一年ぶりで復活

さて、一年間放置しておりましたが
この度、またこちらを更新してゆこうと思います。

事のきっかけなどなく、本当にただの気まぐれという怠け者なものでして・・・・
去年は一年間ずっと妖怪描いたりしておりました。
今年ももちろんペースダウンはするのですが続けていこうとおもっております★

そして去年一年妖怪を描いたので、今年は文字での妖怪解説でもしてゆこうと思いログインした次第。
妖怪以外、最近古代日本文化の俗学にも興味を持ち始め色々文献あさり始めたので
そちらも何かこう絡めてやっていけたのなら幸い。

ま、まぁ、これもまた気まぐれなので申し訳ないです。

気長に見てやってください。

と、いったところで本日は御暇させていただきます。

長壁姫〔オサカベヒメ〕

刑部狐、刑部姫とも言われています

さて、言わずと知れた長壁姫の事でも

狐好きなら知っている
妖怪好きさんも知っている
今更ですがお付き合いくださいませ

あの白鷺城の天守閣のお姫様でございます
緋色の袴の30代くらいの美しい女性とされ
妹に会津の亀姫がいるとされています

そして、彼女が双頭の悪狐だったという事は江戸時代までは幅広く知られていましたが現代ではなかなか隠れてしまっております
文化6年式亭三馬・作の長壁姫明石物語は特に有名で様々な本でも紹介されている様です

これは、大陸から渡ってきた妖狐(蒼光九尾とは別者の双頭の狐)が長壁姫に憑きそれを追い出して祀る話で、後にその狐が国家鎮護の守り神となり天守閣に住み着いた的なもの
私も長壁物語はちゃんと読んだことがないので何故祀られたのかとか、そもそもどうして大陸から渡ってきたのかなどは申し訳ないのですがさっぱりでございます。

他にも、長壁姫宮本武蔵を題材にした物語に出てきていたり、諸国百物語や現代では漫画や小説にもよく登場しています。
どうも長壁姫明石物語の続編的なものも後に書かれたという様な話もございます(事実不詳)
長編物語にはもってこいの妖怪姫です

城に鎮守する妖怪として有名でしたが、気になる方は狐さんだった頃の話を調べてみるともっと長壁姫が好きになるかもしれません
亀姫との関係は一部文献で紹介されているだけの様ですのであさってもあまり出てこないと思います

というかあまり出てきませんでした・・・・

そんなわけで今回は長壁様でした
といっても、あー双頭の狐だったんだー程度しか収穫がなかったかもしれませんね
すみません
私自身も妖怪勉強中の身ですのでまだまだ未熟なので
そのうち追記させていただくかもしれません色々と・・・・

ではでは今日はこのへんでm(・・)m

余談
崇徳天皇といい将門といい悪いものを祀って神とする
って怨霊信仰好きですね日本人w

はこび

家の中におり
人が置いた物を別の場所に動かしたり、または置いた場所から落としたりする怪で
巷ではポルターガイストという言葉で有名です

家鳴りなどと同一とされてしまい詳しい事は分かりませんが
害はなくただ物が知らぬ間に移動しているだけなので自分の仕業の時もある様な気もします…

百人一首のまじない

夏ですねw古典怪談がオイシイ季節になってまいりました
私の住む地域はもうお盆も終わってしまい町は若干気分が秋になっていますが
個人的脳みそはまだまだお盆刻でございます
今回は妖怪ではありませんが
猫好きならおそらく知っているだろうマジナイでもご紹介しようと思います
というのも母上とさっきそんな話題で盛り上がったので・・・

さて本題

小倉百人一首中納言行平の歌に

たちわかれ
いなばのやまの
みねにおふる
まつとしきかは
いまかえりこむ

というものがありまして

もう分かる方は分かると思いますが
この歌はいつのころからか、いなくなった猫がかえってくるまじないとして噂では有名になっています
私が知ったのは母に教わったのがきっかけでございます
やり方は諸説あるため、どれが正しいのかは定かではない
なんとも気休めなまじないなのですが
飼い主には希望になる事は断言します

