【文徒】2018年(平成30)6月4日(第6巻101号・通巻1275号)

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1)【記事】戸部田誠 「全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方」(文藝春秋)と氏家齊一郎
2)【本日の一行情報】
3)【人事】光文社 機構及び人事(平成30年6月1日付)
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】戸部田誠 「全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方」(文藝春秋)と氏家齊一郎

戸部田誠 の「全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方」(文藝春秋) は面白そうだ。「全部やれ。」とは氏家齊一郎が社長として部下たちに発した檄だそうだ。
http://blogos.com/article/300726/
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908441
氏家齊一郎の半自叙伝たる「昭和という時代を生きて」(岩波書店)も抜群に面白い。氏家の複雑にして繊細な人間性がよくわかるのだ。繊細さにおいては氏家は生涯の盟友であった渡辺恒雄を勝るのではないだろうか。
https://www.iwanami.co.jp/book/b264311.html
日本共産党上田耕一郎とは転向後も友情関係が壊れることはなかったようだし、氏家は網野善彦という存在にこだわり続けた。高畑勲の「かぐや姫の物語」 も氏家なくしては陽の目を見なかった企画であろう。そもそも東大時代に堤清二日本共産党へ入党させたのは氏家齊一郎であった。氏家を入党させたのは読売グループの最高権力者として今なお君臨している渡辺恒雄である。
更にいえば氏家の旧制東京高等学校時代の同級生に革マル派黒田寛一がいる。むろん、学生時代に氏家は転向しているのだが、氏家が渡辺恒雄と揃って入社したのは内務省人脈が経営を握っていた読売新聞であった。ちなみに徳間書店を創業する徳間康快も戦時中に読売新聞に入社している。渡辺が政治部で、氏家が経済部で、徳間は彼らの入社する前に読売争議で社を去っているが社会部であった。
氏家は新聞記者となってからは、河野一郎中曽根康弘児玉誉士夫田中角栄との交友関係を深めていく。その一方、 これも有名な逸話だが、アメリカ側の記者で初めてホー・チミンにインタビューしたのは氏家である。カストロの仲介であったという。
http://blogos.com/article/111189/
これは東京スポーツのスクープだろう。
「“4年連続視聴率3冠王”の日本テレビが、またもやセクハラ騒動で大揺れだ。2020年東京五輪パラリンピックを担当するスポーツコンテンツのプロデューサーとして、近い将来は幹部のイスに座ると見られていたX氏(40代)が、制作会社の女性ADにセクハラ行為を働き、6月1日付で更迭されることが本紙の取材でわかった」
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/1024216/
あの世で氏家齊一郎が嘆いているのは間違いあるまい。

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2)【本日の一行情報】

◎1971年に描かれた阿久悠原作、上村一夫画「人喰い」が双葉社によって 初めて単行本化された。これを記念して「上村一夫原画展『血とエレジー』」が、6月12日から7月1日まで世田谷の古本屋「nostos books 」で開かれる。上村一夫阿久悠の二人は広告代理店の宣弘社でデスクが隣どうしであった。
https://news.mynavi.jp/article/20180530-638802/
テレビ草創期に「月光仮面」や「怪傑ハリマオ」「隠密剣士」を世に送り出した広告代理店である。アニメの「忍風カムイ外伝」や「サザエさん」も宣弘社であった。もともとはネオンサインで基盤を築いた。1948年に社長に就任した小林利雄 は「銀座の夜を支配する男」 と呼ばれた。そう呼ばれるに相応しい人脈も築き上げていった。そういう意味で東芝やヤクルトがメインクライアントであったことは示唆的であると言えるのかもしれない。大島渚の盟友であった脚本家の佐々木守は「ネオンサインと月光仮面 宣弘社・小林利雄の仕事」を筑摩書房から刊行している。現在、絶版。文庫化もされていない。これは名著なんだけどなあ。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480818256/
宣弘社はサントリーに買収され、現在は電通グループの電通アドギアとなっているが、銀座の夜を支配した面影は今やない。

