いつか読書する日

あ、奇しくも今日がキネ旬のベスト10の発表だったんだ。

【日本映画】(1)パッチギ!(2)ALWAYS 三丁目の夕日(3)いつか読書する日(4)メゾン・ド・ヒミコ(5)運命じゃない人(6)リンダ リンダ リンダ(7)カナリア(8)男たちの大和/YAMATO(9)空中庭園(10)ゲルマニウムの夜

 【外国映画】(1)ミリオンダラー・ベイビー(2)エレニの旅(3)亀も空を飛ぶ(4)ある子供(5)海を飛ぶ夢(6)大統領の理髪師(7)ウィスキー(8)スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(ふくしゅう)(9)キング・コング(10)ヒトラー〜最期の12日間

日本映画は(2)、(5)、(8)、(10)は見てない。角川歴彦にとっちゃあ、うっとうしい存在でしかない角川春樹の映画が入ってるのは評論家たちのレジスタンスでしょうか。

外国映画は(2)〜(5)、(7)と見てない。またイーストウッドが一位かよ!

キネマの星座日本映画2005ベスト

さて今日は日本映画のベストでございます。例年、リバイバルを見る機会が増えまして鑑賞本数が増えても見ている新作は数が減っていまして今年は昨年の66本を大きく下回る50本。だんだんベスト30も選ぶのはしんどくなってきますが、今回も無理やり選びました。評価基準は1月4日の日記を参考にしてください。なお、今回ははずしましたが「<シネマ歌舞伎第一弾>野田版・鼠小僧」や劇団☆新感線の「髑髏城の七人〜アカドクロ〜」「髑髏城の七人〜アオドクロ〜」と言ったゲキ×シネシリーズは質的にも興行的にも成功した作品で映画館という空間のひとつの可能性を示したような気がします。考えてみれば日本映画の父と呼ばれるマキノ省三が芝居小屋の出身であったことを考えても映画は一期一会で楽しむものだった舞台を記録して大衆に見せるツールとしてスタートしたわけです。それが舞台にはできないことに挑戦して、映画を確立していったのが戦前の映画の発達史になるわけです。それを逆にたどったのが今回の試みですが、カメラや音響を駆使して舞台の醍醐味を充分に伝えることに成功しています。まあこれは実際に見てないのだから想像でしかないわけですが、少なくとも退屈な舞台中継に比べるとずっとよかった。工夫もそうですが、やっぱ映画館というのは物を見るのに最高の場所であることがまた確認されたわけです。DVDが発達してもやはり私は今年も映画館で見る映画にこだわっていきたいです。





前口上が随分長くなりました。さて始めます。例によって10位までコメント付き。






1位:いつか読書する日
→久しぶりにフィクションの強さというものを思い知らされた作品であった。何もないところから作品を作り上げて観客を魅了する、映画というものの素晴らしさとそして映画監督という職業を本当にうらやましく思った作品であった。関西で大ヒットを記録したのも喜ばしいことである。

いつか読書する日 [DVD]

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いつか読書する日

いつか読書する日

2位:火火
→「いつか読書する日」と言い、本作と言い、この年は田中裕子の年であった。ここ最近軽い役が多かった彼女だが本気を出すとこれぐらいの作品が年に二本もできてしまうのである。存在感、演技力の確かさでは当代一であることが改めて確認された。母親として陶芸家として生きている実在の女性を力強く描いた高橋伴明の演出力も素晴らしい。

火火 [DVD]

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3位:妖怪大戦争
→日本の「ロード・オブ・ザ・リング」を目指して作られた妖怪映画。大戦争なのにちっとも戦争していないところが微笑ましい。三池崇史の遊び心がきっちりと生かされて、退屈しないで見ていられる作品になっている。神木隆之介君もよくがんばりました。

4位:父と暮せば
→女優・宮沢りえはこの映画で確認できる。原爆で父親を失った娘と幽霊となって娘を見守る父親とのやり取りが丁寧に描かれている。黒木和雄もいよいよ油がのってきた。

父と暮せば 通常版 [DVD]

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5位:パッチギ!
→映画監督井筒和幸が完全に復活を遂げた作品。京都でのロケを中心にテンポよく佳作を撮りあげている。ラストの出町柳での決闘が印象的。脇役でオダギリジョーが出てて存在感を発揮している。