我が家でも数年前、長野にいた時に猫がいなくなった事がございました
その時に、どこからともなく母が仕入れてきたのがこの一首の句です

母が仕入れてきたやり方はこの句を(心で)詠みながらひたすら探すというもの
我が家の愛猫はこの呪文のおかげかどうかは分かりませんがその日の夜、家の裏手にあった祠の立つ雑木林の木の上で遭難していたのが発見されまして庭師さんをタウンページで呼んで降ろしてもらった事があります

他にも下の句だけを紙に書いて玄関に貼るとか、赤い紙に書いて猫の通り道に貼るとかあるみたいですが実際はどうでしょうか・・・・

そもそもこの句は簡単に言えば
因幡に帰るが君が待っていると聞けばすぐに帰るよ・・・的なものなはず
だから飼い主がこの句を詠むのは若干疑問に感じるのは私だけ?
だって帰りを待っているのは猫ではなく飼い主でしょう?

とか・・・・
すみません夢を壊すようなことを言って・・・・

ともあれ、なかなか評判の良いまじないらしく
効果ありなし関係なく有名になっているのは間違いないようです

余談
黒髪の乱れてけさはものをこそおもへ
この句が何故か怖くて仕方ない私でした


ではでは

藻の花ランチュウ


江戸時代に発刊された梅花氷裂という伝奇小説に出てくる
藻の花という娘が取り憑いた怪魚
「金魚のお化け」として有名

物語の中で藻の花は信濃守護職小串の家臣の家に妾として迎えられた美しい娘なのだが、ひょんな事から隣に住んでいた藁文太(さぶんた)という男に逆恨みされ
その藁文太にそそのかされた正妻により拷問され殺されてしまう
その無念が飼っていた金魚に取り憑き、怪魚となった藻の花金魚は
正妻を金魚の様な姿に変えてしまう

この藻の花の怨念が移った金魚がランチュウという金魚の始まりだとされる

妖怪やお化けが元になっている物事って意外と多いすね
以前にも書いたかもしれませんが「件の事柄」の意味をもつ「事件」という言葉も
「件ーくだん」という妖怪が元になっていますし
「怖い」も「狐者異ーコワイ」から「雷」も「神鳴」からとも言われています
日本語の中にはまだまだ色々ありますが
それはまたの機会にでも

魑魅・魍魎[チミ・モウリョウ]

さぁ、妖怪好きさんや某小説好きさん、知る方は知っておられるでしょうが…

魑魅魍魎です
そもそも魑魅って?魍魎って?
というわけで簡単に諸説の一つを紹介

まず、魑魅魍魎と言うと山川自然の妖怪精霊全般をさすとされています。

さて、次に魑魅と魍魎に分けてみます。

魑魅は山の怪で、山林の気から生まれる怪物とされ、見た目は巨獣や半獣、思念霊などがあり、人を惑わせるとされる。
また邪魅とも呼ばれる他、山之神、魑(スダマ)ともいわれます。


それでは次に魍魎

魍魎とは魑魅→山の怪に対して山川、木石の精とされ、あらゆる自然の気から生まれ人を化かすのが特徴。
いささか美しいイメージがあり水之神とも言われます
しかし一般的には「今昔画図続百鬼」の黒髪に褐色皮膚の小鬼が有名です。


魑魅が人の心を惑わし
魍魎が人の心を化かす
とされ、それを両とする存在
即ち、奇々怪々な存在とされる妖怪、精霊をひっくるめて、人を謀り騙す邪な者を「魑魅魍魎」と呼ぶ様になった説もあるそうです


某、小説では魍魎とは光と闇の間にあるちょうどぼんやりとした影の部分という様なものもありましたよね★