◎アニメ映画「名探偵コナン ゼロの執行人」が大ヒットし、「安室透」は社会現象となったようだ。小学館は安室透 を表紙とした「少年サンデーS」6月号(4/25発売)と7月号(5/25発売)の 重版を決定した。
https://mainichi.jp/articles/20180530/dyo/00m/200/028000c
東京新聞は6月2日付の「こちら特報部」で、コナン人気の秘密に迫っている。声出し、ペンライト、コスプレOKの「応援上映」も人気を集めているそうだ。この記事は同人誌研究家の三崎尚人の「コナンはもはや国民的アニメになった」というコメントで結ばれている。
映画演劇文化協会 による第37回「藤本賞」は 「名探偵コナン から紅の恋歌」の青山剛昌、近藤秀峰、米倉功人、石山桂一 が選ばれた。
https://natalie.mu/comic/news/284531
ホップが「名探偵コナン 純黒の悪夢」、ステップが 「名探偵コナン から紅の恋歌」であり、ジャンプが「名探偵コナン ゼロの執行人」となった。

小学館の学習誌「小学一年生」は表紙・誌面に登場したり、TV・WEBなどで1年間にわたって「小一モデル」として特別な体験ができるモデルオーディションの募集を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000013640.html

◎学研プラス が刊行した学習漫画富山県のひみつ」に十六カ所の誤表記があったという。
「四月上旬に読者からの指摘で、誤りが判明した。高岡市出身でリオデジャネイロ五輪レスリング女子48キロ級で金メダルを獲得した登坂絵莉選手の階級を『46キロ級』としていたり、魚津市の『たてもん祭り』の開始時期を実際の八月ではなく、五月と記したりしていた 」(中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20180531/CK2018053102000049.html
学研プラスは「『富山県のひみつ』における 誤表記のお知らせとお詫び 」を発表した。
「弊社が2018年3月末に全国の小学校等に配布いたしました『富山県のひみつ』(まんがでよくわかるシリーズ)におきまして、複数の誤表記が見つかりました。富山県の皆様、富山県関係者・配布先およびご協力いただきました皆様方に心よりお詫び申し上げます。
この事態を受け、誤表記を改めた修正版を弊社の責任において制作し、すべての配布先に2018年5月末までに再配送することといたしました。
このたびの誤表記はひとえに弊社のチェック体制の不備によるものであり、関係の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。
今後二度とこのようなことのないよう、編集制作体制の改善を図り、再発防止に努めてまいります 」
https://gakken-plus.co.jp/news/info/20180530.html

◎日販、トーハンが発表した今年上半期の本のベストセラーランキングによれば、総合部門の1位は「漫画 君たちはどう生きるか」(マガジンハウス)だった。
http://www.tohan.jp/bestsellers/upload_pdf/180601bestseller_2018hy.pdf
https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/2018_kamihannkibest.pdf
総合部門のベスト20に講談社集英社文藝春秋の名前がなかった。「Amazonランキング大賞 2018 (上半期)」 の和書総合1位 も「漫画 君たちはどう生きるか」だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000821.000004612.html

主婦の友社から刊行されたマンガ「猫が僕に教えてくれたコト」 第1巻は「comico」で連載中の作品 の単行本化である。アプリでは全ページカラー・縦スクロールだが、単行本では従来のモノクロ・マンガとなっている。
http://shufunotomo.hondana.jp/book/b370245.html

◎「日大悪質タックル問題を“炎上案件”にしたメディアの責任」は「女性セブン」6月14日号に掲載された良記事だ。
「実際、『タックル映像』が初めて『めざましテレビ』(フジテレビ系。5月14日放送)で流れると高視聴率をマーク。テレビ業界にはその噂が広まり、後追いするワイドショーやニュース番組が続出。あれよあれよという間に、“社会現象”になった。
テレビ局がほしがる「画」でなかったら、宮川選手の会見に報道陣が殺到することも、そもそも会見を開くこともなく、彼は充分に反省した上でまだアメフトを続けていたかもしれない──」
http://www.news-postseven.com/archives/20180531_687268.html?PAGE=1#container
西田亮介は「悪質タックル問題でメディアが果たした役割とは」(WEB RONZA)で次のように書いている。
「現代は、マスメディアとネットへの関心が、相互に参照しながらいっそう強固なものになる『ポジティブ・フィードバック』を形成しがちである。社会学者の遠藤薫は現代のメディア環境の特徴を、『間メディア性』という概念を用いて説明する。それぞれのメディアは独立して存在するのではなく、相互に参照しながら、重心が移り変わっていくという」
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2018052900003.html

