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地下生活者の手遊び このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-05-18 青少年の健全育成のために

「悪書」追放を全力で支持する

前回エントリの応答をしなければならにゃーのだけど、思いついたのでネタを優先しますにゃ。



化け物を殺すのは人だけ - 北沢かえるの働けば自由になる日記によると、「僕らの七日間戦争」という優れたジュブナイル小説*1が小学校校長の一声で学校図書室から撤去されたということですにゃ。


そういえば、図書館BL問題なんかもあったわけで、ちょっと圧力をかけたり校長が鳴いたりすると、図書館(図書室)から本を撤去することができるってのは困ったことにゃんねえ。

撤去されたのは品川区の小学校ということで、石原都政下の教育委員会は頼りにならにゃーだろうから、抗議のやり方も考えにゃーとな。


というわけで、報復ネタを考えてみましたにゃー。


石原慎太郎の出世作に「太陽の季節」というものがあるらしいにゃ。どうも不良少年ブンガクということのようですにゃ。

でもシンタロの小説なんて読むつもりもにゃーので、ここは斎藤美奈子「妊娠小説」から引用して、どういう小説なのか眺めてみましょうかにゃ。

妊娠小説 (ちくま文庫)

妊娠小説 (ちくま文庫)


ちょいと世をすねたボクシング選手兼遊び人の高校生=竜哉が、年上で小金持ちのタカビー女=英子をナンパしてセックスフレンドになり、湘南や東京を舞台に恋のかけひきめいたアヴァンチュールのあれこれがあり、英子は妊娠して中絶する。


ショーアップされたシーンがじつに多い。ここが見せ場だぞ、というときはだいたい、ヨットがひっぱり出されるか、派手な立ち回りが繰り広げられるかするので、見落とす心配もない。馬鹿でもわかる親切設計がうれしい。当然、ヒロイン英子が主人公の竜哉に妊娠を告げるセレモニー(受胎告知)も<逗子の入江>に浮かぶヨットの上で行われる。<わかったでしょ。赤ちゃんができてるのよ>と告げられた竜哉が、突然<ウクレレを取っ>て弾きながら<唱って>しまうあたりは、この小説ならではの醍醐味といっていいだろう。


ちくま文庫版 P46


「ちょいと世をすねたボクシング選手兼遊び人の高校生=竜哉」ってなんだよorz

今どきの小学生向き少女マンガだってこんなベタな設定は考えにくいだろ。


この「太陽の季節」のラスト近くを、「妊娠小説」から孫引きしますにゃ。


竜哉は英子にはっきりと言い渡した。当然予期していた答えを、気を持たされた挙句今になって聞かされ、英子は寂しそうな顔をして頷いた。

彼女は入院した。胎児は四カ月を越している。唯の掻爬手術が困難となり、骨格の都合で帝王切開が行われた。

そして手術後四日、英子は腹膜炎を併発して死んだ。


中略


つまんだ香を落すと、彼は思わず香炉を握りしめいきなり写真に叩きつけた。

「馬鹿野郎っ!」

額はけたたましい音をたてて滅茶苦茶に壊れた。花籠が将棋倒しに転げ落ちた。動揺する人々に、彼は険しい眼を向けて振り返った。

「貴方達には何もわかりゃしないんだ」



えーっと、

世をすねたボクシング選手兼遊び人が湘南や東京やヨットでパコパコ大立ち回りして妊娠させてウクレレで歌い中絶させて殺し葬式で馬鹿野郎と叫んで故人の写真をぶち壊し「貴方達には何もわかりゃしないんだ」と叫ぶわけですね。

はいなにもわかりません。読まなくて本当によかった・・・


このあたりを読んでいて連想したのは、くだんの「女を痴漢して強姦して孕ませて堕ろさせるゲーム」*2なんですよにゃ。例えば、「太陽の季節」の有名な「障子やぶり」のシーンをネットから拾ったのでご覧あれ。


