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2018-01-10

【文徒】2017年(平成29)12月12日(第5巻233号・通巻1162号)

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1)【記事】NHKは受信契約訴訟で「合憲」判決を獲得。しかし「実質敗訴」とも?

2)【本日の一行情報】

                                                                                • 2017.12.12 Shuppanjin

1)【記事】NHKは受信契約訴訟で「合憲」判決を獲得。しかし「実質敗訴」とも?(岩本太郎)

先週の6日に最高裁で下されたNHK受信契約をめぐる訴訟判決は、予想通り受信料制度を「合憲」とする判決だった。同日中にはNHK自身が粛々と伝えたほか、新聞各紙も判決の要旨を詳報。また、翌日付の社説でも判決に対するそれぞれの見解を延べたが、いずれも判決により受信料支払いの法的義務が(それもテレビの設置時期に遡ってまで)認められたことに対する理不尽さや、ネットの台頭でテレビ離れが進む中で現行の受信料制度に問題はないのか、現在のNHKが支払った受信料に見合う「公共放送」としての使命を果たしているのかといった指摘に、概ね終始していた。

http://www.asahi.com/articles/DA3S13262522.html

https://mainichi.jp/articles/20171207/ddm/003/040/111000c

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2017120702000110.html

http://www.sankei.com/column/news/171207/clm1712070002-n1.html

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24352220W7A201C1EA1000/

つまり各紙とも「NHKは『勝訴』した。だがしかし…」といった論調になっていたわけだが、はたして本当に「勝訴」だったのか。その点で少々異彩を放っていたのは、判決が降りた直後の6日午後に日経が報じた「NHK受信契約、成立には裁判必要 最高裁」という記事だ。

《NHK受信契約をめぐる6日の最高裁判決は、受信契約が成立する時期について「裁判で契約の承諾を命じる判決が確定すれば成立する」とした。「契約を申し込んだ時点で自動的に成立する」とのNHK側の主張は退けた。契約を拒む人から受信料を徴収するためには、今後も個別に裁判を起こさなければならない》

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24323400W7A201C1000000/

実はこの「受信料不払いをめぐって裁判をやればNHKが勝つ。ただし、個別の裁判費用が膨大に及ぶことからNHKも『やるだけ損』と考えたうえで踏み切らないだけだ」という話は、既に昔から放送業界関係者の間では一般認識のように語られてきたことだ。今回の判決は、ある意味では単に最高裁がそれを追認しただけとも言えるのである。元日本民間放送連盟の職員で、これまでもNHKが抱える様々な問題について言及してきた砂川浩慶(立教大学教授)も判決に関して産経新聞取材に応えて次のように語っている。

《NHKにとって万々歳の判決とはいえない。判決は契約締結にあたり、NHKが視聴者の合意を得るために努力するよう求めた。契約に応じない場合はNHKは各未契約者に対して裁判を起こさねばならず、徴収の大きな足かせになる。一方、未契約者に契約締結を迫るだけでは反発を買うだろう。また、判決で若者のテレビ離れが加速する可能性もある。NHKは契約してもらうために、こうした人たちにどういったサービスを提供していくのか早急に計画を示す必要がある》

http://www.sankei.com/affairs/news/171206/afr1712060065-n1.html

もっとラディカルな主張を『アゴラ』にて展開していたのが元NHK池田信夫。この最高裁判決を《「合憲判決」と考えることは法的に間違っていないが、NHKの敗訴という面もある》としつつ、判決要旨を引用しながら以下のように述べている。

《これは契約自由の原則という近代社会の根本原則である。誰かがあなたに「年額1万3000円振り込め」といって請求書を送ってきても、あなたが同意しないと契約は成立しないのだ。では具体的に、どの段階で契約が成立するか。この点について最高裁は、二審の東京高裁判決を支持している》

NHKは一貫して「承諾の有無に関係なくNHKが契約を申し込んだ時点で契約が成立する」と主張しているが、最高裁はこれを斥けた。これはNHKにとっては高いハードルだ。年額1万3000円を取り立てるために訴訟を起こすことは、費用対効果が見合わない。「民事訴訟を起こすぞ」なんて何の脅しにもならないのだ。