◎宝島社は、マルチメディア商品「出版社が作った よく見える!よく読める!ルーペメガネBOOK 拡大鏡」(6月4日発売)と「moz BIG BACKPACK BOOK special package」(7月上旬発売予定)を、コンビニエンスストア専用パッケージで販売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000686.000005069.html
徹底的にリアル店舗にこだわる宝島社ならではの企画である。ただし書店からすれば、これまで書店がほぼ独占していた宝島社のマルチメディア商品が本格的にコンビニに販路を広げたことになるわけで、書店にとっては喜ばしくはあるまい。宝島社からすれば書店の「販売力」が低下しているので販路の拡大を図らざるを得なかったということになるのかもしれない。

ガガガ文庫の「七星のスバル」がTVアニメ化され7月よりTBSで放送が開始される。
http://gagagabunko.jp/specal/7subaru/
http://www.tbs.co.jp/anime/subaru/

電通は、富士山マガジンサービスが準備会社として設立した「株式会社magaport」に5月31日付で資本参加した。これにより6月1日より合弁会社「株式会社magaport」として営業を開始した。
magaportは、これまで両社で行ってきた雑誌コンテンツ流通事業、雑誌記事データの配信・データプラットフォーム事業を統合するものであり、日本最大級のオンライン雑誌書店「Fujisan.co.jp」を運営する富士山マガジンサービスのデジタルテクノロジーと、電通グループの生活者インサイト、戦略構築力を生かすことで、雑誌記事のデジタル流通促進と雑誌発のコンテンツビジネスの拡大を図り、出版業界の収益機会の拡大につなげていく。また、電通は7月1日(予定)に、これまで社内プロジェクトとして取り組んできた電子雑誌のBtoC事業を富士山マガジンサービスに譲渡することになる。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018062-0531.pdf

FIFAワールドカップロシア大会が開催されるが出版業界もサッカー本の出版が盛んだ。徳間書店 は、竹澤哲の「クリスティアーノ・ロナウド 生きる神話、知られざる素顔」の刊行を記念して、6月3日に三省堂書店池袋本店で著者によるトークショーを開催した。6月13日には三省堂書店名古屋本店で、16日には湘南蔦屋書店で、同じく著者によるトークイベントを 開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000016935.html
小学館は「岡崎慎司 悩む男。」を刊行。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09346093
私のオススメは五百蔵容 の「砕かれたハリルホジッチ・プラン」である。
http://www.seikaisha.co.jp/information/2018/05/07-post-hariru.html

◎LINEが「ドラえもん モデル」のスマートスピーカーを発売する。
https://robotstart.info/2018/05/31/lineclova-doraemon.html

博報堂DYメディアパートナーズと博報堂DYデジタルは、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、プラットフォーム・ワン、イー・ガーディアンと共同でデジタル広告の透明性や品質に関わる重要課題に対応する「Hakuhodo DY MQM」の一環として、適切な広告掲載面への配信による広告主ブランドの安全性=「Brand Safety」(ブランドセーフティ)を担保するため、博報堂DYグループ独自の基準に基づいて安全な掲載サイトのみへの広告の配信を実現する「Agency Whitelist」(エージェンシーホワイトリスト)の提供を開始 した。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/05/HDYmpnews20180531.pdf

消費者庁は、5月30日、レンタル大手のTSUTAYAに対し、同社が供給する動画配信サービス「TSUTAYA TV」の広告で「動画見放題」と宣伝したのは不当だとして措置命令を行った 。
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180530_0001.pdf
https://www.asahi.com/articles/ASL5Z5TCVL5ZUTIL046.html

◎「おカネの若者離れ」(舞田敏彦)が雑誌ビジネスを直撃しているわけだが、「おカネの若者離れ」とは「一億総中流社会」が崩壊し、時代の前景に階級化社会がせり上がりつつあるということではないのか。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10274.php

◎「WIRED」日本版編集長にNHK出版出身の松島倫明が就任した。松島はNHK出版で「FREE」「MAKERS」「シンギュラリティは近い」「ZERO to ONE」「限界費用ゼロ社会」「〈インターネット〉の次に来るもの 」を手がけている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000473.000000930.html

◎マガジンハウスは、新潟県と連携し、新潟の幅広い魅力を首都圏に向けて継続的に発信するポータルサイト「新潟のつかいかた」を立ち上げることとなった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000030125.html
グッジョブ!

