ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

ありのままに和み、そのままに寛ぐ。

tinpan19732011-06-02

6/1(水)大貫妙子@ブルーノートLIVEへ。


J-WAVEの人気ナビゲイター、アンドレア・ポンピリオ氏による
震災復興支援プログラム"HOPE AT SUNRISE PROJECT"の一環として、
大貫妙子さんのバンド編成LIVEが実現。


仕事との折り合いが難しそうなので、行けそうだったら当日問い合わせて
駆けつけようと思っていた。何とか目処が立ち、当日夕方問い合わせると、
「立見席ならある」とのこと。そのまま予約し会場へ向かった。


会場内へは申し込み番号順に案内していたようだ。
僕の番が来た。「少し見づらいかも知れませんが、
一番前の端なら席が用意できます」と案内役の方がおっしゃった。
ラッキー! 確かに極端なアングルの席で、真横からステージを見る感じ。
林立夫Dや小倉博和Gの姿はほとんど見えない。
鈴木正人Bと大貫さんの姿は半分ほど見える。
僕のすぐ脇にはPA! 目の前にはピアノとシンセ! 
森俊之Kの指の動きをしっかり追うことができた。
歌っている大貫さんがPA担当者に顔を向けて、
何らかの数値を下げてと合図する仕草が見られたり…。
入退場は僕の目の前を大貫さんが通って行った。
いつもとは違うLive感を味わうことができた。


「Monochrome & Colours」で幕を開け、
「One Fine Day」「緑の風」等主に00年代の作品を前半に演奏。
ユーミンのトリビュート・アルバムでカバーした「私のフランソワーズ」も
歌ってくれた。
「a life」「三びきのくま」といった坂本龍一氏との共作『UTAU』からの
楽曲も披露してくれた。
本編最後は細野晴臣氏トリビュートでカバーした「ファム・ファタール」だった。
もちろん「横顔」「突然の贈りもの」「都会」といったスタンダードも有り。



日常の忙しさや慌しさを忘れさせてくれる、
そして3.11地震後の不安や不満も束の間忘れさせてくれる、
いいライヴだった。いい時間だった。


「One Fine Day」や「a life」で顕著なように、
大貫さんの近作では“肩肘張らない日常”“背伸びしない思い”
のようなものが、ありのまま、そのまま、歌われている。
その日常感が、3.11後緊張が続いた今、
得も言わぬ心地良さを醸し出してくれる気がする。


あとは、
ご本人も「5月が一年でいちばん好き」とおっしゃっていたが、
大貫さんのライヴがいちばんしっくりくる季節は
初夏だと思う。
5月の湿気のないからりと晴れた日の夜や、
6月のまだ梅雨が本格化する前に聴くのが、
大貫妙子ライヴの最適シーズンのような気がした。


2002年だったか、Bunkamuraオーチャード・ホールで
林立夫沼澤尚ツイン・ドラムでライヴを行ってくれて、
当時久々のバンド編成で印象深いライヴだったのだが、
あれもたしか五月だった。


あの日のアンコールはたしか「人魚と水夫」で、
そうだ、あと「色彩都市」と「愛は幻」かな。
私にとって5月の大貫妙子ライヴで聴きたい曲ベスト3は。