トリプルヘッダーだった矢野・朝木両「市議」と、瀬戸陳述の衝撃的変更


明日に回そうかなとも思ったのですが、WAW〈【御用ライター】政党副代表が陳述内容を変更〉がいろいろ衝撃的だったので、取り急ぎ拾っておきます。


宇留嶋さんが矢野・朝木両「市議」を訴えた、いわゆる「御用ライター」裁判の速報なのですが、第一の衝撃は、この裁判の第9回口頭弁論が5月29日(金)に開かれていたこと。上の記事で、矢野・朝木両「市議」は「ダブルヘッダーだったんですか」と書いたのですが、それどころかトリプルヘッダーだったことが判明しました。


それ以上に衝撃的なのは、瀬戸弘幸サンが裁判に提出した陳述書の修正内容です。


瀬戸サンの記事には「尚この陳述書に一部訂正があったので、その訂正箇所は裁判所の方に提出することになっております。」と付記してありましたので、瀬戸サンが岩崎氏からファックスを受け取った日付の修正(「平成8年」→「2008年」)*1か、岩崎氏の名前の訂正(「定」→「定夢」)か、いずれにせよ技術的修正に留まるのだろうと思っていたのですが、そんな瑣末な話ではありませんでした。なんと、情報源である岩崎氏からの申し出により、次のような重要な修正が行なわれていたというのです。


「宇留嶋瑞郎さんの署名入りの原稿は、宇留島さんからではなく、創価学会広報部より『レイアウト済み』で、『月刊タイムス社』に入稿される」
  ↓
「月刊タイムス社は宇留嶋瑞郎氏の原稿を、校正やレイアウトを一切しないで、宗教団体系ライターに手渡していた。印刷所にはライター氏が入稿していた」(WAWの記述を一部実名化して引用)


全然話が違ってきてますよね。完全版下」の話は何処へ?


「〔宇留嶋さんの原稿は〕創価学会広報部より完全版下原稿として、出版社に送付されます。これは珍しいことでも何でもありません。/創価学会広報部がチェックして、OKの許可が出て初めて掲載されることになります。私の時代から今も変わっておりません。レアウト〔ママ〕創価学会が行ない、完全な形で入稿されるというわけです
(2008年10月11日付〈創価学会御用ライター・宇留嶋瑞郎さん〉)


〔宇留嶋さん〕が書いて出版社に持ち込まれる原稿は、創価学会広報部から完全版下として入稿されています。出版に関わったことのある人間なら、これがどのような意味を持つものなのか、知っていますよ。/だから、反論できないの。お分かりかな
(2008年11月7日付〈【番外編】朝木事件ウオッチャー・ブログの正体(7)〉のコメント欄、Posted by せと弘幸 at 2008年11月07日 22:48)


私は企業の広報部から直接原稿を頂くことがありました。記事広告も中にはありましたが、それでも入稿版下は出版社のほうで作成し、企業の了解をもらって掲載しました。これは企業がお金を出すのですから当然です。/宇留嶋氏の原稿はこれとはまったく逆となっています。取材原稿は一旦は出版社に出して会社側はそれを見ますが、その後は創価学会広報部より完全版下として入稿されます
(2008年11月8日付〈【番外編】朝木事件ウオッチャー・ブログの正体(8)〉)


この問題については橋本玉泉さんが宇留嶋さんに直撃取材し、「私の書いた記事の原稿が(創価)学会から版下が入稿されるなどという話は聞いたこともない」という回答があったことを公表しています(2008年11月14日付エントリー)。私も、修正前の瀬戸サンの記述はいささか理解しがたい「事実」であり、「ガセネタに飛びついてしまったのではないかという疑いも拭い切れません」と指摘しておきました。


ところが瀬戸サンは、橋本さんが公表したインタビューを見ても、「編集部に聞けばすぐ分かることであり、明確に否定したとは思えない内容です」などと言うばかり(2008年12月20日付〈創価学会御用ライター裁判〉)。それこそ「編集部に聞けばすぐ分かること」なのに、なぜ岩崎氏の思い込みを鵜呑みにしてしまったのでしょうか。


さらには、このような重大な事実誤認があったにも関わらず、依然としてそれをブログで報告しない。岩崎氏からファックスを受け取った日付をこっそり修正していたこと自体、松沢さんが指摘するように問題があるのですが、このような重大な修正があったのであれば、陳述書を掲載した時点(5月24日)で付記しておくべきでしょう。だから「詐称ジャーナリスト」などと言われるのです。


いずれにせよ、矢野・朝木両「市議」による瀬戸サンの証人申請が却下されたのは当然ですね。その他の詳細についてはWAWの記事を参照。(追記:5月31日付〈「御用ライター」裁判をめぐる空虚な更新〉の追記2も参照。)

*1:この点はこっそりと修正