◎「ヤングアニマル嵐」(白泉社)が、6月1日発売の7号をもって休刊 する。その一方、9月にエロ系の電子雑誌「ハレム」、年末に「YAの遺伝子を継ぐ、“戦う”青年コミック誌!!!」というキャッチコピーの「ヤングアニマルレジスタンス」(仮)が創刊される 。
https://natalie.mu/comic/news/284688

◎角川文庫創刊70周年の復刊作品を決める、「みんなで選ぶ、復刊総選挙」 の中間結果が発表された。
第1位「たけくらべにごりえ樋口一葉
第2位「舞姫川端康成
第3位「朝のかたち 谷川俊太郎詩集2」谷川俊太郎
第4位「或阿呆の一生侏儒の言葉芥川龍之介
第5位「雁・ヰタセクスアリス」森鴎外
第6位「まざあ・ぐうす』北原白秋:訳
第7位「友情・愛と死」武者小路実篤
第8位「イーハトーボ農学校の春」宮沢賢治
第9位「トロッコ・一塊の土」芥川龍之介
第10位「硝子戸の中夏目漱石
https://kadobun.jp/news/286/52e41cd9

◎オルトプラスと集英社キャラクタービジネス室が共同開発中の新作スマホ向けゲーム「シンエンレジスト」の事前登録数が4万人を突破 した。
http://gamebiz.jp/?p=212080

◎「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載されている赤坂アカの「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」がTVアニメ化されることになった。
https://akiba-souken.com/article/34490/

講談社の漫画アプリ「マガポケ」で連載中「デスラバ」の作画担当・智弘カイが同アプリで配信停止となった第16話を自らのツイッターアカウントを利用して配信した。
「マガジンポケット連載中の『デスラバ』に関して 諸般の事情によりアプリ版から一時削除されおりますが、編集部の許可を頂いたので、本日より配信停止期間限定で無修正版を当Twitterで公開します。本日は先週分の16話です」
https://twitter.com/kai_tomohiro/status/1001849462950510592/photo/1
次のようなリプライがあったことは記憶にとどめておいて良いだろう。
「むしろアプリより高画質で読みやすいw 日本の漫画アプリなどはどれも画質悪いの多くて(字が潰れてたり目が疲れたり)それが無料違法サイトが蔓延る遠因になってるからもっとアプリ配信してる各社とも高画質化して欲しい 」
https://twitter.com/RabbitNS/status/1002219432633024513
オリコンニュース」が掲載した「配信停止漫画『デスラバ』ツイッターで異例の配信 作画&編集担当『読者への還元のため』」は次のように書いている。
ツイッターでの公開を許可した経緯について、『マガジン』の担当編集は『智弘カイ先生のコメントにもある通り、読者の方々から『続きが読みたい』というご意見をたくさんいただきました。何らかのかたちで読者の方々に還元しないといけないと、編集部でも頭をひねっていたところに、智弘先生の方から面白い提案をいただけたので、渡りに船ということで責任者に掛け合って許可をとりつけた次第です』と明かした」
https://www.oricon.co.jp/news/2112684/full/

◎ 宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞に実写ドラマ化を前提とした「U-NEXT・カンテレ賞」 が新設されることになった。USEN-NEXT GROUPの U-NEXT と関西テレビ放送 が協賛する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000031998.html

