter.com/asukanumata/status/931001898592645120
この本を読んだ印象を言えば、小川は「評論家」ではあっても「批評家」ではないということだ。むろん、江藤淳は「批評家」であった。それに朝日を叩く暇があったら、「攘夷」を叫ぶべきだと思うのだけれど。

                                                                                                                    • -

3)【記事】SNSでの発信力が高いメディアBEST10

Green rompは国内386メディアを対象に、Facebookページのいいね!数、Twitterアカウントのフォロワー数、Instagramアカウントのフォロワー数の合算値を集計する調査を実施したところ、SNSでの発信力が最も高いメディアは「C Channel」であった。
ベスト10は次の通り。
1位 「C Channel」
2位「Tasty Japan」
3位「Tastemade Japan」
4位「パーゴルフ+PLUS」
5位「日本経済新聞
6位「PECO」
7位「DELISH KITCHEN」
8位「kurashiru」
9位「modelpress」
10位「NYLON JAPAN」
https://markezine.jp/article/detail/27498
「Tasty Japan」はBuzzFeed Japanが運営する料理動画。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000019238.html
https://www.youtube.com/channel/UCilGprjH_UBgR5vLVXPff3Q
Tastemadeはロサンゼルスに本社を持ちアメリカはもちろんのこと日本、ブラジル、アルゼンチン、イギリス、フランス、インドネシアといったエリアで料理動画を世界中に配信している。
https://www.wantedly.com/companies/bit
「DELISH KITCHEN」や「kurashiru」も動画レシピである。動画レシピがあれば「オレンジページ」や「レタスクラブ」は必要ないと考える生活者も多いはずだ。料理をメインに据えた生活実用情報誌は歴史的な役割を終える方向にあると言っては言い過ぎであろうか。
https://delishkitchen.tv/
https://www.kurashiru.com/
「PECO」は月間500万人が利用するペット情報専門メディアである。むろん動画を駆使している。
https://peco-japan.com/
グローバルゴルフメディアグループが運営する「パーゴルフ+PLUS」や「NYLON JAPAN」は出版を母胎とするメディアだが、残念ながら大手出版社が擁するメディアではない。このことが何を意味しているのか。もはや解説するまでもあるまい。大半の出版社がデジタルシフトに遅れを取ってしまったということである。
https://ggmg.golf/
http://www.nylon.jp/

