インターステラー」を観る。

ジャージー・ボーイズと一緒に目黒シネマで鑑賞。前評判通り、面白かった。近未来、異常気象により食糧難になった地球からテラフォーミングできる環境を求めて人類未踏の星を探す父と、何とか地球を脱出できるようなスペースコロニーを作成する研究を行う娘を中心とした物語。意外と初のマコノヒー作品。
やはり、映像が凄い。wikipediaにあったけど、きちんとした物理学者が顧問についてるらしく、科学的な裏付けを取ったり、監督のクリストファー・ノーラン相対性理論を勉強したりとかなり準備して臨んだらしい。特に、ワームホールを通過する時の吸い込まれていくような映像(ドラえもんのタイムマシンに乗ってるときみたいな映像だった)とか、ブラックホールに落ちて事象の地平線を超え、5次元空間に迷い込んだ時の映像(光がキューブ状になって、過去や未来を含む様々な空間・時間に波動でアクセス可能)とか。このCGを作るために一本論文もできたらしいけど、確かに一度見たら忘れないような凄い映像だ。インセプションが好きな人にはたまらない空に続く地面とかも出てくるので、視覚的な迫力はすさまじいものがある。物語としては去年観た「ゼロ・グラビティ」の方が一人の人間が宇宙空間でサバイバルする様が哲学的でシンプルかつ強くて好きなんだけど、本作は親子の愛的なヒューマンドラマとしても読めるので、特にSF知識が薄い人でも楽しめるんじゃないかと思う。
ただ、科学的な交渉がされてる割りにアレ?と思ったシーンも多く、まず地表の大気がアンモニアを主成分とする氷の惑星で、火と煙が上がる爆発が起きたこと。酸素が薄くてあんなに簡単に燃焼って起きるモノなのか?あと、百年単位で生命維持が可能であろう宇宙船内で、燃料についての描写が出ても食糧に関する描写が出てこないこと。あと、土星周辺で宇宙服の残り酸素2分という危機的な状況で偶然スペースコロニーに拾われたということ(これって地球の海に一つだけビー玉を落として、それを探し当てる、位の天文学的な確率なんじゃないかと思うんだけど)。そして何より、人類の危機が迫った時にろくに訓練せずに田舎で農場を経営していたマコノヒーを宇宙船の事実上リーダーに抜擢するようなことをNASAがするかということ。なんかちょっと不自然さは残るけど、物語としての納まりをよくするためにこうしたのか、それとも俺が知らないだけで不自然とも言えない描写なのかは判断がつかないのだが。