「東村山魑魅魍魎ブログ」発信者情報開示請求の目的は何だったのか


エアフォースの連載〈右翼を煽動した矢野穂積の虚偽説明〉がさりげなく佳境に入りつつありますが、それはまたいずれ触れるとして、今日は「東村山魑魅魍魎ブログ」の閉鎖問題について。


この件については、佐藤市議Tomatotic-jellyさんに加え、天上天下唯我独尊〈相手の顔が見えると色々やりやすいよね。〉、清風匝地〈恫喝という手口〉なども取り上げています。今回の動きがいかにも矢野「市議」らしいという点について、私もまったく同感です。【追記】ミハルちっく〈気をつけるべきWEBのカルトな情報〉も参照。


さて、ブログ主である祐天寺美桜さんの説明(念のため文末に転載)によると、りんごっこ保育園側(請求者に名を連ねていたかどうかに関わらず、運営委員である矢野穂積朝木直子両「市議」を当然に含む)は、「園内で食中毒が発生したと断定した虚偽情報」が掲載されていたという理由で発信者情報開示請求を行なっていたそうです。ブログ主の素性がわかれば、最終的には訴訟を提起するつもりでいたのは間違いないでしょう。


それにしても。「東村山魑魅魍魎ブログ」が開設されたのはちょうど1年ぐらい前だったと思いますが、当時からずっとチェックしていた私には、「園内で食中毒が発生したと断定した虚偽情報」が掲載されていた記憶など、ないのですが。


美桜さんも説明しているように、りんごっこ保育園で起きた食中毒騒動については基本的にエアフォース〈りんごっこ保育園食中毒騒動退園事件〉がネタ元になっており、そこでは食中毒が発生したと断定されてはいません。


「東村山魑魅魍魎ブログ」では、確かに、「食中毒の件」とか「食中毒事件」といった表現は時々使われていたような気もします。矢野・朝木両「市議」のように「ニセ食中毒事件」と呼ぶのはまったく不適切ですが(200810月27日付〈「責任転嫁」から「謀略」へ(食中毒騒動退園事件)〉参照)、「食中毒疑惑事件」とか「食中毒騒動」などと書いた方が丁寧だったとは言えるかもしれません。


しかし、普通の読み方をする読者であれば、それが“食中毒が疑われた事件”であったことは容易にわかったはずです。朝木「市議」自身、平成19(2007)年3月7日の生活文教委員会で議題外の質問をした際、「このりんごっこ保育園の食中毒事件」と言っています。すぐに「食中毒があったかのように伝えられた事件」と言い直していますが、食中毒の疑いがあった事件を「食中毒事件」などと呼んでも必ずしも間違いではなく、まして、直ちに「園内で食中毒が発生したと断定した虚偽情報」と言うことはできないのではないか、ということです。


仮に誤解を生じさせるおそれがあったとして、美桜さんも書いているように、ブログには連絡先メールアドレスが記載されていたのですから、いきなり発信者情報開示請求をするのではなく、まずはメールを通じて申入れを行なえばよかった。最初から話が通じないとわかっている相手なら別ですが、仮にも「市議」の立場にある者らと一心同体の関係にある保育園が、いきなり恫喝めいた対応をとるものではありません。


あるいは、XENONさんも書いているように、「東村山市民新聞」かりんごっこ保育園グループのサイトで、あらためて説明を行なうという手もあったでしょう。ご承知のように、私は「東村山市民新聞」のほとんどのページについて、些細な字句の修正に至るまで逐一チェックしてブログで報告しています。りんごっこ保育園グループのサイトについてはトップページのチェックが中心ですが、どちらかのサイトで何らかの記述をすれば私は確実にそれを取り上げたはずですし、美桜さんも、必要に応じ、誤解が生じないようにするための対応をとったと思われます。


つーか、りんごっこ保育園をさまざまな形で批判してきた「東村山魑魅魍魎ブログ」に対し、このぐらいしか反撃するネタがなかったんでしょうか。


そもそも、キャンディチーズ事故についてはさんざっぱら宣伝しているんですから(2008年10月26日付〈事故を宣伝に利用するりんごっこ保育園のいやらしさ〉参照)、食中毒疑惑事件についてもサイトできちんとした説明をすればよろしい。まして、エアフォースの関連記事にリンクを張っただけの記事まで「名誉毀損」の根拠にするというのは、言いがかりとしか思えません。文句があるなら宇留嶋さん(以下ウルシマと略します)をまず訴えればいいんじゃないかな。


具体的な請求内容がわからないので開示請求そのものについてはこのへんでやめておきますが、「園内で食中毒が発生したと断定した虚偽情報」による名誉毀損というのは単なるきっかけで、もっと別の目的があったのではないかという思いもぬぐえません。


たとえば“スパイ探し”とかね。2008年5月15日付〈陰謀妄想と疑心暗鬼の行き着く先は?〉でも触れておきましたが、りんごっこ保育園職員の退職が相次いだ昨春、矢野「市議」はこれを「りんごっこ保育園の認可取消を狙った、不穏な動き」と決めつけ、その“工作員”のあぶり出し(orでっち上げ)を試みていました。矢野「市議」自身が、『FORUM21』2008年5月号で、こう書いています

1月から3月にかけて、この保育園の保護者の一部、保育園職員の一部、外部の人間らが共謀して計画的に、りんごっこ保育園の認可取消を狙った、不穏な動きのあったことを強く指摘しておく必要がある。詳細は省くが、すでに職員の中にはこの動きに関与した事実を書面で認めた者もいるほどなのである。