6位:真夜中の弥次さん喜多さん
宮藤官九郎の初監督作品。独特すぎるキャラクターに奇想天外なストーリーにアホすぎるくすぐりで頭が混乱するが最期まで引っ張る馬力とほろっとさせるシーンをラストに持ってくるところは非凡なものを感じた。

7位:極道の妻<おんな>たち 情炎
東映の若きエース、橋本一監督作品。ドラマは平凡だが、スピーディーな展開にキレもコクもある銃撃アクションが効果的で素晴らしい出来栄えになっている。今年も不調だったがまだまだ「弾が残っとるがよ。。」と意地を見せた。くだらん外様呼んで来なくてもこの人に年2本も撮らせたら充分面白い作品ができると思うが。

極道の妻たち 情炎 [DVD]

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8位:緑玉紳士
→日本では珍しいパペットアニメーショングリーンピースをモチーフにした主人公が少しくすんだ町並みでジャズの音楽に乗ってコロコロ転がる軽快なアニメーション。ジャッキー・チェンの映画よろしく、周りにあるもので懸命に敵と戦って逃げ回るシーンがとっても楽しい。

緑玉紳士 通常版 [DVD]

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9位:「カナリア
→才人・塩田明彦の作品。カルト宗教団体から逃げ出した男の子と家庭崩壊した少女とのロードムービー。ひりひりするほどのリアリズムを貫きながらもラストで現実を飛び越えてみせる姿は鮮やか。宗教団体に安住の地を求めながらも世間に舞い戻った幹部を西島秀俊が好演。「銀色の道」の使い方が秀逸でいつまでも耳に残る。

カナリア [DVD]

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10位:魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE
→相当にバカくさい映画であるが、今年最も笑ったのがこの作品であった。監督の山口雄大はバカ映画の監督みたいなイメージがついてしまったが、多くの登場人物を裁きながらドラマを作っていく構成力、演出力はもっと評価されてよい。

魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE 通常版 [DVD]

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11位:メゾン・ド・ヒミコ

12位:イン・ザ・プール
イン・ザ・プール [DVD]

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13位:この胸いっぱいの愛を
この胸いっぱいの愛を -未来からの“黄泉がえり

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14位:リンダ リンダ リンダ
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15位:ゴーストシャウト
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16位:大停電の夜に17位:空中庭園
空中庭園 通常版 [DVD]

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18位:サヨナラCOLOR19位:容疑者 室井慎次
容疑者 室井慎次 [DVD]

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20位:NANA
NANA -ナナ- スタンダード・エディション [DVD]

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21位:帰郷
帰郷 特別篇 [DVD]

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22位:蝉しぐれ23位:TAKESHIS’
TAKESHIS' [DVD]

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24位:ニワトリはハダシだ
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25位:同じ月を見ている26位:釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった
釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった [DVD]

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27位:銀のエンゼル
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28位:トニー滝谷29位:交渉人 真下正義
交渉人 真下正義 スタンダード・エディション [DVD]

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30位:隣人13号
隣人13号 [DVD]

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22位以下はどうでもいいです。適当に選びますた。

日本映画2005年ワースト

 さてワーストの方だが今年は本当に駄目な映画が多かった。ベスト選ぶのにはそこそこ時間がかかったがワーストはすぐに決まった。差が歴然としておるのだ。またそんな映画に限ってヒットしたりしてるのだから頭を抱えたくなる。まあヒットと作品の質にあまり関係がないのは昔からですけどね。大作はそれでもいいが、待機作品が多いミニシアターでの外れはマジでむかつく。こんなの上映するのなら別のやつ、上映してくれと思う。上位5作品ははっきり言って論外で映画とも思いたくない。金とって見せるのは罪だ。いずれも役所広司が出ている。もっと仕事を選んでほしい。


 なおワーストにはこれらに加えて海賊版撲滅キャンペーンのCMも入れたい。映画館にわざわざ足を運ぶ人が海賊版なんか見るわけないやろ。何回も見せられると厭になる。谷村美月ちゃんもこんな仕事させられて可愛そうだ。今年はもう辞めてほしい。

1位:ローレライ
2位:カーテンコール
3位:レイクサイド マーダーケース
4位:タナカヒロシのすべて
5位:ミラーを拭く男
6位:戦国自衛隊1549
7位:ジーナ・K
8位:亡国のイージス
9位:七人の弔
10位:東京ゾンビ

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