 風呂から出て体一杯に水を浴びながら竜哉は、この時始めて英子に対する心を決めた。裸の上半身にタオルをかけ、離れに上ると彼は障子の外から声を掛けた。

「英子さん」


 部屋の英子がこちらを向いた気配に、彼は勃○した陰○を外から障子に突きたてた。障子は乾いた音をたてて破れ、それを見た英子は読んでいた本を力一杯障子にぶつけたのだ。本は見事、的に当って畳に落ちた。

 その瞬間、竜哉は体中が引き締まるような快感を感じた。彼は今、リングで感じるあのギラギラした、抵抗される人間の喜びを味わったのだ。

 彼はそのまま障子を明けて中に入った。


石原慎太郎「太陽の季節」障子破りのシーン


・・・チンコで障子をつきやぶって嫌がられ、障子から突き出たチンコに本をぶつけられて「抵抗される人間の喜び」に「体中が引き締まるような快感を感じた」わけですにゃ。

うむうむ、「女を痴漢して強姦して孕ませて堕ろさせるゲーム」をやりたい向きは、「太陽の季節」をお読みになればよいのではにゃーだろうか? 最後は♀を殺した上に葬式で遺影をぶち壊すという、ミソジニー(女性憎悪)の極限をいきつつ、徹底した自己正当化に余念がにゃーという、ある意味こちらのほうがはるかに上をいっているというスグレモノ。


ただし、こういう性差別を助長するような小説を図書館に置くわけにはいかにゃーな。ゾーニングだ、ゾーニング。

図書館でのBL撤去だの(コメ欄で、BL撤去を言論弾圧とみなすのは不適当であるとの指摘をいただきましたので、この部分にうち消し線をしておきます。5/27)、「ぼくらの」シリーズ学校図書室撤去だのという言論弾圧への対抗措置として、石原慎太郎「太陽の季節」を図書館や学校図書室から撤去するという運動をおこすことを主張いたしますにゃ。


どうみたって頭の悪さ全開のナルシー馬鹿マッチョ女性憎悪小説であり、「女を痴漢して強姦して孕ませて堕ろさせるゲーム」と志向性(嗜好性)が近いようなので、BLモノ撤去と同じ理屈で撤去できるんでにゃーの?


全国の図書館、学校図書室は「太陽の季節」のごとき悪書を置いていてはならにゃー。

悪書を追放せよ!

*1:未読なんだけど、相棒が読んであり、面白いといっていた

*2:参考 Equality Nowのエロゲに対する声明を訳してみた。(更新あり) - yuubokuの日記 - 断片部

a-kubotaa-kubota 2009/05/20 02:49 はじめまして。マジでこんな内容なんですか? なんか男の書いた携帯小説って感じですね(偏見)

VoyageVoyage 2009/05/20 02:58 めまいがするほどひどい石原ワールドを棚に上げてヒステリックな禁書処分はないやね。

私が気になっている「ゾーニング」はもっと瑣末に見えて気持ち悪いんだけど
「子供」をいつのまにか「子ども」って書いているとか
「障害者」を「障がい者」って書くようになっている習慣なのだよ。
そら以前からある普通の熟語だって悪意な読み方によっては悪意ある解釈は可能だが
熟語そのものを破壊する言語文化ってどうなのよ。
あと、最近、テレビの司会者のこと、なんの説明もせずMCで流通させているのが気に入りません。
私は調べないとわからなかったよ。ましてもっと年寄りにはえむしーってなんだべ、だよ。
何で普通に誰にも通じる日本語で司会者って言わないの。
出版もテレビも、しれっと日本語を破壊してて、きもくてたまりません。若造のことなんかいえねーよ。