受信料税金と一緒に税務署が徴収しろ」という意見もあるが、これはNHK国営放送にしろということだ。それでは政府の発表を一方的に流すことを義務づけられるので、先進国国営放送はなく、独自の財源を工夫している。

NHK受信料もそういう工夫の一つで、BBCの受信ライセンス料に近いが、違うのは受信料の不払いには罰則がないことだ。これも何度か改正の動きがあったが、「NHK国営化だ」という野党の反対で見送られた。そういう経緯を知らない人は「国営化しろ」というが、たとえば共産党政権になったら共産主義を礼讃する番組しか認められない》

http://agora-web.jp/archives/2029890.html

池田はここから例によって「スクランブルをかけて有料放送にすればいい」「こういう改革の最大の障害NHKではなく、民放連である」という結論にもっていくが、これも従来からNHKが主張する「受信料税金でも視聴の対価でもない『特殊な負担金』だ」との見解とぶつかり合う。ただ、視聴者の間には、判決3日前に朝日新聞の投書欄に寄せられた声のように「見たい人だけがお金払うNHKに」との思いが少なからずあることも確かだろう。

https://www.j-cast.com/2017/12/06315849.html?p=all

たまたま私は先週末に出た会合で何人かのNHKの現役・OBに会ったが、いずれも今回の判決について「古い形での定型化した受信料不払い運動からなかなか先に行かない」と語っていた。だとすれば本来なら新聞や雑誌などのジャーナリズム受信料制度の在り方について深く掘り下げた報道を行い、議論喚起していくべきなのだろうが、上記社説などを見る限り、そうした方向へと進みそうな気配はあまりなさそうだ。

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎創刊50周年を迎えた『少年ジャンプ』と、金曜深夜「ドラマ24」枠の放送が「第50弾」となったテレビ東京との協力による連続ドラマ『オー・マイ・ジャンプ?少年ジャンプ地球を救う?』が、来年1月12日から同枠でスタートすることになった。

http://eiga.com/news/20171211/5/

http://www.tv-tokyo.co.jp/information/2017/12/11/205697.html

◎第15回開高健ノンフィクション賞受賞作『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社刊)が先ごろ発売された著者のフリーランスライター・畠山理仁は目下各媒体からの本に関する取材に積極的に応じている。さすがこうしたテーマを、雑誌の他にネット上でも盛んに追跡・発信し続けてきたライターだけに良いフットワークをしている。自身のTwitterアカウントでもこんなふうにアピールしている。私も見習わなければ。

メディアの皆様

いつも取材現場などでお世話になり、ありがとうございます。私は拙著『黙殺』(集英社)を一人でも多くの方にお読みいただくためなら、なんでもいたします。インタビュー取材、番組出演、寄稿、映像提供など、可能な限りご要望にお応えしようと思います。どうぞ遠慮なくご用命下さい!》

https://twitter.com/hatakezo/status/938782150068809735

児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で書類送検され、『ジャンプスクエア』の『るろうに剣心』が休載となった作者の和月伸宏少年漫画からの永久追放など予想する向きもあるが、出版関係者の間では「集英社はそこまで厳しい対応をしない」との見方が出ていると『Business Journal』が報じている。

http://biz-journal.jp/2017/12/post_21655.html

◎かつてグラビア系のアイドルからメジャーへと羽ばたいていく女性タレントを多数輩出したことで知られる講談社の「ミスマガジン」が5年ぶりに復活することになった。

https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/853255/

http://mainichi.jp/articles/20171210/dyo/00m/200/023000c

◎そのグラビアアイドルを”専業”とする女性タレントたちの苦闘を、“尻職人”の愛称を持つほか、SNSで自身の写真を公表しつつ「グラドル自画撮り部」の部長をも名乗る倉持由香が『ORICON NEWS』のインタビューで語っている。雑誌グラビアの仕事はノーギャラのケースがある一方で、SNSで積極的に発信(もちろんこれもノーギャラ)を続けていくことでファンを獲得し、仕事を増やしていっているところもあるとか。

