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2007-02-27

ストーリー志向がストーリーを駄目にする(2)

| 02:28 | ストーリー志向がストーリーを駄目にする(2)を含むブックマーク

パソゲーも最近は長くないと駄目みたいな風潮だけど、日常シーンやテキスト量が増えても何にもならないと思うんだ。ストーリーの密度を保ったまま長くするには設定を作りこめばいいけれど、ストーリーのために用意された設定はキャラの自由を奪ってしまうから。ただし、キャラのために用意された設定はその限りではない。

ストーリー志向がストーリーを駄目にする

| 02:20 | ストーリー志向がストーリーを駄目にするを含むブックマーク

RPGが好きだった。ドラクエFFクロノトリガーロマサガテイルズ、WA、etc……。剣と魔法の世界、ドラマチックなストーリー、手に汗握るボス戦。ゲームの無限の可能性を信じて疑わなかった。しかしFFを筆頭に、それらビッグタイトルからどんどん離れていった。トドメになったのがWA5で、「今回はシナリオの重要性を考えシナリオライター起用」ということでしたが、シリーズ中最もシステムと遊離したシナリオに全く魅力を感じられなかった。このとき感じたギャップは、かつてFFで味わったものと似ている……。

WA5のシナリオで一番問題だったのは、キャラが完全に死んでいたこと。進歩した映像技術を魅せたい意思も伝わってくるのだけど、肝心な部分で説明台詞によるストーリー進行が目立つ。確かに「ジョニー・アップルシード」というキーワードの意味は大事に扱っていたと思う。しかし大筋のストーリーのためにキャラを動かしているのが目に見えるよう。刹那的な狂人や復讐に燃える男まで饒舌に語り始めたらもう駄目です。

WA5は極端な例だけれど。プレイヤーが壮大なストーリーを求めていると感じ取って話がつまらなくなったケースはどれだけあるのだろう。プレイヤーが求めるのはゲームシステムに連動したシナリオ、言い換えればプレイヤー自身が登場人物になれるシナリオだったはず。

アクティブタイムバトルの生みの親である伊藤裕之さんは、ボス戦はプレイヤーの実力を試す試練であると言う。「人間の肉体が短期間で成長するわけがなく、新兵だろうと武装が強いほうが勝つ」ならば、知恵と工夫次第でどんな強敵にも立ち向かえる。これは王道バトル漫画でおなじみの強さのインフレに対する特効薬ではなかったか。現に、FF5ではレベル 4-2-1-1のクリアが確認されている。バグでもなんでもなく、まさにプレイヤーの知恵と工夫が為しえた成果である。

そこまで徹底的に攻略法を考えれば、そのプレイスタイルそのものが一つのストーリーと言える。プレイヤーは強敵に立ち向かう主人公で、ありとあらゆる手段を以って困難を突破する。敵を知り、己を知り、弱点を見つければ劇的な大逆転をして、勝ち目が無ければ一旦引いて体勢を立て直す。このときプレイヤーは最も活力に満ちた登場人物となり、作品世界を彩る。用意されたキャラではなく生きた人間なのだから、個性的なのは当たり前。

おそらく、この点こそがTRPGネトゲの人気の秘密なのだと思う。自分がリアルタイムで参加している実感があれば、そうそう飽きるものでもない。

これは私だけかもしれないけれど、思い描く「壮大なストーリー」を目指してみればプレイヤーとゲームの乖離は避けられず、行き場の無い欲求不満が更なる大作を求めるのではないか。その先に待ち受けているのはRPGへの絶望か、それとも順応による鈍化か。

今こそ原点に返るとき。大容量にまかせた壮大なストーリーではなく、企画とストーリーに見合った規模のソフト開発へ回帰するべき。

ニンテンドーDSにはとても期待しています。