                                                                                                                    • -

4)【記事】「Zipper」休刊がSNSで大反響

「Zipper」休刊の反響は予想通り大きいな。フェミニズムという視点からすれば、多くの女性ファッション誌が後退していくなか、「Zipper」は「モテ」に流されることなく、「かわいい」によく踏みとどまっていたという印象が私にはある。だからSNSでの反響も大きいのだ。
「えええええ ZipperもCutieもPeeweeもなくなっちゃうなんて!!今も昔もとんがりキッズはどこに行けばいいの そしてつまりわたしがカリスマだった頃の証明が全て消えてしまったということだ。長い間、読者を楽しませてくれてありがとうございました」
https://twitter.com/cirol777/status/932838683757101057
「『モテ』ではない可愛さを追求することを、自由にファッションを楽しむことを、Zipperが教えてくれた。毎月楽しみで、生きていけた。ありがとう、ありがとう。いま見てもおしゃれでかっこいい」
https://twitter.com/zenmetsumarch/status/932941481240756224
「プトマヨの休止、zipperの休刊。 フックのある存在が世の中から排除されてしまうのは、ずっと変わらず変われず尖り続けてきたから。 切ない、が、そう決まった以上、同時に格好良さすらも感じられる 」
https://twitter.com/PRINCESSNANA73/status/932919200112263168
KERAもzipperも休刊してしまった今、田舎や不良の多い地域に住んでいて、ギャルファッションや流行っているものにどうしても馴染めず、周りを見渡しても自分に似合うものが見当たらなくてちょっだけ生活が楽しめない女子中高生たちは何を読んで救われればいいんだ…!!何に衝撃を受ければいいんだ…! 」
https://twitter.com/ataso00/status/932936407504392192
「わたしがわたしであることのきっかけを作ってくれたZipperが、この度休刊になることが決定しました。わたしがパチパチズの卒業宣言をした次の号が最後との発表。 ……でしたが、次の号では、わたしとmimの単独企画があります。 最後まで、個性派ガールの味方、Zipperをよろしくお願いします」
https://twitter.com/setoayumi/status/932899909866418177
「Zipper が休刊とのニュース。 学生の私達に、個性的でいいんだ、何が可愛いかは自由なんだ!と思える経験をさせてくれた事にありがとうを言いたいです。24年間、お疲れさまでした」
https://twitter.com/_x_MEG_x_/status/932911863209349120
「zipperが休刊になるニュースを見て、ひとつ言わせてお願い。重ね着や古着ブーム、いわゆる裏原系を作ったのは、表紙のタレントやきゃりーでもなく、スナップから始まった読モたちで、日本独自のファッション文化は個人の工夫や感性からできたと思ってる。ブームは自分で作れるってやつ」
https://twitter.com/_y_u_c_h_i_/status/933012318224449536
「Zipper休刊に憂愁の感。自分たちの世代には “青春” のモニュメントのひとつでした。10〜11年頃に自分が持っていた連載『ハンないで』は反響も大きかった。さらばいつかの女の子たち」
https://twitter.com/thedresscodes/status/933227562427334658
「ファッション誌『Zipper』(祥伝社)休刊のニュース。『Zipper』は、高校生のとき、生まれて初めて連載をやらせていただいた、わたしにとって思い入れの強い雑誌です。ちなみに連載は近況報告的な短文&短歌に、写真を組み合わせてもらうという内容でした。写真は初回のもの。ありがとう 」
https://twitter.com/katochie1110/status/933270050290647040
「『Zipper』休刊のお知らせ…すごく残念です。Zipperといえば、2010年くらいに『テケテケ★ランデブー』を連載させて頂いており、当時のZipper読者はこの作品でジョージ朝倉を初めて読んだという方もいらっしゃるかもしれませんね。全4巻、女子大生大食いギャル、たよ子嬢のひと夏の初恋物語でした 」
https://twitter.com/GeorgeAsakura_i/status/933232598876221440
「私がこの世界に飛び込むキッカケは「Zipper」や「CUTIE」でした。 思い出の雑誌が無くなるのは寂しいね……24年、お疲れ様でした 」
https://twitter.com/kudoharuka910/status/932902498427322368
誤解を恐れずに言うならば、マガジンハウスの雑誌で育って来たような感性の編集者が「Zipper」なり、「ブーン」なりに結集してきたのではなかったのか。マガジンハウス流の変奏が光文社OBが創業した祥伝社で試みられていたのである。

                                                                                                                    • -

5)【本日の一行情報】

◎「るろうに剣心」の和月伸宏が児童買春・ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で書類送検された。
産経によれば別の児童ポルノ事件の捜査で、和月児童ポルノDVDを購入していた疑いが浮上し、事務所を捜索したところ複数のDVDが見つかった そうだ。 「ジャンプスクエア」(集英社)での新シリーズ「るろうに剣心明治剣客浪漫譚・北海道編ー 」の連載 は10月号から18年ぶりに始まったばかりであったが12月4日発売号から 当面中止されることとなった。
http://www.sankei.com/affairs/news/171121/afr1711210041-n1.html
宇宙一の無責任男」シリーズで知られている小説家の吉岡平が次のようにツイートしている。
和月伸宏先生の書類送検は まさに『一罰百戒』のお手本だな これくらいの大物でも単純所持で お目こぼしなしというのだから 中小零細同人レベルの絵描きは震え上がってるだろ 個人的には 和月先生への評価は揺らぎません むしろ嗜好を吐露した供述内容に なんて正直な人だと共感しました 」
https://twitter.com/torinakisa/status/933087279374929920
和月の妻は「るろうに剣心」のノベライズも手掛けている小説家の黒碕薫である。

