十一月二十五日(水曜日)

○「アフリカの日々」ディネーセン

 ヌビア人の男が気が狂って、少年二人の喉首と自分の喉首をナイフで掻き切った。男も少年達も鼓笛隊の仲間だ。
 三人とも重傷だったが助かった。三人はおなじ病院の病室で入院し、治療を受けた。
 著者は別の用事で病院を訪れたが、彼ら三人と知り合い、「回復したらドライブに行こう」と誘った。
 二人の少年はまもなく退院したが、ヌビア人の男は回復が遅かった。少年達は、このナイフで切りつけた男を抜け駆けにして、ドライブに行こうとはしなかった。
 ある日ようやく三人を連れて著者はドライブに行った。そして檻の中に居るライオンを見に行った。少年はライオンとヌビア人の男を見比べて言った。「あのライオンはあんたみたいにこわいやつだね。」


アフリカの日々 (ディネーセン・コレクション 1)

アフリカの日々 (ディネーセン・コレクション 1)