南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

殺されたヘビ

 今朝、隣のおじさんがやってきて言うには……なんかあんたの庭から出てきたヘビ、警備員たちが捕まえて殺しちゃったみたいだけど、あんたの飼ってたやつかもしれないよ?


 は?????


 いや、うちはカメとイグアナはいますが、ヘビは(残念ながら)飼ってませんが? うちから出てきた???って??? 
 とにかくヘビが(生きてるのか死んでるのかもよくわからないが)いると聞けば見に行くしかあるまい。ワンコは放置して、カメラを持って警備員のいるコロニー入口へ。
 そしたら、マジでヘビだったよ、でかかったよ。


 以下、ヘビの写真、しかも負傷して少し血も見えてるところあります。苦手な人は要注意です。


 頭から20cmくらいのところをばっきりと折られて、それでもまだゆっくりうねうねと動いていた。
 警備員のお兄さんの話によると、うちの庭の門から出てきて、隣の家のポーチにパーティ用の折り畳みテーブルが置いてあるんだが、そこに巻き付いて、威嚇攻撃してきたのでやっつけた、ということらしい。
 うーん、その折り畳みテーブルって、イグリンコがいたところなんですが……。あそこ、なんか爬虫類を惹きつけるものでもあるの??? 


 それで思い出したんだが、今朝、なんか近所でえらい若いのがワアワアギャアギャア騒いでるなあ、とは思っていた。いったい何やってるんだ、様子を見に行こうかなと思ったけど、ワンコがやってきてドタバタしていたのもあって、そのまま忘れてた。あれ、ヘビ捕り物帳やってた騒ぎだったのか……。そのとき気が付いて参加していれば、殺させないで済んだかもしれなかったのに……。


 話している間にやってきた庭師の兄ちゃんが、自分の刀でヘビを動かしているのを写真撮った。


 何をしてるのかと思ったら、私の写真のためにいいポーズをさせようとしてたらしい。


 うん、確かに生きてるように見えるけど、この時点でもうほとんど動かず。



 顔のアップ。でも目がもう死んでるよね。



 見れば見るほどきれいなヘビで、そりゃまあ毒ヘビかもしれないこんなのが庭をうろうろしてたら、うちだって仔犬やカメンコが噛まれたら困るし、イグコ……はもう食べられない大きさだと思うけど、カエルもたぶん腹の足しにならん!ってサイズだと思うけど、でもそりゃいろいろ問題ではあるだろうけどさ……だけど、殺される前に私が気付いていたら、と激しく後悔。
 どうなんだろ、毒ヘビには見えないけどなあ。庭師の兄ちゃんは口元を見て、「うん、こりゃ毒ヘビだ」とか言ってたけどね。警備員の兄ちゃんは、うねうねといつまでも苦しそうに動いているので、もう息の根止めてやりなよ、と言った私に、「ヘビって脇腹に気門があってそこから呼吸するから、動いててももう死んでるんだよ」と、ン十年生物学をやってきた私にも理解できない難しい理論を展開してくれましたけどね。
 殺さずに捕まえてくれればよかったのに……。

たぶん、Spilotes pullatus

 調べてみたらあっさり見つかった。ドイツで買ったヘビ本全2巻の、無毒ヘビのほうに載っていたよ。
 Spilotes pullatus、英名chicken snake, yellow rat snakeスペイン語名serpiente tigre、トラヘビ? 【追記:和名はフミキリヘビと教えていただきました】 黄色と黒のシマシマ模様だからねえ。ほーら、やっぱり無毒じゃん。まあ毒ヘビの多いメキシコでは、そんなの確認する前に殺しちゃうんだろうけどなあ。
 分布とか写真はこちらにも。