◎AbemaTV 編成制作本部・制作局長 の谷口達彦 。AbemaTV をマスメディアとして捉えている限り、 AbemaTVに明日はあるまい。次のような発言から革命が起きるとは私には思えないのである。
「・・・番組のクオリティという面では、実際に番組を企画して作っているのがテレビ朝日から出向している若手プロデューサーだったりするので、もともとテレビが作ってきた高いクオリティの番組が制作できていると思っています。ただ、番組のターゲットや放送するプラットフォームが違うので、その作り方や意識する点ががちょっと違うという感じですね 」
http://realsound.jp/tech/2018/05/post-199736.html
YouTube には自由があり、AbemaTVには自由がないのである。何故なら、YouTubeソーシャルメディアであり、AbemaTVはマスメディアなのである。この意味を理解して欲しい。

◎日本国内の専門家の書籍記事を読むことができ、また専門家と繋がれるポータルサイトとして書籍記事を提供することで問題の解決を少しでも図るプラットフォーム「conetto」がオープンした。
http://conetto.net/
運営するのは「galaxy株式会社」。
http://galaxybooks.jp/
galaxy は東証1部 上場のショーケース・ティービーの子会社 である。
https://www.showcase-tv.com/corporate/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000003483.html

講談社の投稿サービス「DAYS NEO」はオープンからわずか2ヵ月で2作品の連載開始となった。5月23日より「水曜日のシリウス」で「もんすたあのえほん」(たかはしゆう)が、6月1日より「BE・LOVE」で「群れる青のPenna」(二階堂幸)が、それぞれ連載がスタートした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001735.000001719.html

◎創刊35周年を迎える講談社の女性ファッション誌「ViVi」は、トヨタの「Amie」発売を記念してコラボ企画をスタートさせた。 メインキャラクターを務めるのは、「ViVi」専属モデルの八木アリサ。ViVi編集部やViVi公式インフルエンサー集団・ViVigirlらも参加し、「Amieと一緒に“映え”るスポットにおでかけ」する。
コラボ企画のメインとして新Instagramアカウントを開設し、「@vivi_amie」アカウントで5月21日〜8月28日までの100日間、「ViVi」ならではの世界観で作り出す「Amie」との“おでかけ写真”を毎日公開する「ViVi&Amie 100デイズ 投稿キャンペーン」を実施する。
https://news.mynavi.jp/article/20180601-639916/

◎「BuzzFeed News 」は「KADOKAWAは『漫画海賊版サイト』に対して、なにをしてきたのか?」を掲載している。
インタビューに応じているのは経営企画局知財法務部海賊版・模倣品対策課課長の高橋剛彦 。
DNSブロッキングで、通信の秘密を害するというが、そもそも侵害の度合いを考えてほしい。例えば手紙を郵送する時、郵便物を仕分けする係員が、送り先の住所を目にすることもある。その程度の侵害だと思っている。まったく害さないとは言わないが、業務上で必要最低限のレベルのことだ。
海賊版サイトのブラックリストを作り、そこにアクセスするユーザーを、警告サイトに飛ばしてほしいというだけの話。これがそんなに大きな害となるのか。
いきなりブロッキングとなるとISPが反発したり、憲法学者の方が意見を言ったりと障壁が多いが、我々としては『では法制化を先行させたら、それに対応してちゃんと動いてもらえるのか』と疑問に思っている 」
https://www.buzzfeed.com/jp/takumiharimaya/blocking-kadokawa?utm_term=.qoZLrObVJ#.hmM47XWxJ

◎「選択」6月号が「企業研究 文藝春秋 名門出版社の俗悪すぎる『お家騒動』」を掲載している。
https://www.sentaku.co.jp/images/backnumber/218/indexpdfeb6ba524b5e4f6cae71c2cbf5f50b928.pdf
5月26日の時点では朝日新聞の記事のタイトルは「『社長は公私混同』 要望書の経緯、文芸春秋常務が語る」であったが、6月1日になると「『文春砲』足元で大混乱 不倫に恐怖政治?反発招く社長」と、元「週刊文春」記者の松田志朗の記事に「不倫」という二文字が登場して週刊誌っぽさが増している。
文芸春秋がジャーナリズムであり続けるためには言行一致が大事。相手を攻撃していることが我が社にあってはならない」
木俣正剛常務の発言である。
https://www.asahi.com/articles/ASL503VGML50ULFA00J.html
https://www.asahi.com/articles/ASL5S5VGZL5SULFA02K.html
こんなツイートを発見した。今年の1月18日に投稿されている。
「文春はやり過ぎの感があるように感じられる。報道の自由表現の自由、国民の知る権利を盾にしているが、そろそろ不倫報道については考えてほしい。 小室さんが気の毒な感がある。文芸春秋社の社員は、一人も不倫、浮気、風俗通いはしていないのであろうか?気になるところである 」
https://twitter.com/miturufurukawa5/status/953874158454108160

