鈴木其一

サントリー美術館にて
鈴木其一の展覧会を見てきました


朝顔がすごいのです


ニューヨーク、メトロポリタン美術館にあるという
鈴木の朝顔
目が離せませんでした


言葉でいうと、陳腐なのですが
あえて、チャレンジしてみましょう


迷い込むような、引き込まれるような
魅力があります
実際、相当大きな、二曲ある屏風ですから
離れてみないと、視界に全部が入りません
そこで、数歩離れて、見ています
そこから、ある朝顔に向かって、静かに歩いて
近づいたりしたら、そのまま、絵のなかに迷い込みそうです


解説にもありましたが、朝顔は自立して、伸びていくことは
ないですね。ゆえに、現実にあるのは、なにか竹垣などに
からまって、伸びていく姿のはずです
絵、ですから、それは作者の自由かもしれないですが
大胆にも、空中にいわば、舞を舞うように、朝顔があるのです
そして、その花は実際より、ずいぶん大きいです


こうして、少し遠近法だとか、実際の大きさを無視して
ということで、思い出す絵が、京都智積院の、長谷川等伯親子の
絵ですね
あの、桜図、楓図をみたときも、目が離せなかったです


朝顔図、青、緑、金という3色のみの色なのですが
その色、とくに青がすごいのです


2013年、日曜美術館で、解説があったのですが
その青は、岩絵の具を、わざと、膠を少なくして、絵の表面に
絵具の粒子が、ざらりとでるように、描いてるということが
メトロポリタン美術館での、研究で、明らかと、でてきました


そのことにより、表面がざらついていることで、光が乱反射して
厚みのある、ぽってりとしたというか、質感の表現をめざしてる
ということ。これも、みていて、引き込まれるような
気持ちにさせることの、理由のひとつかもしれません


鈴木の絵をはじめて意識したのは
もう10年ほどまえだったと思います。若冲で有名な
ジョー・プライスコレクションを、上野でみたときに
鈴木の、鶴が飛ぶ、金屏風があったことだったと
記憶します


見方が凝っていました
太陽光だとか、現代の明るい光でみると
ともすると、くどいようにも見える、「金」が
ろうそくでみると、摩訶不思議に魅力あるものに
なるのです。
だんだん暗くなる部屋というのを、表現していたと思います
鶴が浮き立ってくるのです


今回、サントリー美術館の、鈴木に対する、なみなみならぬ
思い入れを感じました
もう一度、見にに行きたいと思います