「恋愛ゲーム」という言葉は通りが悪いので説明します

 私の評論集などにおいてよく用いる用語「恋愛ゲーム」について、「エロゲー」や「ギャルゲー」と比べて通りの悪い言葉だと思います。そこで、今回は『永遠の現在』において注意書きをしておりましたものを転載しておきます。以下、ご参考まで。

 (恋愛ゲームとは)秋風碧氏によるゲームの分類。恋愛要素を持ち、シミュレーション・アドベンチャー・その他の形式を持つゲームの総称。詳細はRagna Archives Network(http://www5.big.or.jp/~seraph/zero/research.htm)以下を参照。用語の特徴として、恋愛要素を主眼とするため、必然的にシナリオの要素が大きくなる傾向を持つと論者は考えている。
 この手のゲームのジャンルとしては、これまでに様々な呼称が存在するが、「美少女ゲーム」では、ゲーム黎明期からの単純なゲームやシナリオ要素がごく少ないパズル・脱衣麻雀等のゲームを含み、今回論考の対象とするには該当要素を持たないゲームが多く含まれると考えている。
 広義の「ギャルゲー」も同様に、少女等が出演していれば幅広く含まれるため、アクション・シューティングや戦略シミュレーション等も含むため、これらもまた今回のシナリオ要素を重視するものと認識を異にするものが多い。しかし、「美少女ゲーム」よりは、やや現在主流のアドベンチャー・シミュレーションの傾向が強く、恋愛要素も多いと受け取られやすい印象を個人的には有している。
 また、狭義の「ギャルゲー」では、後述の「エロゲー」を捨象し、18禁作品を含まないコンシューマにおけるギャルゲーのイメージを強く持っており、この場合、直接的な性描写のある作品を排除することとなるとの印象を持つ。
 さらに、「エロゲー」では所謂18禁描写が必須となっており、性描写の存在しない一般向けゲームが一切捨象されてしまう。また、この用語においては、分類に際してあくまで性描写の有無が中心であり、恋愛及びシナリオ要素については、二次的な要素となってしまう(しかし、このジャンルが性描写さえあればなんでもあり、という環境の中から生まれた表現であることは、論者自身も認識しているところである)。
 このように、上記のいずれの用語も、論者が対象とするゲームのジャンルとしてはしっくりくるものではなかった。このため、論者が本論考の対象ジャンルを示す言葉として、論者の意識と共通する面が多い秋風碧氏の発案した「恋愛ゲーム」という用語を、ジャンル名として採用することとした。