「ダンス・クラシックス・ディスク・ガイド」を読む。

著者はCOLDFEETのwatsui氏。といってもCOLDFEETは知っててもwatsui氏の名前は知らなかったが。そして何より、COLDFEETブレイクビーツ的な音のイメージがあって、あまりダンクラのイメージなかっただけにこんな本書く人だと思ってなかった。
読んでみて良かった点は以下。

・LPだけじゃなく12インチも紹介している。
こういうDJライクな紹介はありがたい。DJならば好きな曲は12インチで欲しいもんだ。しかも、セレクトしたものは全て私物というのもポイント高い。
・DJ特集やプロデューサー特集がある。
レーベル縛りとか年代ごとの紹介とかはありがちだと思うんだけど、こういう特集はありがたい。もちろん超有名どころに限るんだけど、larry levanとかpatrick adamsとかの仕事を個別にまとめてくれているので関連を持って読みやすい。あと、著者のgrace jones贔屓ぶりがすごい(笑)
・安価で手に入れやすい曲が多い。
著者が冒頭で「基本的に3000円以内で買えるものをチョイス」と言っている通り、ざっと見た感じそれを超えそうなレコードは見当たらなかった。まあ安かろうと素晴らしい曲はたくさんあるので、この本をきっかけにそういう曲が増やせると思う。レア盤自慢みたいな気負いがないのも読みやすくてよい。

以下、残念な点。
・安価で手に入れやすい曲が多い。
良い点でもあるんだけど、言い換えるとマニアックな曲はほとんど扱っていない。一部、どうしても著者がこれは入れたい!という強い意志を感じる変な曲もセレクトされてるんだけど(笑)、ダンクラの秘境を追い求めるような人には物足りないかも。俺自身、この本を読んで「自分の欲しい曲」リストがそれほど増えなかったのだ。持ってる曲も結構多かったし、知らないアーティスト名は多分一割切るくらいしかなかったと思う。

なんのかんの言っても楽しめはしたのでお勧め。関係ないけど昨日手に入れた数年欲しかった一枚を記念に貼っておく。moodymannがremixして
るバージョンはよりセクシーでダークな質感になってるけど、オリジナルはかなりポップでかちっとした音になっていて、ちょっと物足りなさがある。けど19歳の殿下の才気の片鱗を感じさせる素晴らしいメロディーとイントロ一発で持っていかれる構成が最高に痺れる。