南国の隅っこ(旧)

元はてなダイアリーだった記事です。引っ越したのでデザインとか無視ですが、読めるだけでも……。

イグコの産卵、近いかなあ?

 もういよいよ卵産みそうな、というか産んでほしいイグコ。毎日部屋をウロウロ、窓ガラスを爪でキイキイ、たまりません。
 昨日の晩は産卵場所にと設置した衣装ケースの中で寝てた……。今朝も起きたのに出てこないで穴を掘ってるから、いよいよか!?と期待したけど、しばらくしたら出てきてまた部屋をウロウロ。窓ガラス引っかく音に耐えかねて、寄っていってお腹の下に手を入れてやると、おとなしくなるんだけどねえ。こっちも何時間もその姿勢でただじっと立ってるってのもつらいので、モデムでお腹あっためなさいね、と連れていくと、しばらくはそこで寝て、また動き出す。いいけどね。
 オレンジの尿酸は毎日、おしっこは少々、ほとんど食べてないのでウンチはほぼなし。尻尾の付け根とか骨と皮だけになって尾てい骨?が飛び出してるし。こないだはモデムの上に寝てるイグコの尻尾にくっきりと溝ができてた。


 お腹はもうぱんぱんに膨れて、前は横に広がっても縦は平べったかったりしたけど、今はどっちも真ん丸。どうか無事に産みますようにと祈るばかり。


 ところで今朝、イグコを抱っこして落ち着かせ?ながら、ふと恐ろしいことを思いついてしまった。イグコが脱走したのは12月11日だった。それから丸二日して帰ってきたわけだけど。
 もしもこのあいだに外で、交尾してたら? あれからそろそろ二ヵ月。生まれる卵が有精卵の可能性、あるの!!??


 家出娘が帰ってきたら妊娠してたと知った親父の心境だよw まあ人間と違ってイグアナは子供生まれてもそこまで困らないけどさー。でも有精か無精かわからない卵を保存しなきゃいけないのか……。


 というわけで、ドイツ語のイグアナ本をもう一度丹念に読んでみる。もう一冊、3,4日後に届く予定だけど、間に合うかな。

  • メスが受精(交尾)可能な体になる期間は10日ほど(3.6.2 102p)。
  • オスがメスに交尾を迫るダンスは4週間ほど続く(103p)。


 イグコが脱走したのはオスを求めてのことだと思えば、最初の条件は当てはまる可能性ゼロじゃないけど、まあやっぱ知り合って2日の男に体を許す?ようなあばずれ娘じゃございません??? しかし求愛ダンスが4週間とか、イグアナのオスって大変だな……。とはいえ、最初の2週間は誰彼なく(メスなら)愛想を振りまく時期、次の2週間は特定のメスに、という感じらしい。ま、これはそういうケースが観察された、という程度のお話。
 続きに、サブドミナントのオスにも交尾のチャンスがあるとかいう話もあって、イグリンコに関係してくる(いずれはイグコと交尾も可能か?)。でも今はパス。

  • 交尾から産卵までは約8週間。交尾のあと約1週間で食欲減退もしくは拒食、7週間で産卵してからやっと食べる(105p)。
  • 一回の産卵で産む卵の数は、若くて小さいメスほど少ない。9個から71個、平均35.5個。初産の場合11〜15個(3.6.3 109p)
  • 産卵から孵化までは65日から115日。平均90日。温度は29〜31.5度。しかし24〜32.5度でも孵化可能。(3.6.4 110p)

 ここまでは、自然界でのグリーンイグアナの研究・観察記録など。飼育下でのイグアナの交尾と産卵、孵化について。

  • 卵を腹に持つと、食欲と飲水欲求が倍ほどに高まる。この時期、蛋白質(当然植物性だと思うけど)とビタミン・ミネラルの補給に努めるべし。(10.2 248p)
  • 産卵の2,3週間前、個体によっては数日前になるとほとんど食べなくなる。飲水欲求だけは産卵直前まで高まる。(同上)
  • "妊娠"期間は55〜70日、もしくは63〜68日(研究者により変動)。最短44日、最長102日の記録もあり。(同上)
  • 条件がよくない場合、もしくは不明の理由で、体内の卵が吸収されることもある。殻がまだ形成されていない時期であれば。殻ができてしまうと、吸収はされない。吸収できず、何らかの条件が悪くて産卵もできない(栄養状態不全、産卵場所の不足、ストレスなど)場合、産卵難に。(同上)


 自然界ではメスのイグアナはかなり深い穴を掘って卵を産むが、飼育下でそんな深い土を提供することは不可能なので、できうる限りイグアナを満足させる産卵ケースのモデルが詳細に紹介されてる。私が用意したのは、天井が高すぎるかもしれない(というか上は半分開けてるしな)。天井が低くて狭いほうが安心するみたい。そして湿気も大事なので、放置して乾燥してしまうとイグアナは産卵に不適格と認定して産まなくなってしまう → 産卵難に。というような話が249ページから数ページにわたり。
 ある研究者が観察した20度にわたる産卵の(飼育下の)イグアナの行動様式は以下のとおり。

  • テラリウムのあちこちを掘り返して、産卵に適する場所を探す
  • ここと決まったら数日かけて掘る。産卵の1〜3日前には掘る行動は終わり、イグアナはそこから出てこなくなる。
  • 産卵は卵の大きさや数によるが、6時間以内。卵は積み重ねるように置かれ、互いにくっつかないよう、たびたび後ろ足で土をかける。
  • 産み終わると、土をかけて丁寧に上から固める。何度も繰り返し、ケースの天井まで土がぎっしり詰まった状態にまで埋め戻す。


 やっぱり天井は低くしないとダメかー。まあ神経質でない個体なら、適当なところに産んじゃうこともあるみたいだけど。
 埋め戻したあとも、しばらくは見張ってて、掘り返されるとまた埋め直すとか。産卵後3〜12日すると、関心を失うらしい。それを待ってから産卵ケースを動かす。


 このあと、取り上げた卵を孵すためのあれこれも書いてあるけど、うーん、とりあえずイグコの卵が有精卵の可能性は……ないよな?
 それよりもまず心配すべきは、産卵難。そうなった場合、死亡するケースがもっとも多い(247p)。11.2.7章270p以降に詳しく載ってるけど、産卵難に陥る原因はたとえば

  • 産卵場所の欠如、もしくは間違った産卵場所の提供
  • 温度、湿度、光などの環境条件の不全
  • 卵の欠陥(癒着、ダブル形成、発達障害、殻の形成不全など)
  • 便秘、腸内異物による産卵阻害、膀胱結石など
  • 栄養障害(MDB)、欠乏症など
  • 母体の形成不全(狭すぎる骨盤、骨の形成異常、骨折など)


 で、卵を持っているメスイグアナが正常な状態なのか産卵難に陥っているのかを見極めるのは非常に難しい、と。超音波、レントゲンなどの他に血液検査も有効。


 卵を産むためだけに、死ぬこともあるとは、イグアナでも女って大変なんだなーーーー
 とか呑気なこと言ってる場合ではない、イグコがどうなるかわからないけど、覚悟もある程度決めつつ、産卵衝動は高まってるような感じだから今後数日の様子をじっくり観察していかないと。
 で、今夜もまたケースのなかで寝てるイグコ。午後はずっと出かけてて、帰ってきたら産んでたりしないかなー、と期待したんだけどね。帰ってきてすぐに様子を見たら、ケースのなかで土を掘ってた。おおお、と思ったけど、覗き込んでみればイグコのお腹は変わらず。そしてそのまま寝てる。
 どうかうまく産卵できますように。