リトル・ミス・サンシャイン

これもTSUTAYAで借りたシリーズ。主人公のオリーブちゃんのルックスは観たことがあって、前から見てみたかったんだけど、むちゃくちゃ良かった。リトル・ミス・サンシャインというちびっ子ミスコンに入賞することに憧れるオリーブが、ポンコツ家族と一緒にポンコツ車でコンテスト会場まで向かい、出場するまでの珍道中を通して家族の繋がりを見つけなおす心温まる物語。
先に紹介した「バーバーショップ」と同じで、本作も個性あふれる家族への光の当て方がとてもうまい。それぞれが抱える悩みを家族が共有し、少しずつお互いの理解を深め(ファンキーなじいさんは途中でオーバードーズで死んじゃうけど)、最終的にオリーブを守るべく下らないコンテストで恥も外聞も気にせずに踊り出す最後のシーンがとても象徴的だ。勝ち組になりたくて「成功するためのメソッド」なんて胡散臭い理論を本にしようと躍起になってる負け組の父。問題ばかりの家族をまとめ上げるので疲れ果てている母。ニーチェにかぶれて空軍のパイロットになるまでは一言も口を聞かないと決めた童貞・友達ゼロの兄。プルーストの研究者だったが、同じ研究者のライバルに好きな男を取られたゲイの叔父。いい年こいてドラッグや女の尻を追いかけることを辞めず、老人ホームを追い出されたファンキーな祖父。それぞれが最高に魅力的で、観た後も忘れられない愛すべきキャラクターたちなのだ。オリーブもちょっとぽっちゃりしたアラレちゃんみたいでとても可愛い。じいさんに仕込まれたストリップダンスをコンテストで披露したことで審査員の顰蹙を買い、家族ともどもつまみ出される結果となるけど、最終的なみんなの晴れやかな表情がとても印象的。素晴らしい映画。