◎日経が6月1日付で「『取次業は崩壊危機』 不採算の書籍事業 放置のツケ 日販が物流コスト転嫁交渉、トーハンは社長交代」を掲載している。トーハンは、近藤敏貴副社長が社長に復帰するそうだ。 藤井武彦社長は退任 。近藤は中央ではなく明治の出身。
「本を配送する取次会社が岐路に立っている。採算が低い書籍事業を長年放置したことが響いており、物流費の高騰なども追い打ちをかけている。業界2位のトーハンは経営陣を刷新する方針を固め、創業以来初の赤字となる最大手の日本出版販売(日販)は出版社に26年ぶりで上昇した物流コストの一部を転嫁する。ただ構造的な問題を抱えるだけに解決は難しい」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31270560R00C18A6TJC000/
書店もとうの昔に「崩壊危機」を迎え、書店の兼業化が物凄い勢いで進んでいる。出版社も中小零細出版は「崩壊危機」にある。例えば・・・私の本棚に「君はグラムシを知ってるか? 」や「ポストアメリカニズムとグラムシ 」「永井荷風と部落問題 」が収まっているリベルタ出版が4月末日をもって出版活動を「卒業」することになった。
どのプレイヤーも「崩壊危機」にあるわけだが、では「出版」は崩壊危機にあるのだろうか。否である。極端なことを言ってしまえば出版業が崩壊してしまうとも、出版はびくともせず未来を紡ぎつづけるのだ。

三浦しをんの駅伝小説「風が強く吹いている」(新潮社)がTVアニメ化され、今年10月より日本テレビBS日テレ他にて放送開始される。
https://animeanime.jp/article/2018/06/01/37966.html
出版コンテンツは映像コンテンツの「素」である。

◎マンガ家の土山しげるが亡くなった。代表作は「週刊漫画ゴラク」に連載された「食キング」や「喰いしん坊! 」だろう。
https://www.sankei.com/life/news/180601/lif1806010012-n1.html
「週刊大衆」は「訃報」としてツイート。
「弊誌『週刊大衆』で『東北めし』を連載中だった土山しげる先生が5月24日、逝去されました。 精力的に取材し、好みもはっきりしていた先生の作品は正直で、多くの方に愛されていたのだと思います。 心から哀悼の意を表します」
https://twitter.com/Weekly_Taishu/status/1002416858174128130
「月刊コミック乱」も訃報をツイート。
「5月24日、土山しげる先生がご病気のため逝去されました。訃報に接し、驚きと共に生前の笑い声が思い出されてなりません。『勤番グルメ ブシメシ!』『借王』をはじめ、土山しげる先生には数多くの作品でリイド社を盛り立てていただきました。心からご冥福をお祈り致します(コミック乱編集部) 」
https://twitter.com/gekkancomicran/status/1002400256435281920
集英社インターナショナルも訃報をツイート。
「弊社刊行の『今夜はコの字で』の作画をしていただいた漫画家の土山しげる先生(68歳)が、2018年5月24日、がんのため逝去されました。哀悼の意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします 」
https://twitter.com/Shueisha_int/status/1002403333372596224
「週刊漫画アクション」のツイート。
漫画アクションで『極道めし』『闘飯』『〆のグルメ』を連載して頂いた土山しげる先生が逝去されました。『〆のグルメ』の連載を続けることは叶いませんでしたが、最後まで、読者を楽しませる原稿を描いて頂いたことは忘れません。心よりご冥福をお祈りいたします。(担当渋谷) 」
https://twitter.com/manga_action/status/1002408485961658368
これは瀬戸康史のツイート。
「『ブシメシ!』の原作者、土山しげる先生が亡くなられた。 とても魅力的な武士と出会わせてくれた事に感謝です。 ご冥福をお祈りいたします」
https://twitter.com/koji_seto0518/status/1002469441655922688
最後は「週刊漫画ゴラク」のツイートで締めよう。
「2018年5月24日「荒野のグルメ」を連載されておりました 土山しげる先生(68歳)ががんのためご逝去されました 数々の名作を発表し続け我々を楽しませてくれました 編集部としてもまことに残念でなりません ご愛読いただいた皆様に感謝申し上げるとともに 謹んで土山先生のご冥福をお祈り申し上げます 」
https://twitter.com/BETSUGORAKU/status/1002418573480873984

