「ピグマリオン〜人形姫〜」 甘棠館Show劇場

teru10162018-12-07


19時〜 1800円 舞台処 粋の幸 × 西南学院大学

原作 ジョージ・バーナード・ショーピグマリオン
   ハンス・クリスチャン・アンデルセン(人魚姫)
構成・演出 中島絢子

ロンドンの下町で花を売ってその日暮らしをしているイライザ
「花ぁ買っちくりよ、大将。半クラウンなら崩せっからさぁ」
強烈な訛りの花売娘のイライザを半年間で上流貴族のお嬢様に仕立て上げる
という一大遊行に沸き立つ言語学者のヒギンズと盟友ピカリング。
イライザは下町の貧乏暮らしを抜け出すために己を捨てて地獄のレッスンを始める。
一方海の底の人魚の国では末娘が陸の王子のために美しい声と引き換えに
足を授けられるが姫はその王子と結婚しなければ海の泡となって死んでさまう。
眼の前のチャンスは自分が変わるための神様からのギフトで
尚かつ現世で受ける業ででもそんな観念的なことよりもとにかくすごく痛
(ちらしより)

映画、「マイ・フェア・レディ」の原作となった「ピグマリオン
日本では先日「舞妓はレディ」にも化けていた。
それだけアレンジしやすい内容で多くに受け入れられる作品なんだろうと思う。
そのピグマリオンと人魚姫をミックスさせて演出しているのは初演出の中島絢子さん。

若い彼女の感性で4人芝居が出来上がった。
それぞれの話しは全く別方向を向いているのだけど、中島さんはそれぞれに
同じ疑問を持ったようだ。結論としてすっきりはしないけれど、答えはでなくとも
自分の物語を生きていかなければならない。という話しに仕上がったようだ。

4人のキャストのうち、人魚姫役の長沼さんだけが明るい派手な衣装、メイク、髪の色で、
残りの3人は黒を基調とし地味な衣装だったのだけど、イライザは女装でも良かったのではないだろうか。
と、観客目線の私は勝手に思うw いや、これにはちゃんと根拠のある演出の考えなのだろうとは思ったのだが。
冒頭のシーンがお寺での勤行のような感じで気持ちがうずうずっとして話しにうまく入り込めたのは良かった。

ちらしの解説の最後の「痛」の文字に象徴されているような、鋭い痛みを演出、役者たちは
どうやら味わったようだ。観てる側もちょっぴり痛い思いを味わった。

キャスト
石橋半零、加藤久美子、長沼里佳(最新旧型機クロックアップ・サイリックス)、小湊倫子