日本雑誌協会は11月21日、今年の年末年始の取り組みについて発表 したそうだけれど、こういうのにオレはお座敷がかからない。きっと嫌われているんだね、オレ、日本雑誌協会から。
https://www.j-magazine.or.jp/
この日の発言者は大山恒生(集英社雑誌販売部長)や 隅野叙雄(集英社取締役)と集英社の面々だったようだが、オレは集英社から無視されていると考えて良いのだろうか。この二人の名前は頭に叩き込んでおくことにしよう。
https://news.nifty.com/article/item/neta/12116-20171122_022796/

◎「ViVi」や「VOGUE GIRL」の編集に関わってきた、Numero Tokyoエディトリアルディレクターの軍地彩弓が「ハフポスト」で「MERY」について語っている。小学館が新たに立ち上げた新生「MERY」ではなく、旧「MERY」について次のように指摘している。
「プロじゃない人が、単に『黄色が着たい気分だから』という理由でその記事を書いたとしても、その記事をたくさんの人が読んだ結果、皮肉にも、本当に赤ではなくて黄色が流行り、MERYが事後的に『正しく』なることもあるんです。ある意味『民主的だ』とも言えます」
むろん「民主的」であればあるほど「衆愚政治」を招く可能性があり、さしずめ旧「MERY」は「衆愚政治」に足もとを掬われたと言うべきだろう。軍地は、こうも言っている。
「"しがらみ"を何も持っていない子たちが、MERYのようなメディアでバンバン記事を書いてくる。忖度をしてしまうプロは負けてしまう。もちろん著作権侵害や不正確な記事は厳しく批判されてしかるべきですが、素人ならでは正直さ、という面に目を向ける必要もあります」
http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/20/what-was-mery_a_23282534/
誤解を恐れずに言えば「編集力」とやらはオーディエンスを抑圧する「権力」としても機能するということである。デジタルシフトの力学が「編集力」の解放に向かうのは、民主主義の原則からして当然と言えば当然なのである。

◎宝島社の男性ファッション誌「smart」の2018年2月号(12月22日発売)の表紙を飾るのは香取慎吾。表紙を飾るだけではなく8ページのグラビア&ロングインタビューも掲載される。宝島社は良い仕事をしたと私は思っている。なぜなら…。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000604.000005069.html
ジャニーズ事務所のタレントを起用するのではなく、ジャニーズ事務所を退所し、同事務所から睨まれているタレントを起用することこそ雑誌ジャーナリズムが本来持っていたダイナミズムであり、スキャンダリズムであったはずだ。しかし、雑誌ビジネスが大きくなるに従って、そうした「牙」が抜かれてしまったのである。

◎リサーチ会社のテスティーによる「現役JKのぞき見調査」。SNSを利用する女子高生の半数以上が「SNS疲れ」を感じたことがあるそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000013425.html

コンデナスト・ジャパンとHJホールディングスは、Huluで「Conde Nast Video」 チャンネルを新設し、「VOGUE」や「GQ」のオリジナル動画の配信を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000419.000000930.html

たかまつななが自らのブログで「【文春砲について】お詫びとご報告」を発表している。
「明日発売の文春砲に、撃たれることになりました。その記事の中で、私がNHKさんに来年4月入社の内定をいただいた、と言う話が出て参ります。記事の内容は事実です。なので取材も受けさせていただきました」
https://ameblo.jp/takamatsu-nana/