https://www.oricon.co.jp/special/50520/

倉持は、『新しい神様』などのコアな作品で知られる映画監督土屋豊が4年前に制作・公開した『タリウム少女の毒殺日記』で主演のタリウム少女役を務めていた。なかなか頭の切れる人らしい。

http://www.uplink.co.jp/thallium/

◎動画サービスの新バージョン 「niconico(く)」(クレッシェンド)の発表で酷評を浴びたドワンゴが、今日12日の20時から、反省のための「意見交換会」を放送する。

http://gogotsu.com/archives/35265

一方で、同じ今日の18時半からは「(く)の発表会にブチギレたユーザー」たちによる「反対デモ」が、都内の京橋プラザを集合場所として開催されるそうだ。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw3130395

さらに一方で、さる10日夜には「いまさら意見交換するドワンゴに未来はない。」と題した放送も「ニコ生」上で行われていた。

http://nico.ms/lv309384022?ref=sharetw

2016年4月に開校した「学校法人角川ドワンゴ学園・N高等学校」(本校・沖縄県うるま市)は、当初1500人だった生徒数が、17年11月には4500人まで増加。

過疎や少子化に悩む自治体からのオファーも増えているらしい。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24417170Y7A201C1000000/

◎今年初めに刊行されてプロレスファンを中心に話題を呼んだ柳澤健の『1984年のUWF』(文藝春秋刊)では徹底的に批判されていた元UWF所属レスラーのエース・前田日明が、同書に自ら反論した『前田日明が語るUWF全史』上下巻を河出書房新社から上梓した。編者を務めたのは塩澤幸登。元平凡出版(マガジンハウス)編集者で『平凡』『平凡パンチ』『ターザン』などに関わり、『編集の砦??平凡出版とマガジンハウスの一万二〇〇〇日』、清水達夫の生涯を中心に描いた『雑誌の王様』などの著書を持つ。前田については同じ河出書房から『格闘者 前田日明の時代』1・2巻を昨年上梓している。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309921365/

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309921372/

フジテレビザ・ノンフィクション』で10月に放送され、この種のドキュメンタリー番組としては異例の視聴率10%超えを果たして話題を呼んだ「人殺しの息子と呼ばれて…」の再編集による特番が15日に放送されることになった。

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2017/171208-i486.html

https://www.oricon.co.jp/news/2101936/

フジテレビ「とくダネ!」キャスター小倉智昭が、8日に急逝した野村沙知代について思い出を語る中で、かつて野村が出演して新宿のライブハウスで行われたイベントについて番組の中で「(こんなに盛り上がってるのは)どうせサクラでしょ?」などと発言し、猛烈な抗議を受けた過去について述懐

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171211-00000043-dal-ent

上の記事中には名前が出てこないが、その新宿のライブハウスとは歌舞伎町の「ロフトプラスワン」。オーナーの平野悠らを中心に有志の「小倉あやまれ友の会」を結成し、2001年の夏以降、お台場フジテレビ周辺で抗議のデモや、同社の株主総会に乗り込むなどの抗議活動を展開した末に小倉からの謝罪を勝ち取っている。この時のサウンドデモが後の「自由生存メーデー」や「素人の乱」、反原発デモなどのスタイルにも影響を与えたと言われている。

http://www.loft-prj.co.jp/OJISAN/ojisaneyes/0909/

◎死の数時間前に行われたラストインタビュー(死の2日前にBBCが行い書籍化されているものとは別)も含めた、ジョン・レノン1964年から死去までの16年間に受けた主要なインタビュー19本を収録した書籍『ジョン・レノンの流儀(仮) 1964-1980対話録』が来年3月にレコードレーベル「ディスクユニオン」の出版部門DU BOOKSから発売される。

http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK182

http://amass.jp/98409/

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