VoyageVoyage 2009/05/20 03:06 >男の書いた携帯小説

いや、偏見ではないと思う。正確な印象だと思うよ。

http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51163245.html

◆映画「恋空」のあらすじ◆←ケータイ小説を映画化したものだ

男と付き合い始めるヒロイン
→その男にふられた元カノが逆恨みし、不良男たちにレイプ指示
→レイプされるが妊娠はしない
→レイプされたにもかかわらず彼氏と平気で学校の図書室でSEX
→彼の子供妊娠→ 元カノに押され、しりもちつく
→流産→いきなりふられる→すぐに新しい彼が出来る
→前の彼がガンになってることを知る
→今の彼捨てて元さや
→ガン闘病中で瀕死のはずの彼と無理やり野外セックス
→彼死ぬ
→なぜか、抗がん剤で精子全滅だったはずの彼の子の妊娠発覚
→まあ将来とか考えてないけど、とりあえず産むわ→スイーツ(笑) 終わり

diamonds8888xdiamonds8888x 2009/05/20 06:08 まじめな話、学校図書室には「太陽の季節」や「チャタレイ夫人の恋人」や「悪徳の栄え」などは置いてないんじゃないですか? たぶん・・・。高校以上は知りませんが。

ハッチハッチ 2009/05/20 22:43 なるほどくだんの小学校長の判断基準を遵守すると、ノーベル文学賞作家の「我らの時代」「性的人間」も追放だし、彼の若いころにはやった日活映画もだめなんですな。
なるほど。

高校図書館にあったバタイユ「エロスの涙」の中国磔刑写真を見て以来、あるいは親父のもっていた「百万人の夜」(知っている人いるかな)に収録された浣腸小説を小学生で読んで以来、
多少のグロ画像にはびくともしなくなった私としては、悲しいかぎり。

LIBRARIANLIBRARIAN 2009/05/27 18:21 ここ最近の言論の自由や言論弾圧の話題にこの話があげられますが、私からすると、この話は図書館の作業不手際と思うので、的外れだと思います。
堺市の図書館BL問題においては、大阪府に青少年有害図書規制があるにも関わらず、納本チェックをしていなかったものを青少年にも提供していた可能性があるので(あえて言いますが、忙しいなどの自分たちの都合を口実に、リクエスト図書をチェックもしないでそのまま配架している傾向が図書館業界全体にあります。もちろん内容確認している図書館もあります。)、一部を除いて撤去なり閉架へ移し利用制限をしていたのは無難な選択だと思います。
制限されていた当時でさえBL5000冊のうちの100冊は貸し出しされていたのですから、言論弾圧と関連付けられるのにはいささか無理矢理感を持ちます。
そろそろいい加減に、この手の話題から堺市のBL問題は外していただきたいたいので、あえて長々とコメント入れさせてもらいました。お邪魔してすみませんでした。

LIBRARIAN LIBRARIAN 2009/05/27 18:23 失礼しました。この話=堺市の図書館の例です。

tikani_nemuru_Mtikani_nemuru_M 2009/05/27 21:53 にゃるほど。了解いたしましたにゃ。
その旨の注をいれておきますにゃ。

ななまんななまん 2010/03/15 10:53 「太陽の季節」。英子がウザクなったので、自分のアニキ(英子に惚れてる)に5千円で売りつける。
と言うシーンもあります(英子が自身で買い戻すが、又売られたりする)。
一層の規制強化の改正案がでてますが、どうなるんですかね。

ななまんななまん 2010/03/15 10:53 「太陽の季節」。英子がウザクなったので、自分のアニキ(英子に惚れてる)に5千円で売りつける。
と言うシーンもあります(英子が自身で買い戻すが、又売られたりする)。
一層の規制強化の改正案がでてますが、どうなるんですかね。

ななまんななまん 2010/03/15 10:53 「太陽の季節」。英子がウザクなったので、自分のアニキ(英子に惚れてる)に5千円で売りつける。
と言うシーンもあります(英子が自身で買い戻すが、又売られたりする)。
一層の規制強化の改正案がでてますが、どうなるんですかね。

ちゃんちゃんちゃんちゃん 2011/06/15 17:47 「悪書」ねぇ…
何をもって「悪書」って言うんでしょうね。
やりすぎは良くない、とは思いますが、子供にあんまり読んでほしくない本ってありますからね。

うん。色々考えるきっかけになった。そういうヒントを拾わせて頂きますね。
初めて訪れましたが、これからも読んでいこうと思います。

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