小説も、「花より男子」的純愛ラブロマンスの時代?


クジラの彼

クジラの彼

ん〜、これも面白かった!!
この作者は自衛隊に勤務する人の話を書くのが大好きなようで、それをまっすぐ路線として描き出しているところが素敵☆ そして、この短編集におさめられているのは、ちょっぴりはずかしくなっちゃうような純愛ラブロマンス。


昨今、「花より男子」「冬ソナ」などが人気を博しており、その定義として私が考えるのは「くっつきそうでくっつかない、二人を阻む妨害が愛を強くする、手を繋ぐまでに多大な時間を要する純愛ラブロマンス」である。


イマドキの恋愛のように、「つきあっているのかわからないけどHはする」「出会い系で出あって、メールでのやり取りが“おつきあい”で、1〜3週間で“別れる”」というようなものとは、全く世界を異にする。


どんなに障害があろうと、どんなに会えなかろうと、どんなにつきあっていくのが大変で辛くて困難だろうと、「この人しか、ありえない」という感覚。これが現代のフリー恋愛戦国時代においては忘れ去られている。そのために、今純愛ラブロマンスが求められているのではないだろうか。


長くなったけれど、この「クジラの彼」、潜水艦のりさんである。潜ってしまうと、居所も分からないまま1〜3ヶ月連絡も取れないし、会えないし、安否さえわからない。そんな彼と付き合っている女の子の話。素敵だった!そうなのですね。すぐ会えるとか、おいしいものごちそうしてくれるとか、こまめに連絡してくれるとか、そういうのが愛ではないし、「素敵な恋愛」ではないんだよね。
いや〜もうこの人しかありえないから、仕方がない」っていうことなんだよね。道明寺にとってのつくしなんだよね。真の恋愛っていうのは。そういう人に出会ってしまったら、もうお気軽な恋愛や楽しい恋愛はできないと腹をくくるしかないのでしょう。


なんだか話がそれたけど、この作者があとがきでも書いていたのですが、この「くっつきそうでくっつかない」恋愛のテキストとしてなつかしいものがあげられていました。

逆恨みのネメシス (コバルト文庫)

逆恨みのネメシス (コバルト文庫)

そして、星へ行く船 (コバルト文庫)

そして、星へ行く船 (コバルト文庫)

これ、たぶん中学生の頃に読んでいたんだと思うんだけど、すごくおもしろくてワクワクして、夢中で読んだ記憶があります。これ以来なんとなくSFが好きなのかも。宇宙船に乗って、いろんな星へ行って、そこでトラブルを解決するっていう物語です。主人公の女の子は19歳からスタートして、少しずつ成長します。そのなかで愛する人との関係も成長します。つい、なつかしくなって図書館で「星へ行く船」だけ見つけて読みました。10年以上たっているけど、なんとなく覚えていて、やっぱりおもしろかったです☆


今日は風邪をひいていたので、ベッドでうつらうつらしながら読書三昧。さらに図書館から借りたのがこちら。こちらも純愛ロマンスっぽかったので。

また会う日まで

また会う日まで

でも・・・ビミョウでした。
たぶん、作者にだけは分かっているんだろうと思われる切ない大切な感覚。それを伝えようとしているんだか、伝えたくないんだか・・・。最後まで読んでもビミョウによくわからない。読者が置いてけぼりにされる。「あー、作者はわかんってんだろうなー」というのだけは、伝わってくる。でも、それって、小説じゃないんじゃ・・・?と思いました。伝えたくないくらい大切な感じなんだったら、書かなきゃいいのにね☆