朝日新聞は次のように書く。
「イオンはミニストップのほか、総合スーパーや食品スーパー、ドラッグストア、ショッピングモールなどにある『未来屋書店』などを持つ。これらの店で販売を中止し、モールなどにテナントで入る他社の書店での取り扱いは『今後検討する』(広報)という」
http://www.asahi.com/articles/ASKCP77QCKCPULFA03L.html
千葉市熊谷俊人市長はフェイスブックで次のように書いている。
「今回、取扱い中止を決定した記者会見に千葉市が同席したことで、千葉市が販売中止を要請していると一部受け止められており、反対される方々から「ミニストップ千葉市が圧力をかけ、忖度した結果」という批判も数多く頂戴しています。
千葉市と全国コンビニチェーンの力関係を考慮すれば、千葉市の提案に応える必要性はありませんし、実際に千葉市が提案したカバー案は全てのコンビニチェーンから「実現は困難」との回答で協力は得られませんでした。
そうした中、ミニストップ社が千葉市内店舗だけではなく全国の全店舗、さらには千葉市の提案とは関係のないイオングループ全体で取扱いを中止するという事実を見て頂ければ、これがミニストップ、さらにはイオングループの顧客戦略の一環であるということは容易に理解頂けるかと思います」
https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/1558328417569994

◎メディアドゥは、海外六大電子書店(Kindle、comiXology、楽天Kobo、Nook、Google PlayiBooks)と配信契約を締結し 北米事業拠点のMedia Do International, Inc.(在サンディエゴ)を通じて英語に翻訳・電子化した海外未公開の日本原作マンガの配信を開始 した。まずは秋田書店実業之日本社日本文芸社、ビーグリー、プランタン出版/フランス書院、ミナトプロ/エムズ を始めとする日本出版社の漫画約100作品を翻訳、2017年11月7日より海外に配信してい る。
https://www.mediado.jp/service/2072/

◎マガジンハウスの「アンアン」がアニメを特集する。これはちょっと楽しみだ。
https://www.cinra.net/news/20171121-anan

◎これは大ニュースである。われらがジャン・ピエール・メルビルの「影の軍隊」がブルーレイで発売されることになった。KADOKAWAは映画では良い仕事をしている。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/218134

朝日新聞は今頃になって「図書館は出版の敵? 文春社長に芸人・西野亮廣さん反論」(赤田康和)なる記事を掲載している。新聞はネットの出現で「古新聞化」してしまう好例である。
http://www.asahi.com/articles/ASKCH53V8KCHUCVL01D.html
一カ月以上も遅い。
http://d.hatena.ne.jp/teru0702/20171119/1511039585

ナックルボールが運営する「4コマgram」が、投稿作品に報酬を支払うシステムを実現した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000025351.html
ナックルボールは広告会社である。
https://knuckleball.jp/

◎「週刊実話」のスクープが的中した。石田えりがライザップで鍛え上げた56歳の肉体すべてを披露するヘアヌード写真集『56』を講談社から12月16日に発売する。値段は張るがたまには写真集を買おうか。私は「遠雷」の石田に惚れたひとりである。
http://wjn.jp/article/detail/7970540/

◎「講談社 冬☆電書2018 おすすめキャンペーン」の季節がやって来た。
http://k-kinoppy.jp/kodansha/fuyudensho2018/web/

講談社が「社畜マンガフェア 」を実施中。抽選で「中間管理録 トネガワ」から激励年賀状が送られてくる。
http://news.kodansha.co.jp/5378

◎映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」は12月16日(土)に全国公開するが、主婦の友社は、映画の脚本をベースにした「ノベライズ版 8年越しの花嫁 奇跡の実話」「コミカライズ版 8年越しの花嫁 奇跡の実話」の2冊を発売 した。映画の親本も、版元はむろん主婦の友社である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000771.000002372.html

◎地裁の判決に首を傾げた私だが、これなら、まあ納得できる。時事通信によれば―。
産地偽装米をめぐる週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、イオン(千葉市)が発行元の文芸春秋に1億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(野山宏裁判長)は22日、同社に110万円の賠償を命じた。約2400万円を命じた一審東京地裁判決から大幅に減額した」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112201135&g=soc

◎さわや書店は創業70年を記念して書店員が着用していたエプロンを使用して作ったオリジナルブックカバーを140枚限定 で販売する。価格は2,700円。
https://morioka.keizai.biz/headline/2471/

                                                                                                                    • -

6)【深夜の誌人語録】

努力しても結果がともなわないことは珍しいことではないが、そのことをもって努力の価値を否定してはなるまい。努力するかどうかは生き方の問題なのである。