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『夫婦茶碗』町田康

夫婦茶碗 (新潮文庫)

夫婦茶碗 (新潮文庫)

疲れた。

仕事とか、人間関係とか、いろいろ。


じゃあ、楽しよっか〜といわけにもいかず、

まあ、人生いろいろしんどいわけです。



そんなときに、まあ、不謹慎といいますか、

主人公のクズっぷりは、筋金入り!

一話目は、金がない。働かない。

二話目は、節度がない。良識がない。

いったいまあ、どこまでふざけてるんだろう、この本は。



ところが、本の中だから成立するような馬鹿馬鹿しさでいて、

でもどこかで、

こんなバカな人生を送っている奴が、もしかしたらいるのあるかもしれぬと、

妙な期待までいだかせてしまう。


不思議な本ですよ、この本は。



本当に全く、なんなんだこの本は。


疲れた心と体が、

現実の人生を塗り替えるようなばかばかしさを求めているのかな、

羨ましくも思えてしまいます。



で、読み終えたらなんだかちょっと、人間って悲しいな、なんて思った。


どんなふうに生きても、悲しいものなのかもしれないな、人生なんて。

なーんて。


ふざけ方もよくわからない、どこまでいっても真面目だな、私は。