◎ニューズピックス は幻冬舎と共同で、ビジネス誌「NewsPicks Magazine」を季刊誌として創刊する。価格は980円(税抜)。
https://www.uzabase.com/company/news/newspicks_magazine/

実業之日本社文庫から「リアルフェイス」が刊行される知念実希人 のツイートだ。
「本日実業之日本社の倉庫に伺い、来週発売の『リアルフェイス』のサイン本をなんと2000冊も作らせて頂きました。計6時間ほどサインし続けたのでさすがに腕が痛いです。まもなく全国の書店さんに発送されますので、少々お待ちくださいね 」
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1002142385701244928

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3)【人事】光文社 機構及び人事(平成30年6月1日付)

【機構】
ディアビジネス局広告管理部を廃止する

【人事】
大給近憲
新:第一編集局長
旧:第一編集局長兼女性自身ブックス編集長兼Mart編集長

渡辺清
新:コンテンツビジネス局長
旧:コンテンツビジネス局長兼書籍コンテンツ事業部長

塚瀬洋一
新:業務局長
旧:総務局担当役員付(局長待遇) ※光文社サービス株式会社への出向を解く

丸山弘順
新:総務局担当役員付(局長待遇) ※光文社サービス株式会社へ出向
旧:業務局長

内野成礼
新:第一編集局女性自身編集長兼女性自身ブックス編集長
旧:第一編集局女性自身編集長

西口徹
新:第一編集局Mart編集長
旧:第一編集局Mart副編集長

藤井智
新:コンテンツビジネス局書籍コンテンツ事業部長
旧:コンテンツビジネス局書籍ンテンツ事業部部長代理

中沢淳司
新:業務局業務部長
旧:マーケティング局宣伝部部長代理(部長待遇)

加藤潔
新:マーケティング局宣伝部部長代理(部長待遇)
旧:業務局業務部長

北山恵
新:広告部部長代理(部長待遇)
旧:メディアビジネス局広告管理部長

浅沼隆之
新:広告部部長代理
旧:メディアビジネス局広告管理部部長代理

海老原進
新:広告部部長代理
旧:メディアビジネス局広告管理部部長代理

宮本修
新:総務局厚生部副部長
旧:コンテンツビジネス局書籍コンテンツ事業部副部長

小松伸司
新:第一編集局女性自身副編集長
旧:第一編集局Mart副編集長

梶正宣
新:第一編集局女性自身副編集長
旧:第二編集局FLASH副編集長

山崎喜宏
新:第二編集局FLASH副編集長
旧:第一編集局女性自身副編集長

檀將治
新:販売企画部副部長
旧:マーケティング局雑誌販売部副部長

金子育栄
新:文芸局文庫副編集長
旧:文芸局文庫副編集長兼コンテンツビジネス局ライツ管理部副部長

篠崎広道
新:広告部副部長
旧:メディアビジネス局ブランド事業部副部長

布宮文
新:総務局厚生部主任
旧:メディアビジネス局広告管理部主任

大橋茜
新:第一編集局女性自身編集部デスク
旧:出版局ノンフィクション編集部デスク

永林あや子
新:第一編集局Mart編集部デスク
旧:第一編集局女性自身編集部デスク

間島真美
新:雑誌販売部主任
旧:マーケティング局販売企画部主任

高林功
新:マーケティング局販売企画部主任
旧:文芸局文庫編集部デスク

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4)【深夜の誌人語録】

忘れたいと思えば思うほど忘れないものである。逆に忘れまいとすれば簡単に忘れられるものである。