3羽の雀の日記 RSSフィード

2012-04-08

【京都朝鮮学校襲撃事件】悪意が滲み出る産経新聞の記事と、それに煽られる学習能力のない人々


東村山市民新聞では相変わらず「最終更新日」の修正が断続的に続けられているだけです*1


一方、産経新聞が突如として次のような記事を掲載しました。


 京都市が管理する公園を無許可で占有したとして、市民団体が抗議活動を繰り広げた京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)が、新学期から休校することが4日、分かった。児童数の減少に加え、抗議活動や地域住民の要望で公園を運動場として使えなくなったことも一因とみられる。全児童を第三初級学校(同北区)に転入させ、来春以降、市内の初級学校3校を統廃合し、別の市内の土地に建てる新校舎に一本化する。


京都朝鮮第一初級学校がなくなることについては、今年2月4日の段階でブブカさん(ここが変だよ在特会(仮))が「なう」でつぶやいていたのですが、産経新聞の記者は知らなかったようです。この記事は、朝鮮学校の児童・生徒数の減少などもあって学校法人京都朝鮮学園が「昨年秋、ひそかに統廃合を計画」したなどと述べた後、さらに次のように続けます。


 統廃合には、公園不法占有も影響した。校舎前の児童公園に朝礼台やサッカーゴールを無断で設置し、運動場として使っていた第一初級に「在日特権を許さない市民の会」のメンバーらが21年末、抗議活動を展開。22年8月、京都府警がメンバーら4人を威力業務妨害容疑で逮捕、当時の校長を都市公園法違反容疑で書類送検した。

 抗議活動以降、児童の保護者から、安全確保のため移転や他校との統合を求める声が高まった。また学校側はその後も公園を授業に使用したため、地域住民が昨年夏、改善を求める要望書を市に提出。市は運動場として使えなくしていた。

 京都朝鮮学園の話「何も答えられない」


抗議した4人のメンバーは威力業務妨害罪だけではなく侮辱罪や器物損壊罪(川東大了のみ)でも起訴され、そして産経新聞もかつて報じたように↓執行猶予付の有罪判決を言い渡されているわけですが、なぜそのことには触れずに「逮捕」だけで済ませているのでしょうか。



言い渡された刑は次の通りです。


被告人    求刑(懲役)    判決/執行猶予
西村 斉2年2年/4年
荒巻 靖彦1年6カ月1年6カ月/4年
川東 大了1年6カ月1年6カ月/4年
中谷 辰一郎1年1年/4年

このうち中谷辰一郎のみが控訴しましたが、昨年10月28日に

「原判決説示のとおり、その行為態様は抗議活動として許容される範囲を大きく逸脱している上、関係証拠によれば、被告人らが問題視した本件公園の占有には急迫性はないのであるから、正当防衛等の違法性阻却事由 (過剰防衛等含む)の成立の余地などない」

「本件学校側の本件公園に係る達法、不当行為について問題があったというのであれば、法に則った行為をすれば済むし、また、・・・首謀者である西村らは、本件公園の間題が本件学校と京都市との間で話し合いの途上にあり、年明けには一定の結論が出ることは承知していた」

などとして棄却され(大阪高裁判決全文)、これが最高裁の上告棄却決定(今年2月23日)によって確定しています。産経新聞が控訴審判決について報じた記事は目にしていませんが、京都朝鮮学校側が「昨年秋、ひそかに統廃合を計画」したなどと思わせぶりなことを書く前に、今からでも「昨年秋、ひそかに控訴が棄却されていた」とでも報道なさればよろしいのではないでしょうか。


この点、MBSはちゃんと有罪判決についても報じています。


 京都市の「朝鮮第一初級学校」が運動場がないことや校舎の老朽化などを理由に、今学期から休校することがわかりました。

 「京都朝鮮第一初級学校」は日本の幼稚園と小学校にあたる児童が在籍していて、今月2日、休校届けを府に提出しました。

 この学校に対しては、京都市の管理する公園を運動場として不法に使用・占拠しているとして「在日特権を許さない市民の会」が校門前で抗議活動をし、メンバーら4人が授業を妨害したとして有罪判決を受けています。

