啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

キヌア(Quinua)・キノア (Quinoa)という名の穀物

「キヌア(西: Quínua、学名:Chenopodium quinoa)キノア (Quinoa) はヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物で[1]。アカザやホウレンソウは近縁である。南米アンデス山脈の高地アルティプラーノにおいて、数千年前より食用に栽培されている擬似穀物(英: Pseudocereal)であり、トウジンビエ、シコクビエ、キビ(黍)、アワ(粟)、ヒエ(稗)などと同様に、雑穀に分類される[2]。国際連合食糧農業機関(FAO)によると、2013年の年間生産量は世界全体で約10万トンで、ミレット(millet:トウジンビエ、シコクビエ、キビ、アワ、ヒエなど)の2986万トンの約300分の1でしかなく、生産国もペルー、ボリビア周辺に限られている。」

「キヌアの穂は品種により、赤、黄、紫、白など様々な色を呈し、直径約2mmの種子を一つの房に250-500個程度つける。脱穀した種子は白く扁平な円形をしており食料となる。冷涼少雨な気候でもよく育 ち、逆に水はけの悪い土地では種子の収量は大きく減る。
キヌアの草丈は1-2メートルと高く分枝は少ない。主幹は半木質で葉は波状のものから歯状のものまで多用な形態で幅が広く先端は狭くなり鋭い歯状である。花は伸び出した草質の円錐花序で花被片は5枚である。現在のキヌアの栽培種には栽培地に応じて「高原型」、「塩地型」、「谷型」、「海岸型」の4つの品種群がある。高原型はアンデス山脈の標高3000メートル以上のアルティプラノで栽培される。塩地型はボリビア南西部のウユニ塩原周辺で栽培される種、谷型はクスコより北の谷間で栽培されるもの、海岸型はチリの中部(中緯度)海岸地帯で栽培されている。キヌアは数千年の栽培の歴史があるが、植物毒であるサポニンを種子の表面に含み、種子の脱落性がある等、野生種の特徴を保持している。他の栽培作物では人類による数千年の栽培の過程で利用に適するよう人為選択されるが、キヌアにおけるサポニンの保持は、キヌアが栽培される土地では植生が乏しく鳥獣による食害を防ぐ為ではないかと推察されている。
キヌアはコロンビアからボリビアにかけてのアンデス山脈一帯が原産と考えられており、5-7千年前ごろから野生種の利用が始まり、3-4千年前頃には栽培が始まっていた。 海抜ゼロメートル地帯から標高4000メートルの半乾燥地帯(温帯ステップ気候)で生育するが、アンデス地方では主に標高2500メートル以上の地域で栽培されている。ウユニ塩原北方の標高約4000メートルのチパヤでは降水量が少なく土壌の塩分濃度が高い為、他の作物が育たずキヌアが唯一の作物となっている。
インカ文明ではキヌアはトウモロコシと同様に貴重な作物であり、「穀物の母」と称され神聖な作物と見なされていた。季節の始めにはインカ皇帝が金の鋤で種まきの儀式を行なっていた。 スペインのインカ帝国征服後、スペイン人はインカ文明を払拭し現地人を同化させる為に、キヌアの栽培を禁止した。他の中南米原産のトウモロコシ、ジャガイモ、インゲン豆他は、スペイン人により世界に広まり、全世界の主要作物となったが、キヌアは広まらなかった。
2011年の生産量は、ペルーが41,168トン、ボリビアが38,257トン、エクアドルが816トンであった。南米以外では生産はほとんど無い。
痩せた土地でも栽培ができるため、モンゴルなどの気候条件が厳しくもっぱら遊牧が行われてきた地域などでも栽培が試みられている。
1990年代以降の降雨量の減少の為に、それまで栽培されていたラッカセイが育たなくなったインドのアナンタプラム県ではキヌアの栽培が試みられている。」< 引用: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/キヌア >