こんな“犯人探し”の自白には私もちょっとびっくりしましたが、佐藤市議も同様で、市議会6月定例会でこの件に簡単に触れ、
「不穏な動きに関与した事実を書面で認めた者がいるって何なんですか。園内で査問委員会なるものが開かれて、本当に怖いという声まで伝わってきている」
と指摘しています(2008年6月12日本会議)。また、島田市議も、
補助金で運営されている認可保育園において、職員に書面でこのようなことを認めさせるなどとは、だれが、何の権限を持って行えるものなのか」
と質問しました(同6月16日本会議)。これに対しては、市保健福祉部長も、
「当市、及び東京都の所管におきましても、その事実等の確認のしようがないところでございます」
と答弁するに留まっていて、けっきょく「詳細」は依然としてわかりません。


で、島田市議のこの質問を取り上げた「東村山市民新聞」の記事が、こうですよ。

 彼らの関係者の職員が「保育園つぶし作戦」に関与したことを認めていて園側もすでにその事実を知っていることに焦った、創価・公明市議は、「フォーラム21」の同記事に「職員の中には、この動きに関与した事実を書面で認めた者もいる」とある、「職員に書面でこのようなことを認めさせるなどとは、誰が、何の権限をもって行えるものなのか、伺う」と市側に質問したのである。
 「保育園つぶし大作戦」というのは「保育士みんなで辞める作戦」で、これに関与したことを「反省」して「書面」で認めた職員までおり、動かぬ証拠が揃っているとなると、そりゃ心配になるってことでしょうね。でも、あまり、首をつきだすと本音がま〜るみえになっていることさえ、気づかないようです。


具体的説明はまったくしないくせに、何言ってんですか、この人たち。このような空虚な記述こそ、彼らの本質を「ま〜るみえ」にしています。この記事については、2008年6月17日付〈もうちょっとかっこいい作戦名を考えてください〉も参照。


一般市民がこんな人たちに個人情報を握られたら何が起こるかわかりませんから、美桜さんがブログ閉鎖を決断したのもやむからぬところだと思います。りんごっこ保育園としても、純粋に「名誉毀損」による被害回復が目的であったとすれば、すでに目的は達成されたわけですから、これ以上粘着はしないことでしょう。そもそも被害があったとさえ言えないのではないかと思いますが、これ以上やるなら、“スパイ探し”が本当の目的ではなかったかという私の推測が当たっていたということになりますかね。


というわけで、美桜さん、お疲れさまでした。必ずしも関心が高かったわけではないこの問題にこれほどの注目が集まるようになったのは、もちろん佐藤市議ウルシマさんの地道な活動があってこそですが、「東村山魑魅魍魎ブログ」の影響が非常に大きかったと思います。


私も、佐藤市議やウルシマさんが公にしてくれる情報に依拠しつつ、引き続きりんごっこ保育園のことを取り上げていくつもりです。ここ数日、ページビューが常ならぬ伸びを示しており、どうも保育園関係の記事が集中的に閲覧されている感触があるので、今回の件で新たにこの問題に関心を持った人も少なくないのでしょう。もちろん、朝木「市議」から「気持ち悪い」と言われて取材拒否された橋本玉泉さんも、りんごっこ保育園の問題が根本的に改善されない限り、事実を追求していってくれるはずです。5年でも、10年でも。


とりあえず、2008年回顧特集【りんごっこ保育園編】をまとめ終えたら、りんごっこ保育園問題の年表作りにでも取り掛かってみましょうかね。


〔この記事は1月10日の朝にアップしたものです。〕



【資料】東村山魑魅魍魎ブログ〈りんごっこ保育園から開示請求をされました。〉(1月7日付)の転載

ご無沙汰しております。
今まで何をしていたかと言いますと・・・。


りんごっこ保育園経営者から
ここのブログに記載されている内容について名誉毀損だと言われ
プロバイダに開示情報を求められていました。
(内容は園内で食中毒が発生したと断定した虚偽情報とのこと)


私としては記事にした根拠がありましたので
その根拠を示してプロバイダに開示拒否を致しました。
プロバイダも開示拒否を了承して下さいました。
有り難うございます、j:comの皆様


livedoorに関しては
私がメールで連絡が取れない状況だったので
(連絡先のアカウントが停止されちゃっていました)
開示は止むを得ない状況だったようです。


しかし、名誉毀損の根拠となるURLに
私がブログマガジンエアフォースを紹介した記事まで
記載されていたのには驚きました。
私は記事の紹介をしただけですし
それを名誉毀損と仰られても困ります。


【問題の私の記事に記載されていたURL↓】
りんごっこ保育園食中毒騒動退園事件(前編)
りんごっこ保育園食中毒騒動退園事件(中編)


開示拒否の際にお伝えしておりますが
私はブログの右端にhigashimurayama_orz@livedoor.comというアドレスを記載しております。
そこに連絡を一切せずに名誉毀損だと仰り
プロバイダへ開示請求されるなんて
私としては恐怖以外の何物でもございません
(ちなみに現時点でもメール等には一切の連絡がありません)


私だけではありません
プロバイダの名義は私以外の人間ですので
その人物にも多大な迷惑と恐怖感を与えてしまいました。


おかげで恐怖の為、現在も記事を非公開のままにしております。
もう私には、りんごっこ保育園で何か起こっても
訴訟を意識してしまい、何も書けないでしょう・・・。


しかし、もう私じゃなくても
りんごっこ保育園を調べて記事に書いていますし
私の役目は既に終わっています。
これ以上、私が表に出ることも無いでしょう。
ひとまず、ここで終了いたします。


他の正義感溢れる人が継いで記事にでもしてくれないかなぁ
そうしてくれると私も少しは浮かばれるんだけどな・・・。