幻の「決定打!」完全不発記念新スレ(1)


【注/以下の記事は、掲示板「職業差別を許しません!」の〈「シンブン」リニューアル記念新スレ(ウォッチ継続)〉に投稿した記事を、当該投稿を行なった日付の記事として当ブログに再掲したものです(2009年3月)。〈ウォッチ継続・幻の「決定打!」完全不発記念新スレ〉への投稿を復活させるにあたり、流れを理解していただくために必要なので、再掲しました。これ以外のスレッドについては〈「職業差別を許しません!」スレッドガイド〉参照。】


トップページでは「10 ついに薄井問題に決定打!」という見出しからリンクが張られている新規ページでは、ある下級審判決(神戸地裁平14・7・16)〔現在の「判例8」〕が次のような見出しで紹介されています。


性風俗(ソープ以外も含む)が違法な「有害業務」であるとした判例(当然「職業」とは認められない)


あいかわらず情報操作がお得意ですねえ・・・。あるいは、法律や判決文の読み方もわからないほど知的レベルが低いのか。このはしゃぎようからすると、おそらくその両方でしょう。


当該判決では確かに、「各個室内で不特定多数の男性客を相手にお互い全裸になった上で手淫、口淫等の性交類似行為をする業務」が、職業安定法63条2号にいう「衆道徳上有害な業務」として認められています。この認定自体がいろいろ問題含みですが、それはとりあえず置いておきましょう。


さて、「衆道徳上有害な業務」はすなわち「違法」なのか? もちろんそんなわけはありません。判決でもそんなことは一言も述べられていません。判決では、本件被告人らが「風営法に基づく届出を行う等して」当該風俗店を営業していたことが情状酌量事由のひとつに挙げられていますが、「有害業務」=「違法」なら、このような理由に基づく情状酌量はありえないでしょう。


違法なのは、「公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集もしくは労働者の供給」を行なうことまたはこれらに従事すること(職業安定法63条2号)です。各行為の定義も念のため掲げておきましょう(職業安定法4条)。

  • 「職業紹介」=「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつせんすること」
  • 「労働者の募集」=「労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘すること」
  • 「労働者供給」=「供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させること」


したがって、「性風俗(ソープ以外も含む)が違法な『有害業務』」であるという解釈はナンセンスのきわみです。「違法」性と「有害」性の違いもわからないんでしょうか。あんまりおかしな理屈を振り回して「決定打!」なんてはしゃいでいると、市議としての適格性をますます疑われてしまいますよ。


法律家の方々」から「貴重な助言」を受けたそうですが、相談する相手は選びましょう。というか、シンブン公認ブログの(法律家とはとても思えないレベルの投稿者の)書き込みにしめしめと飛びついたのは見え見えなんですけどね。シンブン非公認ブログの方で爆笑されてますよ。


シンブン公認ブログ東村山市民が薄井問題を考えるフォーラム)
シンブン非公認ブログ(薄井問題を考えるフォーラムに書き込みが出来ない問題)


あと、〈判例じゃないよ「裁判例」〉さんの書き込み(非公認ブログ2007/08/06 17:18)もちゃんと承認して掲載しましょうね。


【追記】
シンブンのトップページには、いままで〈薄井「市議」特集〉のページにあった「驚き!娘を性風俗嬢に」という下劣な見出しも登場しました。


見出しだけでも名誉毀損が成立する場合もあるみたいだから、注意した方がいいと思いますよ。

 週刊誌における誇張・誤解を招く見出し表現が、記事本文を併せ読むことで名誉毀損に該当しないこととなっても、そのような見出し表現を用いた中吊り広告は名誉毀損となりうると認めた事例。
 原審(東京地裁 平成18年1月18日判決)は、誇張や誤解を与える見出しでも 記事本文を読むことによって別の意味に到達しうるから、それと同一の表現を用いた中吊り広告の表現についても同様に考えうるとした。控訴審は、中吊り広告における、いわば「見出し表現の一人歩き」を直視し、原判決を逆転した。
(東京高裁 平成18年10月18日判決 平成18年(ネ)第1055号)


プレイボーイ』や『SPA!』での報道について「ももっと〔ママ〕品のいいものに書いてもらったらどうですかね」などと言ってますが、「東村山市民新聞」ほど品のないメディアは最近珍しいですよ?