 また、学校側も当時の校長が都市公園法違反の疑いで書類送検されました。

 府によりますと学校は休校の理由について、ほかに運動場がないことや校舎の老朽化などをあげたということです。

 学校には去年5月時点で118人が在籍していて、児童は市内にある他の朝鮮学校に移るということです。


もっとも、こちらも元校長が都市公園法違反で10万円の罰金刑を受けたことには触れていません。もちろん在特会関係者らの行為の方がはるかにたちが悪いわけですが、公正な報道や余計なイチャモンの回避という観点からは、実質半年間平成21年6月〜12月)の占用容疑でこのような結果が出たことを報じてもよかったのではないかと感じます。


産経の記事については、Togetter京都朝鮮学校廃校は『在特会』による功績です!−在特会のアジビラへと堕した産経ニュースがまとめられており、ブブカさんも細かくつっこみを入れていますので、ここではこれ以上触れません。それにしても、これだけ行間から悪意が滲み出てくる記事には、さすがにかつて群馬県知事の会見を捻じ曲げて報じたことのある産経新聞↓だけあると、ある意味感心させられました。京都朝鮮学園が産経新聞の取材を拒否するのも納得です。



今回の産経新聞の記事を受けて大はしゃぎする人間も、早速続出しました。とりわけ、徳島県教組襲撃事件に関与した中曽千鶴子(おつる)・中谷良子(クロエ/ジェリー)両氏のはしゃぎぶりは、こちらがいろいろと心配になるほどです(おつるサンのはしゃぎぶりについては前掲Togetter〈京都朝鮮学校廃校は『在特会』による功績です!−在特会のアジビラへと堕した産経ニュース〉も参照)。




最近はもっぱら何かのついでに捨て台詞を吐く形でしかこの事件に触れてこなかった瀬戸弘幸サンも、昨年2月以来およそ1年2カ月ぶりにこの事件に正面から言及し(2011年2月6日付〈瀬戸弘幸サンが昨年9月以来およそ5カ月ぶりに京都朝鮮学校事件裁判に正面から言及〉参照)、「歴史的偉業」とはしゃいでいました。



徳島県教組襲撃事件のきっかけになったのも産経新聞の記事であることは周知の事実であり、これでは産経新聞は“犯罪扇動新聞”と受け止められてもしかたがないでしょう。


桜井誠・在特会会長も、係争中の民事訴訟の当事者であるだけにややためらいがちでしたが、3月4日の生放送で次のような趣旨のコメントをしていました。



桜井会長こそがその場しのぎに適当なウソをしばしば吐く体質の持ち主であることは、山本太郎告発問題読売新聞大阪本社抗議問題を通じてすでに知れ渡っており、よくまあ平気でこのようなブーメランを飛ばせるものです。それどころか、この発言の直前にも、ちょっと検索すればものの数分で間違いだとわかる(少なくとも眉につばをつけなければならない)ネタを断定的に語って恥をかいていました。



桜井会長はこの発言の直後に

「気が付いたら朝鮮人がそこに巣食ってる。ほんとゴキブリみたいな連中。ゴキブリを退治するのに情け無用なのは当たり前。ゴキブリがいたらゴキジェットかけるでしょ皆さん」

というレイシスト丸出しの発言もしています。こうした点も含め、民事裁判できっちり追及してもらえばいいのではないでしょうか。

*1:3月29日付(2012/03/28 17:47:01)・3月30日付(2012/03/29 11:34:12)・3月31日付(2012/03/30 13:35:37)・4月3日付(2012/04/02 16:22:05)・4月4日付(2012/04/03 16:37:45)・4月5日付(2012/04/04 16:42:31)・4月6日付(2012/04/05 12:44:53)・4月7日付(2012/04/06 20:05:26)・4月8日付(2012/04/08 14:08:10)。

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